喘息の治療方針

娘(5歳)の喘息のことです。今は、症状はないのですが(たまに、咳と喉がゴロゴロするときがありますが)アレルギーの数値が高いので、このままだと喘息になる可能性が高いと言うことで、毎日、朝食前と就寝前に薬を飲むように言われてます。(オノンドライシロップ、テオドールドライシロップ20パーセント)でも、忘れがちで、飲まないことも多いのですが、彼女に変化はないのです。飲んでいても、ゴロゴロするときもあります。(私自身もたまにぜーぜーして病院に行ったことがありますがぜんそくではないと、いわれてました。今も、年に1度なるかならないかです。)深刻な喘息になるまえに予防するのは大事なことだと思いますが、もし、必要のない薬ならばあまり飲ませたくはありません。発作のときに飲むならまだしも、毎日となると、いくら薬とはいえ身体への影響が気になります。喘息の町の異名をもつところなので心配なのですが。前に、点滴をすぐしてくれる病院はよくないと聞いたことがあります。そこの小児科では子供は抵抗力が少ないし、本人も楽だろうからと2、3日連続で点滴をします。インフルエンザのときは5日でした。そういうものなのでしょうか?(北海道・Sさん)

まず、喘息の見通しですが、基本的にはこれまでの発作や現在の様子を診察していませんし、検査結果などを把握していませんので、あくまでも一つの意見としてお聞きになって下さい。

子どもの喘息はアレルギーが基礎にあっておきていることが大半です。
とくにダニ(ハウスダスト)に対するアレルギーは9割以上で関係しています。
ダニ・アレルギーは1歳半くらいからハッキリしてくることが多く、ちょうどその頃から喘息発作をおこす子が出てきます。
多くは、2歳前後で喘息という診断がついてきます。
その後は次第に発作の程度や回数が強くなりますが、5歳前後を境にまた改善に向かうことも多いです。
それほど重症の喘息児でなければ、小学校入学以降はあまり発作をおこさなくなり、10歳前後で緩解していきます(発作をおこしやすい素地は残っていますので、「治癒」とは言えませんが)。
またきちんとした治療を受け、1年ほど発作のない良い状態を作ると、次の年にはもう治療を受ける必要がなくなることも多いです(5歳前でも)。

アレルギーの検査はとても参考になります。
しかし、喘息の重症度とは必ずしも関係がなく、またその後の見通しがそれで決まるわけではありません。
アレルギー検査で引っかかっていると、小児科医としてはとても気になり、環境整備などを指導したり、やはりアレルギーを抑える薬を使ったりすることはよくあります。
その後の経過は、実際に発作を頻発するようでしたら気が抜けませんが、ある程度うまくコントロールできているようでしたら、次第に薬を止めていったりしていきます。

お子さんの場合には5歳でこれまであまり大きな発作をおこしてはいないようですので、あくまでも推測ですが、今後大きな発作を頻発するようなことにはならないように思います。
その点では、発作止めであるテオドール、そしてアレルギーを抑える「体質改善の薬」であるオノンは、そろそろ不要になってきているようにも思えます。
いつまで続けるか、どのようになったら止めていくかは、また主治医の先生とご相談になって下さい。

「喘息の町」とは・・何なんでしょうか?

点滴については、一概には言えません。
必要なお子さんにはきちんとすべきです。
その判断は、個別のお子さんの病状を見ない限り分かりませんので、コメントは保留いたします。

2002.8.17

目次のページへ

ホームページのトップへ


塚田こども医院Q&A2002年 8月