現在、1歳の子のおたふくの予防接種について教えていただきたいです。かかりつけの小児科の先生は、おたふく・インフルエンザ・水痘の予防接種はしないほうがいいという考えなのですが、他からはしたほうがいいという情報も多く、どうすればよいのか悩んでいます。医師の考えは、インフルエンザは予防接種のリスクが高い。おたふく・水痘は、幼児に予防接種をしそのまま罹患せずに大人になり、免疫が切れた大人になってから罹患するよりも子供の時に自然にかかったほうがよいという考えでした。現在、保育園に通っているので感染する確立も高いです。予防接種をするにしても2歳にならないと免疫がつかないとも言われました。よろしければ、適応年齢も教えて下さい。(Yさん)
予防接種についての考え方は、すでにHPでお話しているとおりです。
私は積極的に受けていただくようお願いをしています。
ワクチンは感染症を防いだり、軽くするために開発されてきたものです。
副作用は確かにありますが、ワクチンの改良とともにその頻度はごく少なくなってきていますし、万一の副作用がおきてもその程度は小さなものになってきています。
ときどきこういったお話を聞きますが、では本当の感染症にかかって良いと本当に思っておられるのでしょうか。
疾患そのものでもときに重症になることがありますし、重篤な合併症も懸念されます。
たとえばおたふくかぜ(流行性耳下腺炎)による難聴は、日本では年間数百人におきていますが、ワクチンを全ての子どもたちに行っている欧米では、おたふくかぜの発生がきわめて少なくなり、その結果おたふく難聴になるお子さんはゼロに近くなっています。
水ぼうそうについても、ワクチンを受けることによって感染を予防してくれるか、軽症化してくれます。
将来の帯状疱疹の発生頻度も下げることが分かってきています。
ワクチンによる免疫は自然罹患よりも弱いことは周知のことです。
そのため複数回の接種を行い、より強い免疫にする方法がとられています。
今年度から麻疹・風疹が2回接種になったのは、そのためです。
欧米ではおたふくワクチンも加えた3種混合ワクチンを使用し、それを2回(またはそれ以上)接種しています。
日本ではおたふくは任意接種のままであり、費用は全額親御さんの負担です。
そのためもあり、複数回の接種はあまり勧められていませんが、できれば追加の接種を受けていただくことで免疫はさらに強くなり、ほぼ一生涯おたふくにかかることはないでしょう。
おたふくを加えた三種混合ワクチンを使用することができれば、同じ効果がえられます。
一回の接種による免疫が小さいことから、小児への接種をすべきではない、というのは、正しい考え方なのでしょうか。
お考えになって下さい。
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)も水ぼうそう(水痘)のワクチンも、1歳から接種できます。
1歳以上であれば、いつでもかまいません。
遅くても集団保育に入る前には、ぜひ受けておいた方が良いです。
お子さんはすでに保育園に通っているということですので、早急に受けるようにお勧めします。
2007.2.4 |