乳児ボツリヌス症の潜伏期

4ヶ月になる娘がおります。生後1ヶ月を過ぎないころから、便秘気味で、砂糖水とか、綿棒で浣腸したり、いろいろためしていたのですが、実家の母が薬局でこれがきくんだってということで、漢方を買ってきたのですが、薬局の人がいってたということで、このままだと苦いから、蜂蜜でわってのむといいよといっていたらしいのです。娘も蜂蜜の味が気に入ったらしくごくごくのんでくれ、ここ1ヶ月くらいは、あたえてないのですが、実は、この蜂蜜をあたえてはいけないということを、今日、友達と話していてしって、乳児ボツリヌス症の予防の為だと知って、すっごくあせっています。もう与えてしまったので、しかたないとしても、潜伏期間というか・・今、発祥しなければ、もんだいないのでしょうか?それとも、まだ可能性は、あるのでしょうか?(東京都・Hさん)

乳児ボツリヌス症の予防のため、1歳未満の赤ちゃんにはボツリヌス菌に汚染されている可能性のあるハチミツは与えないようにお願いしています。

通常の「ボツリヌス中毒」は、菌が産製した毒素を摂取することによって発病するものです。
この食中毒での潜伏期間(摂取してから神経症状のでるまで)は12〜36時間(平均18時間)だと手元の資料にはあります。

「乳児ボツリヌス症」は、ボツリヌス菌が芽胞となって生きている食事を摂取し、腸管の中で菌が発育し、その後毒素を産製する事によって発病します。
そのために潜伏期は中毒よりも長いわけですが、はっきり期間の書いてあるものがありません。
不明であるということです。

「乳児ボツリヌス症」はとても珍しい病気です。
日本では20例ほどが報告され、その半数でハチミツが関係しているとのことです。
ハチミツの関係していない患者さんもあり、ボツリヌス菌が生息している土壌のついた物には注意が必要のようです。

最初の症状は「頑固な便秘」で、その数日後から全身の筋力が低下する「脱力状態」になっていきます。
ことさらに心配する必要はありませんが、気になる症状があれば、小児科医を受診されて下さい。

なお、いただいた質問の中で気になることがあります。
乳児早期の便秘に砂糖水、漢方などお使いになっていますが、この時期は「ウンチをするのがヘタ」な時期です。
お腹のマッサージ、肛門刺激などをして排便を促して下さい。
(ウンチが硬くて出にくいのではないはずです)
離乳食が進んで来ていて、ウンチが硬いために出にくいのでしたら、お薬を使うこともあります。
また、砂糖水はどうなんでしょうか。
赤ちゃんには基本的にはオッパイ(粉ミルク)以外は必要ありません(生後5か月くらいまで)。
離乳食の始まりも薄味で少しずつ始めます。
甘い物を与えるのはあまり好ましいとは思えないですが・・

2002.2.10

目次のページへ

ホームページのトップへ


塚田こども医院Q&A2002年 2月