薄着の子育て

「子供は薄着に」とよく言われますが、つい1枚はおらせてしまいますが、これから秋、冬になっていくと同時に薄着を心がけたいと思っております(先生のこども通信でも秋口から薄着を実践していくようにという記事がございました)。しかし薄着にするとえてして鼻水をたらしたり咳が出てきたりして、結局薄着育児を断念してしまいます。こどもは鼻詰まりが長引くと中耳炎になりやすいと聞きますし、このままこじれて熱がでては保育園を休まなければならないこともあって心配してしまいます。薄着育児の際に、風邪のひき始めにはどのように対応したらいいのでしょうか。多少風邪をひいても薄着を通すべきなのでしょうか。(神奈川・Oさん)

体を丈夫にするには、やはり薄着でいることが大切だと思います。
その地域の気候、家庭の様子など、いろんなことが関わってくるので、一概にはいえませんが・・

子どもは風邪をひくのも当たり前。
多少の鼻水くらいは気にしないでいいと思います。

中耳炎になりやすいのは、子どもたち一般の傾向ですが、鼻水を強くかんだり、強くすすったりするとなりやすいので、それは止めさせて下さい(HP参照)。
でも、鼻水が長引いているというだけでなるものでもないように思いますので、もし中耳炎になったらその時に対処すればいいくらいに思っていただいていいです。

風邪をひいてしまったときには、衣服の調整が必要ですが、必ずしも厚着ではありません。
寒気があれば温かくしてあげますが、もし暑がっているようなら、むしろ肌を露出した方がいいです。
寒気もなく、暑がることもなければ、普通の格好(つまり薄着)のままでかまいません。

また、一日の中でも時間帯によって気温などの環境はとても変化します。
朝は涼しく感じて多少多めに着せても、昼にそのままでいて、汗をいっぱいかいてしまうかもしれません。
親が一緒にいてあげられれば、その場に応じて衣服の調節ができるでしょう。
しかし、園などではなかなかうまくできません。
そんな時のために、下には例えば半袖の薄いものを着せ、上には薄手のジャンパーを着せてみてはいかがでしょう。
園で暑ければ自分で脱ぐことができるはずです。
下に長袖で厚手のものを着せてしまうと、自分では脱げないので、一日汗だらけで過ごすことになってしまうでしょう。
それがまた風邪をひくきっかけになってしまうかもしれません。

「風邪をひかせないような子育て」は、実際上無理です。
子どもは風邪をひくもの。
ひいたときに適切に対処してあげればいいと思っています(単に厚着をさせればいいというのではなく、一番心地よいようにしてあげて下さい)。
そして、子どもは風邪をひくことで、また一つ丈夫になると考えて下さい。

これから冬に向かって、途中で風邪などで薄着を中断しても、よくなったらまた薄着を心がけていただくといいです。
いろいろと工夫をして見て下さい。

2003.9.13

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塚田こども医院Q&A2003年9月