風疹の抗体と予防接種

風疹と妊娠についてお聞きします。長男を出産の際、風疹抗体を調べたところ、陰性と分かり 次の妊娠までに風疹の予防注射をするよう言われました。そこで、昨年の6月に日本への里帰りの際、予防注射を受けました。今年になり、次の妊娠を考えていたので、念のため 風疹抗体をこちらで調べたところ、14倍という結果で、もう一度 予防注射の必要があると言われました。この値では、風疹になる可能性があると言うことでしょうか? 最近 近所の子供が予防注射をしていたのに風疹になったと聞きました。再注射をすると、もう風疹にならないと考えてよろしいのでしょうか? また、先生のホームページで拝見した所、注射後の避妊は2ヶ月必要だと書いてありましたが、フランスで受けるワクチンも同様の期間の避妊で良いと考えてよろしいですか?(こちらの先生には3ヶ月だと言われたのですが…)(後略)(海外・Sさん)

風疹は妊娠初期の方が罹患すると高率に奇形児が生まれることが知られています。
あらかじめワクチン接種を受けて免疫が十分にあれば、仮に風疹が周囲で流行していても罹患することはなく、結果として赤ちゃんの奇形を防いでくれます。
その意味で風疹予防接種は「赤ちゃんを奇形から守るワクチン」と位置づけています。

風疹抗体に検査はいくつかのものがあり、それぞれ「標準値」も違いますし、意味するものも違います。
検査法、その単位、その施設での標準値などが分からないとコメントはできません。

医師より「再度の接種が必要」と言われているということからは、現在の抗体価が不充分で今後風疹に罹患するおそれがあると判断されたというように理解していいものと思います。
医師の勧めるとおり再度接種を受けられるといいと思います。

風疹予防接種の有効率は95%以上と考えられています。
ほとんどの方に十分な免疫ができるでしょうが、一部の方では免疫が十分にできないことがあります。
それらの方は再度の接種を受けられるようにお願いしています。

理論的な可能性としては2回の接種でも免疫がまだできないことはありうるでしょう。
しかしその可能性は低いです。
仮に1回の接種で95%の有効率だとすると、2回の接種では有効率は99.75%になります。
※無効率は1回では0.05(5%)
 2回では0.05×0.05=0.0025(0.25%)

できれば、2回目のワクチン接種を受けた後に免疫ができているかどうか、再度検査していただくといいです。
また担当の先生にお聞きになって下さい。

2003.1.25

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塚田こども医院Q&A2003年1月