2ヵ月半になる男の子なんですが、右顎と足の裏にいちご状血管腫様なものがあります。足の裏のものは産まれた時からあって、今もそれ以上腫れる事もなく変わりはないのですが、一ヶ月検診の時に足の裏の物はまれにガン化する事があると言われたので気になります。顎にあるいちご状血管腫と思われるものは、生後一週間頃に現れ、徐々に大きくなってきて打ち身の様に赤く腫れて、中心部分にかさぶたが出来ては取れて、怪我した時のようになってます。自然に消えていくと聞きましたが、かさぶたになったりしているので気になります。それに男の子ですが顔にあるのでかわいそうです。レーザー治療もあるみたいですがどうなんでしょう?ネット上で色々見てると、キレイに治ると書いてあるものもあれば、痕が残るとも書いてあったり、レーザー治療した方が痕が残らずキレイに早く治ると書いてあったり、実際はどうなんでしょうか?専門の病院で一度診てもらった方がいいのでしょうか?(Nさん)
お子さんの様子を直接見ていないので正確なことは分かりませんが、「苺状血管腫」としてお話をします。
苺状血管腫は先天的な異常ですが、出生直後には分からず、その後に現れることもあります。
生後1か月くらいにははっきりしますが、その後に大きくなることは通常はありません。
そして自然に消退に向かいます。
完全に消失するのは、小さなものでは1歳ころ、大きなものでは6歳前後になるようです。
基本的に自然に消えていくので、通常の苺状血管腫では積極的な治療は不要です。
血管腫の大きさが巨大なものと、小さいけれど特別な場所にあるもの(例えば目尻にあって、視力障害を起こす可能性があるものなど)は、時に積極的に治療します。
レーザー治療については、近年技術が進歩しています。
早期に使用することで、早く消失させることができるともいわれています。
しかし、医療機関による差(器械、医師の技術など)もあり、全国一律にこうした方がいいということは言えません。
お近くで、レーザー治療にとても熱心で、上手に行ってくれる医療機関があれば、受診をして、お話をお聞きになることも良いかと思います。
治療を受けるかどうかは、その後にお決めになって下さい。
なお、専門は形成外科ですが、皮膚科でも行っているところがあるようです。
「足の裏・・」の話ですが・・
苺状血管腫が癌化することはありません。
足の裏など、絶えず力が加わるところのほくろ(色素異常)は癌化しやすいというのも、俗説としてはあるようですが、それも根拠はありません。
癌として問題になるのは、最初から癌の細胞です。
皮膚の癌(悪性黒色腫)がありますが、他の色素異常や血管腫から癌になるものではありません。
その意味では、足の裏に苺状血管腫があるからといって、将来癌になるわけでもなく、そのまま様子をみていってかまいません。
最初に申しましたように、私自身は皮膚の様子を見ていませんので、以上のお話は参考程度にお考え下さい。
正しい診断は小児科、または皮膚科などを受診した上でお聞きになって下さい。
2006.1.10 |