長引く頭痛

小学4年生(10歳)の息子が、かれこれ3週間近く強い頭痛を訴えており、学校もずっと欠席しております。(中略)開業医さんの紹介で、大学付属の総合病院の小児科を受診し、そこから脳外科、神経内科にも回されて 髄液、CT、MRI、脳波の検査を受けましたがいずれも"白"でした。(中略)本人にとって最悪だった時は食欲もなく、時折痛さで泣く程でした。夜、薬で寝ついても、寝言のように何回も“いた〜い、いた〜い”と言っては また眠りに落ちるといった状態でした。現在は食欲は殆ど元に戻り、就寝時は寝つくまでに随分時間がかかりますが 薬無しでなんとか眠れるようになっております。ただ、日中は始終痛がり、食後はすぐに薬をほしがります。(中略)このように薬も効かず、頭痛が長引いている原因かもしれないと私達が思い当たるのが発病前の子どもの忙しい生活です。(中略)何かアドバイスがありましたら、どんな小さな事でも結構です、よろしくお願い致します。(神奈川・Tさん)

メールを読ませていただき、これまでいろいろとご苦労されてきた様子がよく分かりました。
頭痛はいろんなことが原因で起きますが、いろいろな検査を受けたり、薬を使ってみて経過をみたりしていますので、やはり大きな体の病気はないものと思います。

やはり精神環境のトラブルなんでしょうか。
この子なりにぶつかっている問題・課題が今あるんでしょうね(本人が意識してはいないでしょうが)。
そこから抜け出すのはしばらく時間がかかるんでしょう。
でも、ある程度年齢が大きくなり、自我がしっかりしてくると、他人が無理矢理引っぱり出すことはできず、自分自身で抜け出す道や方策を体得するのを待つしかないように思います。
もちろん周りの人(特に親)はそのために手を貸してあげるわけですが、それがある種「過剰に」なっても、本人は別の方向を向いてしまうだけ、あるいはもっと後戻りするだけに終わるかもしれません。
「強制的に」引きずり出しても、形の上では「解決」したかにみえても、実は決してそうではなく、みしろもっと事態を悪い方向に進めてしまうこともあります。
親にとってはつらいことですが、でも、じっくりと見守っていくことが最善のことであることは、こういったトラブルでもよくあることです。

不登校の子どもたちのことが話題になりますが、似ているところもあるように思います。
そういった意味では、親子ともにカウンセリングが受けられるといいのかもしれません。
子どもの心理について、きちんと理解いている方に出会えるといいですね。

あまりお答えになってはいませんが、ここは焦らず、ゆっくりとお子さんと過ごされるのもいいように思います。
まずは親御さんがリラックスしてお子さんに接してみて下さい。

2002.12.2

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塚田こども医院Q&A2002年12月