妊娠と予防接種

妊娠と予防接種についてお尋ね致します。夫の転勤に伴い、現在、海外におります。予防接種を薦められたので、7月から受け始め、今日現在、A型肝炎の1回目(2回目は半年後)、破傷風の1回目・2回目(3回目は半年後)、B型肝炎の1回目(2回目は一週間後)の接種が終わっています。私は現在30歳で、できれば早く子供が欲しいのですが、予防接種のタイミングによっては胎児に影響が出てしまうことなどあるのでしょうか。予防接種後、当分の間は避妊しなければならない、ということはあるのでしょうか。もしあるとしたら、その期間などについて教えて頂けたら、と思います。(海外・Aさん)

妊娠中に予防接種を受けることについては、気分的な不安はあると思いますが、基本的には風疹を除いて問題になるものはありません。
現在受けているもの(A型肝炎、B型肝炎、破傷風)は不活化ワクチンですが、これらはウイルスや細菌そのものではなく、その一部(破傷風は毒素の一部)を少量注射するのみです。
仮に妊娠中でも、ワクチンが胎児に移行することはありません。

生ワクチン(はしか、風疹なそ)は毒性を弱くしたウイルスを「生きたまま」接種し、体内で一度増殖します。
この時に妊娠中であれば、胎児にもそのワクチン・ウイルスが移行します。
ワクチン・ウイルスの性質によっては胎児の発育に異常をもたらすことも考えておかなければいけません。
それが「風疹ワクチン」です。
風疹ワクチンの場合には接種後2か月間の避妊をお願いしています。
(しかし実際には風疹ワクチンによる奇形の発生は報告されていませんので、ワクチン接種後に妊娠していても、そのまま妊娠を継続してもらっています)

2002.8.26

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塚田こども医院Q&A2002年 8月