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2005年05月30日
日本脳炎予防接種の一時中止
今日は朝からばたばたの一日。
読売新聞のトップに「日本脳炎予防接種の中止」が報じられ、すでに接種の予約をしている子の親御さんからも問い合わせの電話がありました。
厚生労働省からの中止指示が今日出されるという記事でした。
不思議な話です。
予防接種の実施主体である市町村にもまだ連絡がいかず、まして実施機関である私たち病医院の現場にも情報がないのに、マスコミ報道が先行しています。
一般の方にその内容を伝え、周知するという意味では、報道機関の役割は大きいです。
でも、日本中で厚生労働省の担当者しか知らないことが、突然マスコミを通じて一般に広く報道されるというのは、ものごとの進み方としてどうなんでしょうか。
せめて同時進行でいってほしいものです。
その後、市の担当者などからも連絡があり、最終的には事実上の接種中止になりました。
厚生労働省の通知では強い調子で中止を求めていますので、おそらく日本中のすべての市町村が同じ扱いになったのではないかと思います。
現行の日本脳炎ワクチンに、神経系の副作用が生じる可能性があるので、接種を中止するというものです。
しかし、制度としては残っているので、強い希望のある方には接種することができます。
この際には、接種に伴う効果と副作用について詳しく説明し、文書による同意が必要とのことです。
費用はこれまでと同様公費でまかなわれますし、万一の副作用発生時の被害補償も同じです。
いずれ副作用のおきにくい新しい日本脳炎ワクチンが供給されるようになったら、接種を再開する予定だそうです。
(それがいつになるか、分かりませんが)
これは国の方針ですので、形式上はそれに従うことになります。
市町村の責務として子どもたちへの予防接種は行われていますが、市町村が独自にできるものではありません。
結局、上に習えの行政スタイルは、ちっとも変わっていません。
今回の日本脳炎予防接種の一時中止も、何だか国に振り回されているような気もしています。
当院でも、今日から日本脳炎予防接種はすべて見合わせることになりました。
今日も何人かの方が予約していただいていましたが、すべてキャンセル。
ここ2週間ほどで80名ほどの予約がありましたが、その方々にみなご連絡をさしあげたところです。
こんなバタバタしたことをしているのを、国の人々はどこまで分かっているのでしょうね。
自分が号令を一つかければみんなが従うと思っているのかもしれません。
日本はまだまだ「上意下達」の世の中ようです。
投稿者 tsukada : 2005年05月30日 22:59