1歳未満のはしか予防接種

もうすぐ1歳になる子の母です。近所の小児科医のすすめもあって、娘が1歳になる前、9ヶ月の時にはしかの予防接種を受けました。生後10ヶ月前に接種すると完全には抗体がつかないと聞きました。完全にするためには、1歳以降にもう1度接種して下さいと言われたのですが、たった3ヶ月あけただけで、同じワクチンを接種しても大丈夫ですか?子供に何か後遺症、強い副反応が現れたりはしないのでしょうか?それとも、抗体検査をしてから判断した方がいいのでしょうか?はしかは、怖い病気だと知って神経が過敏になっている部分もあるのですがいろいろな説があって真実がつかめません。自分としては、地域で突発的に流行するのが怖いのでなるべく早く接種したい思いもあるのですが自分の間違った決断で子供に何かあっては・・・と悩んでます。(静岡・Mさん)

はしか(麻疹)の予防接種は「予防接種法」に基づき生後満1歳になった受けることになっています(生後7歳半未満まで)。
これは「生後8か月くらいまでは母親からの免疫(移行免疫)があり、ワクチン接種を受けても効果がないことがある」ため、多少長めにとってそう決められました。
しかし、多くの母親もワクチンによって免疫が作られていて、移行免疫の量は少ないので、生後半年ほどで移行免疫が切れていることが多いようです。
実際のはしか患者さんの統計でも、生後半年くらいから生後1歳を過ぎてまだワクチン接種を受けていない乳幼児に発生が多く、問題になっています。
そのため、とくに乳児保育をうけるような場合には、生後半年くらいからはしかにかかりやすいので、ワクチン接種を受ける方が良いとお話をしています(任意接種)。
この場合は、生後1歳をすぎると「法による接種」を受けられるので、2回目の接種を受けるようにお勧めしています。
その理由は二つあります。
(1)移行免疫が残っていれば、ワクチンが無効であり、免疫がつかない。
(2)1回のワクチン接種では十分な免疫がつかないこともあり、2回接種した方がいい(日本では1回ですが、欧米では2回接種のほうが普通)。

2回目の接種のときに、十分な免疫があれば「効果がない」けれど、副作用が出ることはありません。
全く免疫がなければ、2回目の接種で免疫ができます。
免疫はあるけれどまだ弱いという場合には、2回目の接種で強い免疫にすることができます。
いずれにせよ、2回目の接種を受けることが問題になることはありませんし、抗体検査を受ける必要はありません。

なお、2回目の接種時期については、1回の接種から多少はあけた方がよく効くような印象もあります。
そのためか、東京都がまとめたマニュアルには「2回目は生後15か月(1歳3か月)以降」としてありますので、参考にして下さい。

2002.12.31

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塚田こども医院Q&A2002年12月