« クリーン活動 | メイン | 今朝見つけました »

2005年05月09日

事故の本当の原因は?

JR西日本の列車転覆事故のことは、今でも毎日報道されています。
原因は次第に特定されてきています。
直接の原因がスピードの出し過ぎのようです。
しかし、運転手だけに責任を押しつけて終わることのないようにしてほしいものです。
どうしてあのような無謀とも言える運転をしたのか、それをせざるをえなかった要因も含めて、すべてのことが解明されることが必要です。
そしてそれがすぐに改善され、今後、このような事故がおこらないようにしてほしいものです。

それにしても、JR西日本の対応はお粗末な限りです。
社員の「不祥事」は事故以上に報道されていて、被害者やご家族の方々の怒りをかっています。
事故の列車に乗り合わせていたにもかかわらず、救助もせず、そのまま出社して勤務についていた二人の運転手。
事故のことを知りながら、まだ多くの人たちが救助をまっているその時間に、ボーリングや飲み会をしていた社員。
あきれはてます。
上司の命令であれば、それを疑うこともせず、実行にうつすのでしょうか。
それより以前に、自分が何をすべきなのか、考えることもできないのでしょうか。
そこには、自分の仕事にプライドをもち、自分に自信をもつことのできる「自立した人間」のイメージは皆無です。

テレビのコメンテーターは、社員のモラルをしっかりと教育してほしいと指摘しています。
でも、そんな社員にしたのは、JR西日本という会社です。
会社がすべてであり、社会一般の価値観は不要です。
上司の命令が絶対であり、自分で考えることは必要ありますし、してはいけません。
会社の利益が大切であり、客はお金を払うから大切にされているだけです。
そんな価値観を社員に植え込むことを続けてきました。
その結果が、これです。
そんな意味では、JR西日本は社員教育に見事に成功したのです。

モラル(倫理観)の再教育が必要なのは、JR西日本という会社そのものです。
その中枢部にいて、経営や社員教育に責任をもつ者たちことが一番問題をかかえています。

いや、もしかしたら、彼らもまた、そうせざるをえない状況に追い込められていたのかもしれません。
日本という社会全体が、会社や役所、あるいは学校などという組織が大切にされ、個人のことがおろそかにされやすい傾向をもっています。
現代という社会も、利益、スピード、快適さなど、表面的なメリットだけを追い求めていることも、また問題にされるべきでしょう。

そう考えると、この事故から学ばなくてはいけないことは、私たち自身や、私たちの社会の中にもいっぱいあります。
それらに気づき、一つ一つを丁寧に変えていくことができれば、個人が本当に生きやすい社会になることができそうです。
でも、それをさせてくれないのが、今の日本の社会。
なかなか変わることがないでしょうが、でもあきらめたくはないです。

投稿者 tsukada : 2005年05月09日 23:05