かんしゃくもち

1歳10ヶ月になる女児です。以前から、かなりのかんしゃく持ちではありましたが、最近ますますひどく、困っております。いけない事をして、しかるとすぐに手に持っているものを投げつけたり、外にいるときは大の字に寝転がり起きようとしません。また、時に大人が驚くような声で叫んだりします。もう、ここちらの言っていることはわかっていると思うのですが、さわってはいけないと言われた引き出しなどは、必ず親の見てない時に開けにいったり、危ないからやめようね、とコンセントにカバ-をつけていい聞かせても、何度でもこじあけようとします。阻止されると逆に狂ったように、それに執着します。私の実家の母も、あきれはて、あげくの果てには”知能的に異常があるんじゃないか”と言い出す始末です。私も、一度きつくしかればわかるだろうと、何度か声を荒げてしかりましたが、効果はありません。サイト内に、同じような質問をされた方がいらっしゃり、先生のご回答では、物を投げたりしたときは手を力が抜けるまで押さえきるとのことでしたが、我が子はいったん機嫌をそこねるとものすごい力で抵抗するので、わたしの力では押さえきれません。また、時々寝付けないときに半分寝ぼけているのか、泣き叫びながら部屋中を逃げ回ったりもします。壁にぶつかったりもするので、多分周りを何も見ていないようにおもいます。水、水と泣き叫ぶので、コップを渡そうとしても払いのけてしまいます。本当に、これで、どこにも異常がないのでしょうか?(海外・Sさん)

お話からは、子育てで大変ご苦労されているようですね。
昔からこのような子を「疳の虫」が強いというような言い方をしています。
個性であり、性格の上でのトラブルですが、その子の中に原因を求めていくと、その子の存在を否定していまうことにもなりかねません。
子どもはみなたっぷりと愛されなければいけないのに、愛することができなくなったり、否定的な感情を持つようになってしまうこともおきかねません。
それに対して「疳の虫」が原因だと考え、その子はけっして悪くない、外から悪さをする何かが入り込んだんだと考えることで、その子の存在が否定されることもなくなるのではないかと思います。
そういう意味で、先人の知恵は偉大なんだと思っている次第です。

対処の仕方、関わり方、育児の方法は千差万別です。
何かマニュアルがある訳ではありません。
いろいろと試してみて下さい。
ただ、基本はその子を愛しているからこそ、その子の問題行動を改善していこうという姿勢が大切です。
けっしてその子の存在を否定するような見方、扱い方はしないで下さい。
叱るときにはその子を本当に愛していることを自分に言い聞かせながら、そしてその確信があれば大きな器の心をもって抱きしめてあげて下さい。

なお、「疳の虫」でHPを検索すると、いくつかのものがでてきますので、合わせて参考にして下さい。

2003.8.10

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塚田こども医院Q&A2003年8月