鶏卵アレルギーへの対処

娘(8ヶ月)が生後1ヶ月頃から湿疹が出て地元の小児科で・・段々に良くなってきて 油断してしまい。先日 卵豆腐を少し(夜の離乳食を食べさせた後に)食べさせてしまいました。数分後 眠たがってるようなので 寝室に連れて行き寝かせようとしたのですがやけに首の後ろや頭 耳などを必要以上に掻きむしるので電気を付けてよく見てみると 手のひら 足の裏 耳 目の回りが赤く熱を持って腫れてるような気がしました。体を調べてみると虫さされのような水ぶくれ状の物がお腹と足の付け根にありました。・・娘が咳き込んで大量に吐いたのです(抱えてうつ伏せ状にして吐かせました)・・連れて行きました吐いて体から出たのが良かったようで蕁麻疹も見る見る消えていき病院に着いた頃には多少 手足や耳に赤みと熱っぽさが残っているくらいでした。・・(以下略)(Iさん)

メールの内容からは、鶏卵に体するアレルギーが強く、卵豆腐を食べたあとに比較的強い食品アレルギーの症状が起きたものと思います。
(卵豆腐は処理温度が低く、生卵に近いものであり、鶏卵アレルギーのない赤ちゃんに対しても、離乳食には適さないものです。)
血液検査の結果でも、鶏卵に対する強いアレルギーがあります。
(IgE-RISTは0才では0〜20ほどが正常、IgE-RASTではscore0が正常)

今後少なくとも3か月程度は完全に鶏についての制限が必要です。
離乳食の中に鶏卵を使うことはもちろん、鶏肉、チキンエキスなどやめてください。
母乳を与えるいる間は、お母さんも鶏卵はとらないようにして下さい(お子さん程厳密でなくていいです)。
また、その他の離乳食も炭水化物と野菜を中心にし、乳製品などの動物性タンパク質はあまりとらないほうがいいです。
こういった食事制限を3か月ほど行いながら、その間にトラブルがなければ、食事制限を次第に解除していっていいかと思います。
「3か月」というのは一応の目安ですが、これくらいの間、アレルギーの原因になる食品に接しないでいると、赤ちゃんはそれに対するアレルギーを忘れていってくれることが十分に期待できます。
また、赤ちゃんの消化吸収の能力も3か月程度たつとずいぶんと向上します。
(1歳半くらいで大人とほぼ同じくらいの消化能力になります。)

食事制限の解除は、最初はチキンエキスのようなものを少量から始め、トラブルがないことを確認しながらゆっくりとメニューを増やして行きます。
十分に過熱したものを少量ずつ、試しながらが原則です。
鶏卵を与える時は、15分ほどボイルしたゆで卵を使い、そのうちの卵黄だけを耳かき1杯くらいから始めるような慎重さが必要です。
その後は、1歳半を目標に制限を解除し、離乳食を進めて行って下さい。
ただし、1歳半を過ぎても生や半熟などの卵は止めておいた方が無難でしょうし、魚の卵も同じ注意をしていて下さい。

血液検査の中でハウスダストとネコに対するアレルギーがあるようですので、家の中の環境整備と、ネコとの接触をさけることも同時に行って下さい。

2004.7.26

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塚田こども医院Q&A2004年