大人のりんご病(伝染性紅斑)

(27歳)三週間ほど前にりんご病にかかりました。最近やっと、発疹がおさまり皮も剥け終わり治ったかと思っていたら、また咳が出てだるくなり、四肢に同じような発疹が出てきました。りんご病は再発するものなのでしょうか。積極的な治療法はあるのでしょうか。近所の内科では大人のりんご病に対する治療はなく自然に治るのを待つしかないと言われました。本当にないのでしょうか。いつになったら治るのでしょうか。また、家族や職場の人への感染予防対策はありますか。(東京・Mさん)

まず基本的なことですが、りんご病(伝染性紅斑)はウイルスによる感染症です(ヒトパルボウイルスB19)。
最も特徴的な症状は発疹で、顔、腕、大腿などに出ますが、約一週間ほどで消えていきます。
その時、「皮が剥ける」ことはないように思います。
約1週間で発疹が消えることが多いですが、その後も「発疹が起きやすい状況」が残るので、日光に当たったり、発熱したときなどに、また同様の発疹がみられることがあります。

この発疹はウイルスが悪さして起きている血管炎であり、毛細血管の拡張によっておきます。
発疹はほてりや痒みがあり、抗ヒスタミン薬を使って症状を抑えることもよく行われています。
しかし、これは対症療法であり、根本的な治療は子どもたちにもありません。

大人がりんご病にかかると、発疹がでるまえに、発熱、倦怠感、関節痛、筋肉痛、むくみなどの多彩な症状が出やすいです。
その一つひとつはりんご病に特有な症状ではないために、診断に苦慮することもよくあります。
これらの症状に対しても、必要であれば鎮痛薬を使うなどの対症療法を行います。

ウイルスは、大人でみられる発熱などの症状がある時には体の中にいて、他の方への感染性はあります。
しかし、大人でも子どもでも、発疹が出てくることにはすでにウイルスが体の中に残っていないので、もう感染性はありません。
通常はこの発疹が出てやっと診断がつくので、実際上は「登校停止」などの処置はとっていません。

以上まとめますと・・
・今回のメール内容からは、りんご病かどうかはよく分かりません。
・りんご病だとすると、いったん症状が落ち着いてから、あとでまた発疹が現れることがよくあります。
・発疹が現れたあとは他の方への伝染性はありません。
・治療は対症療法によって行われます。

2003.5.21

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塚田こども医院Q&A2003年5月