低身長

長女は今現在小学一年生(6月産まれです。)産まれた時の体重は2900g、身長は48?でした。赤ちゃんの時はミルクの飲みが悪く、幼児期も偏食で少食でしたが、今現在小学一年生(6月産まれです)での身長は103cmとかなり小さめで先日入院して血液による負荷試験をしましたところ、GHの3日間の最高値は6.07、6.14、10.6と出ました。尿中の成長ホルモンも4.54、8.1、6.3と低く、成長ホルモン分泌不全と診断されました。私(母)は3600gと産まれた時から大きく、幼稚園から身長は高くいつも後ろから2、3番目で一度5年生の時に皆に抜かれ真中になったことが嬉しかったくらいで、その後もどんどん伸び高校卒業時には164センチでしたが卒業後もまだ伸びOLの時に測ってみたら167センチにもなっていました。(生理が来たのは中1の時でした。)生理が来て3年くらいで身長が止まるとよく聞きますが私の場合はあてはまっていなかったように思います。主人の方はずっと小柄で背の順はいつも一番前くらいだったらしいのですが、高校生の時にぐっと伸びたみたいです。今現在は168センチです。(主人の兄も同じくで今は173センチほどあります。)子供のことに戻りますが、成長ホルモン治療を迷っています。主治医の先生はこのまま放置すると140くらいで止まってしまう可能性があると言われました。もちろん、それでは子供がかわいそうだと思うのですが、成長ホルモンの公費負担は145センチまでとあり、その後の金銭負担はあまりに大きいようなので心配しています。145センチに達した時に治療をやめたなら、その後の身長の成長はぴたりと止まってしまうのでしょうか?それとも自力で伸びる力は残っているのでしょうか?私自身、自然に伸びたので子供にも本当は自然に伸びて欲しいというのが願いなのですが、今は少ない成長ホルモンが急にたくさん分泌されてぐっと伸びるということはありえないのでしょうか?(奈良県・Hさん)

まずお子さんの身長ですが・・
7歳2か月女児の平均身長は119.7cm、標準偏差(SD)5.0cmですので、平均-3.3SDの著しい低身長ということになります。
(-2.0SD以下が医学上の低身長、-2.5SD以下が公費負担となる低身長)
今回の検査から「成長ホルモン分泌不全性低身長」と診断されたわけですので、やはり成長ホルモン治療を受けていただいたほうがいいと思います。

最終身長は、今のままでは相当低くなることが予想されます。
治療を継続して受けることによって、それよりも高くすることができるはずです。

公費の適応基準が数年前に厳しくなりました。
以前は「-2.0SD以下」で開始し、適応打ち切りはありませんでした。
国家財政が厳しくなったということで始まったものと聞いています。
女子の場合は「145.4cm」に達すると公費ではまかなえないことになっています。
(ただし、年度単位の更新が出来ないということで、更新の時点でこの身長より小さければ審査はパスし、次の更新までの1年間はこの身長以上になっても公費はそのまま使えますが・・)
この基準は「政治的に」決められたことであり、今後変わってくることも考えられます。
お子さんがこの身長に達するには7、8年はかかるでしょう。
その時にまた考えればいいのではないですか?
(公費は適応になりませんが、保険は使えますし、「高額医療費」の負担軽減処置もあります)

成長ホルモンによる治療は比較的長い経過がかかります。
今は年齢的にも開始するにはちょうどいいタイミングだと思います。
いずれ年齢が高くなり、骨の形が大人並に固まってしまうと、その時点で成長ホルモンを使用しても身長を伸ばすことはできません(末端肥大症になります)。
最終身長に近づいてから治療を受けるかどうか判断されるのは、やはり遅いでしょう。

詳しいことは、また主治医の先生とよくご相談になって下さい。

2002.9.4

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塚田こども医院Q&A2002年 9月