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2005年04月22日

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きのうで当地の観桜会は終わりました。
その最後の夜、もうさびしくなった会場をお花見に出かけて撮った写真です。
かつての上杉謙信が作ったお城にまねた三十櫓(やぐら)のライトアップも、これでしばらくは見納めでしょうか。
都会とは違って、7時くらいをすぎると人通りもなくなる公園。
人影だけではなく、明かりもなくなってしまい、さみしさをつくづく感じます。

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これは先週撮った夜桜。
ソメイヨシノ一色の公園の中で、シダレザクラはとても目につきます。
いわば人気者。
ここはしっかりとライトアップされていて、絶好の記念写真スポットのなっていました。
公園全体で4,000本ともいえる桜ですが、シダレザクラは数本だけ。
それしかないのに・・いや、それだからこそ、注目され、珍重されています。

以前にも書きましたが、ソメイヨシノは見かけは若木に見えても、実は江戸時代から生き続けている老木。
余生もあとわずかしかありません。
同じ遺伝子をもつために一斉に咲き始め、一斉に散ってしまいます。
その様子が「日本人的」なのかもしれませんが、もうそろそろ考え直す時期に来ているのでは。

日本には数百種類の桜があるのだとか。
異なる種類の桜を植えることで、もっと長い期間、お花見を楽しめます。
一見同じ桜に見えても、その色、形、咲き方など、少しずつ違う様子が見えてきて、それもまた楽しみなことです。

同じ方向を向き、同じことを考え、同じ振る舞いをしていないと気がすまない日本人。
ソメイヨシノは、そんな日本人気質をよ〜く象徴しています。
でも、それは「弱さ」でもあります。
単一の原因で、すべての桜が滅んでいくこともありえます。
気象、害虫、そして寿命。

統制がとれていないように見えても、種々雑多なものが混在していることが、ほんとうは一番「強い」ということに、そろそろ気づいてもいいのではないでしょうか。
そして、それが一番「美しい」ということも。

去りゆく桜の季節を見ながら、そんなことも思っているところです。
葉桜にはなりましたが、これからは新緑の美しい季節。
春はいよいよこれからなのでしょうね。

投稿者 tsukada : 2005年04月22日 22:23