食物アレルギーと検査

生後10ヶ月になる息子についてです。現在主人の都合でアメリカに在住しておりますが、一時帰国しているためメールさせていただきました。生後6ヶ月の時点で豆腐を食べさせたところ、2時間後に嘔吐、計4回嘔吐しました。その後救急に連れて行きましたが、アレルギーほどではないということで一旦帰宅の途につきました。しかし帰宅後、嘔吐物が着いた所(顔、首回り、肩)が赤くなり、本人も痒いようでしきりに首をふっていたため、次の日掛かり付けの小児科にいきました。先生はアレルギーだろうとの診断で抗ヒスタミンを処方され、3日後には綺麗になりました。心配なので、アレルギー検査をしてもらいたかったのですが、アメリカではまだ早すぎるしお金も掛かるからということでしてもらえませんでした。そのまま大豆製品は食べさせず、10ヶ月の今日本に帰って免疫、アレルギー科を受診しプリックテスト(結果全て反応ゼロ)、血液検査をしました。血液検査はの結果は好酸球156/mm3、IgE 132U/ml でRASTは牛乳のみ2(しかし離乳食で乳製品を食べても反応しません)大豆/ダニ/卵白/小麦/ピーナッツ/ブタ/牛/鶏/ゼラチン0でした。先生も少しずつ食べさせて行ってみて下さい。とのことだったので早速がんもどきの煮物を食べさせたところまた食後2時間後に嘔吐しました。やはりアレルギーと考えた方が良いのでしょうか。尚、醤油、大豆を含む製品(お菓子、パン、ラーメンなど)は食べても嘔吐していません。顔の湿疹も6ヶ月以降全く見られなくなりまた。IgEの値も平均の10倍以上あるので、先生は「この子はアレルギー体質であるとは言える。」とおっしゃっていましたが、検査では何も出ず一体どういうことなのか分かりません。大豆は成長に不可欠な栄養源と思って食べれるものなら食べさせてやりたい。そんな親心から与えたのが裏目に出てしまい、私自身もこれから新しく与えるものに対して恐怖感を覚えてしまいまいした。なんでもかまいませんのでアドバイスをいただけると幸いです。尚、6ヶ月、10ヶ月嘔吐した際、じんま疹や発熱などの症状はは一切ありません。嘔吐のみです。(Yさん)

アレルギー検査は有意義なものではありますが、絶対的なものではありません。
検査で陽性になっても実際上の問題のないこともありますし、その逆もあります。
大切なのは(とくに食物アレルギーでは)臨床経過や臨床症状です。

メールの内容からは、大豆に対するアレルギーがあると考えられるでしょう。
醤油などの加工品を摂取しても症状がでず、検査でも陽性所見がでてこないのは、その程度が軽いからであって、アレルギーの存在を否定することはできません。
豆腐を食べて嘔吐などの症状をおこしたことなどを考えると、やはり大豆製品には慎重に対処すべきだと思います。

醤油などの加工品は問題にならないようですので、少量であれば摂取してよいでしょう(醤油を大量に摂取することは考えにくいですが)。
豆腐など、大豆タンパク質が多量に含まれている物は、当面摂取をさけた方がよいと思います。
また、ラーメンを摂取しているとありますが、あまり離乳食で使うべきものではないように思いますので、離乳食の基本にのっとって進めていってください。

消化の働きは次第にしっかりとしていきます。
1歳半くらいで大人並みになるとも言われています。
それくらいまでは、大豆製品など、慎重に対処していってください。
また牛乳タンパクなどへのアレルギーはないようですが、やはり牛乳そのものを使用するのも、それくらいまでは控えておいたほうが無難なのではないかと思います。

乳幼児の食物アレルギーは、一定の期間(たとえば3ヶ月以上)その食物を摂取せず、症状をしっかりとおさえておくと、次第に体質が良い方にかわっていくことが多いです。
逆に食物アレルギーを放置し、症状が頻発するようであると、体質はよけいに悪化し、その物に対するアレルギーをひどくさせたり、ほかの物へのアレルギーを作ったりすることもあります。
そんな意味でも、数ヶ月間は丁寧に離乳食を進めていってください。

なお、症状の出方によっては、抗アレルギー薬を使用したほうがいいこともあります。
主治医の先生にご相談になってください。

2005.4.2

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塚田こども医院Q&A2005年