乳児の尿路感染症

先日6ヶ月になる息子に発熱がありまして病院へ伺ったところ尿路感染だということがわかり、その日に入院となりました。入院8日間の間点滴(ソリタT3)をして抗生物質を一日三回投与してもらいました。入院のあくる日には熱も治まりましたので8日間で退院しまして、4日後にVURかどうかの検査をしていただきました。結果としまして今回、異常はなかったのですが、レントゲンからでは判断できないところで逆流が起きていることも考えられるので、一歳までケフラールを2グラム一日一回飲んで欲しいと言われました。
別の病院にかかっている友人の同じ月齢で同じ症状の男の子がケフラールを入院期間中だけ服用し、その後は数ヶ月に一度の尿検査だけをしていると聞きました。抗生物質とは関係ないのかもしれませんが肌も荒れ、便もゆるくなっていますので、やめさせたいと思っておりますが、先生にお話したところ、尿路感染は一度なると再発しやすいので、こちらではこのやり方が一般的とのことでした。このまま、この病院へ受診するべきか悩んでおります。(Sさん)

尿路感染症は「上部」と「下部」に分けて考えています。
「上部尿路感染症」は腎盂腎炎や腎膿瘍のことで、尿所見の異常のほか、発熱をおこし、入院の上、抗生物質による治療が必要になります。
膀胱尿管逆流現象が認められることもおおいですし、治療が不十分であったりすると腎臓の瘢痕化などの後遺障害を起こすこともあります。
「下部尿路感染症」は膀胱炎のことで、尿所見の異常はあっても発熱はおこしておらず、外来で内服による治療で治るのが通例です。

今回のエピソードは上部尿路感染症ですので、それなりの治療や検査、そしてその後の経過観察が必要です。
同様の症状のお子さんがおられたということですが、必ずしも病気の種類や程度が同じとは限りません。
抗生物質の少量長期投与については、その必要性があると判断されたわけですので、しばらくは続けてみてはいかがでしょう。
副作用と思われることがあれば、その旨を主治医の先生にお伝えいただき、その後の治療方針をどうすべきか、判断してもらって下さい。

2006.3.26

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塚田こども医院Q&A2006年