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2005年09月14日
マックとMr.インクレディブルの深い関係
先日買ってきた「Mr.インクレディブル」のフィギアです。診察室の脇においてあります。なかなかすてきでしょ(^o^) アメリカで作られたCG(コンピューター・グラフィック)の最新作です。映画も大人気、DVDではレンタルショップでもなかなか見つからないくらいの作品です。実はこれとアップル・コンピューターは深い関係があるのです。
アップル・コンピューターの創始者でもあり、現在の“社長”であるスティーブ・ジョブズが始めた会社がこのCGアニメを作っています。ピクサー(PIXER)という会社がそれ。過去に「トイ・ストリー」を作り、世界をあっと言わせました。アニメをコンピューターで作るというだけではなく、コンピューターでしかできないような創造的な表現やシーンを作ることができることを、みなに教えてくれました。(宮崎駿さんがアニメ映画の制作者として世界で有名になっていますが、その宮崎さんもCGを使ってみることにとても魅力を感じているのだそうです。)
そんなCGの技術を飛躍的に発展させたのが、ピクサーという会社であり、スティーブ・ジョブズだったといういうわけです。では、コンピューターを作って売る仕事をしている彼がなぜ別分野で活躍できたのか? ・・それは、彼が一度アップル社を一度退社しているからなのです。フリーになった彼が、社長業ではなく、会社の創世記と同じく創造的な仕事に全エネルギーを傾注できた時期があったというわけです。
彼の退社は、正確には「会社を追い出された」ということです。20歳の頃から始めたアップル社は、約10年で大きな会社に成長していました。財務を担当させるために招いた重役と、会社の経営方針があわず、逆に彼が会社を追われたというのが真相です。彼はあくまでも独創的で、ユーザーに使いやすいPCを作り続けたいと考えていましたが、経営を大切にする重役たちは、当時すでに優位にたっていたマイクロソフト社を意識し、普通のPCを売り、シェアを伸ばしたいと考えたようです。しかし、残念ながら結果は逆で、アップル社のシェアはどんどんと縮小していってしまいました。
私もこの頃のマックを使っていましたが、今ほど心躍るような体験はしていませんでした。もちろんウインドーズのPCよりも使いやすく、ユーザーに優しいのは確かなのですが、でもそれが飛び抜けてということでもありません。さほど面白みのないPCだったということです。
ジリ貧になっていたアップルは、創業者であるスティーブ・ジョブズを呼びもどします。彼は“浪人時代”に作り出してた革新的なテクノロジーと、ある種のカリスマ性をたずさえてアップル社に戻ってきました。その後は、新しいマックを次々と世に送り、ここ数年は携帯デジタル音楽端末であるiPodのシリーズと、ネット上での音楽配信システムのiTuneの成功をもたらしたのは、ご存じの通りです。
彼が自分で作った会社を追われたとき、絶望のどん底だったそうです。でも少ししてからは、成功者としての重荷から逃れ、むしろ新しい挑戦者として、自分のやりたいことができることに喜びを感じたといいます。失意からの復活です。そして、むしろフリーになれたからこそ、ある意味で革命的なソフトやコンピューター技術を作り出すことができたと言っています。
今彼の報酬はそうとう高額なのかと思いましたが、そうではありませんでした。アップル社からは年間でたった1ドルしかもらっていないのだか。お金よりも、自分のやりかいことを、やりたいようにやらせてもらう方が、彼にとっては大きな意味のある“報酬” なのでしょうね。
こういった話は、彼が以前にスタンフォード大学の卒業式で行った記念スピーチの中で述べていることです。今週の「週刊AERA」(朝日新聞社)に紹介されて初めてしりましたし、ネット上でその全文が紹介されています。もちろん感動をもって読むことができました。(さっそく今週の職員ミーティングで紹介しましたよ。)
ピクサー社の最新作が「Mr.インクレディブル」。子どもたち向けの人気CGと、敬愛するスティーブ・ジョブズが見事にマッチングしました。これでますます私のマック好き、アップル狂が過熱していきそうです・・
とりあえずはiPodの新しいシリーズ「iPod nano」が手に入るのを首を長くしてまっています。あと数日で届くようですが、手にしたらまた報告しますね。お楽しみに。(別に楽しみな方もそれほどいないかもしれませんが、私にとっては本当に楽しみなので、どうぞお付き合い下さい。)
投稿者 tsukada : 2005年09月14日 12:14
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