10ヶ月の息子の長期間の下痢について教えてください。
2月10日頃に風邪(咳と鼻水のみ)のため耳鼻科を受診し、治りかけたところへ16日から1日5回の下痢が始まりました。
本人の機嫌も食欲も良かったので、ミルクを若干薄めて1週間過ごしましたが下痢便の中から出血(粘液に混ざる程度)もあったので、小児科を受診したところ、下痢のため肛門の中が切れてしまったのであろうと軟膏を頂き、また下痢に関してはラックビー・タンニン酸アルブミン・アドソルビン・リン酸コデイン散の全てが混ざっている粉薬を処方していただきました。けれどそこから1週間経ってもよくならず、こちらのHPで『乳糖不耐症』のことが出ていたのでノンラクトに替えて様子を見ましたが、回数も減らず便も水様ではないものの泥状で粘液が大量に混ざっている状態が引き続き起こっていたので、別の小児科に診て頂いたところ、便を見ても乳糖不耐症ではないと診断されラックビーのみの処方でした。ですがノンラクトをやめてしまったら今度は1日に8回も便をするようになり、また別の病院へ行ったところ『乳糖不耐症』と言われアドソルビン・ビオフェルミンが1つなっている粉薬とミルラクトを頂き、便の検査もしていただきました。
1週間後の検査結果は大腸菌が見つかったようですが、発熱も嘔吐もなく食欲もあり元気であるならということで引き続き同じお薬が処方されました。
今日、1回ミルラクトを入れないでミルクをあげたところ、すぐに下痢(粘液はなくなりました)をしてしまいこんなに長い間乳糖不耐症が続くものなのかわからないので、不安になってきました。大腸菌がいてもアドソルビンが含まれた薬を服用していていいのでしょうか?また、乳糖不耐症は治るのに1ヶ月以上かかるものなのでしょうか?元気で機嫌もいいのであまり神経質になりたくはないと思っているのですが、あまりにも長期化しているので不安で仕方ありません。
長文になってしまいましたが、ご回答いただければ幸いです。(Yさん)
メールを読ませていただきました。
その内容からは、やはり乳糖不耐症をおこしているのだと思います。
すでにHPを読んでいただいているのでご承知だと思いますが・・
日本人という人種は乳糖分解酵素の活性レベルがとても低く、簡単に乳糖不耐症(乳糖が分解できず、消化不良をおこす)をおこしやすいものです。
一度この乳糖不耐症になってしまうと、下痢止めなどの薬物治療だけではなかなか良くなりません。
また「乳糖分解酵素製剤」(ミルラクトなど)も、その効果は限定的です(私自身は治療上必要な薬だと思っていませんので、使用していません)。
もっとも確実に乳糖不耐症を治すのは、乳糖を与えないことです。
乳児の前半では乳糖不使用の治療乳(ノンラクト、ラクトレスなど)に切り替えることをお勧めしています。
乳児期の後半で、離乳食がそうとう進んでいる場合には乳汁をいったんストップして、離乳食だけにしてもらうことができれば、一番いい方法です。
これまでの経過は、乳糖不耐症の対処としては中途半端で、その結果下痢が長びいているのかもしれません。
大腸菌が検出されたということですが、大腸菌には多くの種類があります。
「病原性大腸菌」であれば問題ですが、そうでなければ普通に大腸内で生息しているものかと思います。
また、今回の病状に大腸菌が関与しているような印象は、メールの内容からはもちませんでした。
なお、日本人の体質が乳糖不耐症になりやすいにもかかわらず、日常に診療の中で乳糖不耐症についてあまり重きをおいておられない医師が少なくないことを残念に思っています。
一度「ミルク断ち」をしてみてはいかがでしょう。
きっと早く治ると思います。
2006.3.14 |