ツベルクリン反応陽性の意味

10ヶ月の男の子です。11月にツベルクリン反応検査があり11ミリで陽性でしたので、先日再ツ反をしましたところ12で自然陽転ということになりました。20以上ではなかったので、特に精密検査は必要無しとのことでしたが、保健師から は「体力が低下しているので、過労、強い直射日光は避けるように」「またこれから1年間は麻疹と風疹の予防接種を受けられない」と指導されました。今まで何事もなく元気でいたのにこのようなことになり、心配しております。やっぱり知らず知らずのうちに結核菌をもらっていたことになるのですか?指導されたように、予防接種も先延ばしすればいいのでしょうか? 医者へかかる必要はありませんでしょうか?(新潟・Mさん)

ツベルクリン反応は、その発赤の長径(長い方の直径)が10ミリメートル未満を陰性、それ以上を陽性とみなしていますが、これは日本だけの基準です。
欧米では発赤の大きさには関係なく、その中の硬結の有無と大きさを問題にします。
つまり、結核菌に対する免疫があるか、結核に感染している時にはツベルクリン反応で硬結が現れ、そうではない場合は硬結が現れません。

以上の基準が日本の独自であり、医学的に問題があるとされるようになってきました。
そのことも受けて、来年度より、乳幼児へのBCG接種はツベルクリン反応を省略するようになります。

硬結について記載がありませんが、あれば指摘されますので、なかったのだと思います。
今回のケースは、確かに今の規定ではBCGを受けられませんが、医学的には結核に対する免疫がない状態であり、もちろん結核に罹患している証拠にはなりません。
保健師さんより日常生活上の注意があったということですが、普通通りの生活でかまいませんし、他の予防接種も普通通りに受けていって下さい。
(はしか(麻疹)ワクチンを1年間受けられないなどということは論外です)

なお結核に対する免疫があるとは言えませんので、任意ではありますが、BCG接種を受けることをお勧めします。
今後の対処について、かかりつけの先生にご相談してみて下さい。

2003.12.30

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塚田こども医院Q&A2003年12月