風疹ワクチンと妊娠

一人目妊娠の際に抗体が8未満だったので5/28に風疹予防接種を受け2週間後に微熱、発疹が出ました。それから7/3頃に排卵があり妊娠に至り現在8週4日です。一つの産科からは中絶をすすめられましたが、もう一つの産科には継続をすすめられました。塚田先生のホームページで、大丈夫との事ですが私の場合でも大丈夫なのでしょうか?それから今回妊娠に至るまでの基礎体温をみるとガタガタで排卵もかなり遅れて(38日目)いるのですが赤ちゃんに影響はないのでしょうか?産科の先生は予防接種も排卵の件も問題ないとの事なんですが・・・。色々、不安でたまりません。(埼玉・Sさん)

この件ではすでにHPでお話をしていますが、ご心配でしょうから、繰り返しお話をします。

風疹ウイルスには胎児の奇形を作る性質があります(催奇形性)。
妊娠初期の女性が風疹に罹患すると、風疹ウイルスが胎盤を通して胎児に移行し、この問題が生じてしまいます。

風疹ワクチンは、風疹ウイルスのこういった毒性を極力弱くして作った「生ワクチン(生きているワクチン・ウイルス)」です。
風疹ワクチンには、これまで催奇形性の報告はありませんので、とてもよくできているワクチンだと思いますが、しかし、もとのウイルスの持っている催奇形性を100%完全に失わせていると証明することは困難です。
そのため、風疹ワクチン接種後、一定の期間は妊娠を避けるようお願いをしています。
風疹ワクチン接種後、通常では2〜3週間程度、長くても1か月以内には体内から風疹ワクチン・ウイルスは消失します。
その後の妊娠については問題なしとして良いかもしれませんが、安全を見越して日本では「接種後2か月間」妊娠をしないように指導しています(アメリカなどでは3か月間)。

しかし、実際にはこの期間に妊娠をしてしまう例もありますが、そういった中からワクチン・ウイスルが関係したとされる奇形児の発生は世界中からも報告がありません。
そのため、あえて中絶などせず、そのまま経過をみていっていただければ良いとしています。

以上は「一般論」ですので、個々のケースでどう判断すべきかは、産婦人科の先生とよくご相談になってお決めになって下さい。

2003.8.21

目次のページへ

ホームページのトップへ


塚田こども医院Q&A2003年8月