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2005年06月20日

個人情報保護>育児相談

昨日の「育児相談」でのこと。
これまでは相談に訪れた赤ちゃんの名前、生年月日などを訪ね、簡単な“カルテ”をつくっていました。
それに基づいて相談をしたり、指導をしていました。
でも今年度からはそれが廃止されました。
「個人情報保護」のためだそうです。
赤ちゃんの名前はもちろん、相談の内容も記録として残していてはいけないということらしいです。

実際に相談をしてみましたが、どうもいけません。
赤ちゃんの性別は見ればだいたい分かりますが、生後何か月かは聞かないと分かりません。
発育、発達のことや、離乳食の進み方の相談などが多いので、月齢は当然必要な情報です。
お母さんに聞けば分かりますが、いちいち医者が尋ねなくてはいけないことなのかなと、首をかしげながらお話をしていました。
先に赤ちゃんのプロフィールを聞いてもらい、必要な計測をしてあるだけで、相談はずいぶんとスムーズにいきます。
文字として書き留められていると、理解もより深まりますし、間違えも少なくなります。
中には何度も来られている方もおり、以前の記録がなければ、継続した指導もできません。

メモも含めて記録をいっさい残さないというのは、一つの個人情報保護の方策でしょう。
もしかしたら「究極の個人情報保護」なのかもしれません。
でも、そのためにこういった事業(今回は育児相談)の中身が軽薄になってしまうとしたら、何のための個人情報保護なのかと、問いたくなってしまいます。
個人情報保護は、記録した“カルテ”をきちんと管理し、漏洩などの問題を行いようにすることで、実行してほしいものです。

そういえば、先のJR列車転覆事故でも、同じようなことがありました。
怪我人が運び込まれた病院で、本人の同意がなければマスコミにも、一般の方々にも、その方に関する情報を流さないというものです。
「個人情報保護法」の精神を忠実に守っている模範解答のような対応です。
厚生労働省が私たち医療関係へ出した通達にも、そう書いてあります。
でも、その方が「意識不明」でも、身体的特徴や所持品など、身元確認につながる情報を公表しない病院がありました。
それって、いったい何なのでしょう。
その方を探し求めてる家族の思いを、どう考えていたのでしょう。
個人情報保護とは、身元確認よりも優先させなければいけないことなのでしょうか。

杓子定規に物事を解釈するだけ。
その場その場でどう対処すればいいかを考えることができない。
ただ問題をおこさないようにすることだけを考えている。
何が一番大切なことかの、価値判断をすることができない。
・・そんなふうになってしまっているとしたら、この社会はずいぶんとつまらないです。

明日からは若い内科の先生が研修に来られます。
僻地に勤務すると、内科医といってもある程度は子どもの患者も診ることになるので、小児科を勉強したいとのことです。
その気持ちにどうすれば応えることができるか、何を教えてあげればいいか・・
明日から3日間、私もいっしょになって「子どもの診かた」を勉強し直してみようと思っています。
ちょっと緊張気味・・

投稿者 tsukada : 2005年06月20日 22:29

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コメント

「個人情報保護?」上越市の私立幼稚園の保育費減免手続きでは世帯員全員の「健康保険証」の写しを添付します。何のためかわからず問い合わせたのに「審査のため」と言います。保護者(多くは両親)の所得により補助額が決められるのですが、なぜ、対象児の同居している叔父、伯母(祖父母までなら許せたが)まで「保険証」がいるのか。姓名のみではなくより多くの情報があるのに提出しろという。先生の日記を読みながら健康相談の場も含め、「個人情報保護」ということを本当に理解しているのだろうか?と考えさせられました。必要な情報、不必要な情報を「役所仕事」ではなく本当によ~く考え、判断して欲しい。ちなみに、減免申請書には6名分の世帯員の名を書く欄(我が家は9人なので欄外に記入させられます。見本を見て書くよう指示があるのですが、見本は4人の核家族世帯。)があり、世帯員の所得閲覧同意の押印欄があります。また、今年から児童手当の現況届けが保険証の写しの添付でよくなり随分、簡素化されました。・・・変わっていくもの、変わらないもの・・・基準が曖昧過ぎます。愚痴でした。すみません。

投稿者 飯塚 : 2005年06月24日 23:27