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2005年10月13日
明日からインフルエンザ予防接種
明日から当院でもインフルエンザ予防接種を開始します。これから約10週間、あしかけ3か月、多くの子どもたちへワクチン接種をしていくことになります。毎年の恒例行事にはなっていますが、いよいよ始まると思うと、多少緊張してきます(私でも・・)。
当院でのインフルエンザ予防接種はそれなりに歴史があります。子どもたちへのインフルエンザ・ワクチンがそれほど積極的ではなかった当時にその必要性をお話ししながら、手探りで始めました。最初の数年は受ける子どもたちがそれほど多くなく、一般の方への浸透もまだまだでした。それ以上に、小児科医の中ですら、必要性に疑問が出たり、「ワクチンはすべて不要で危険。本物の病気をした方がしっかり免疫がついていい」などというまことしやかなウソがまかり通っていたりもしました(それを有名な小児科医が真顔で言っているのですから、一般の方が惑わされるのも致し方ないですね)。
数年してだんだんと予防接種を受ける人たちが増えてくると、今度はワクチン不足に悩まされました。希望してこられた方に、ワクチンがないといってお断りすることは、いれば避けたいと思い、いろんなところに声をかけたり、「コネ」を作ったりして、ずいぶんと苦労しながら、ぎりぎりのところで接種をしていました。ある小児科の先生からワクチンを融通していただいて、逼迫した状態をしのぐことができたという話は、以前にこの欄でもご紹介しました。
そんなこんなで、ずいぶんと力をこめて実施してきたインフルエンザ予防接種ですが、気づいてみたらそうとうに多くの方に受けていただけるようになりました。今度問題になるのが、私たちの体制です。先に予約をしていただいているのですが、その方法も試行錯誤でした。接種の時間を確保したり、人員を適切に配置したりも、けっこう大変。通常の外来の中では十分な時間がとれないので、土曜の午後にワクチン専門の外来を特設しました。これが10週間続くというわけです。普段は休みになっている週末の時間帯を勤務するわけですので、職員の協力がなければできません。ありがたいことだと思っています。
今年は、ここ数年の中ではやや余裕があるようです。以前は予約開始と同時に、専用のフリーダイヤルが鳴りっぱなしでしたが、今年はそんな“殺気だった様子”はありませんでした。といって予約の数がぐんと少なくなったというわけでもないようです。接種の日程が近づいてくるにしたがってだんだんと予約数も増えてきています。みなさん、落ち着いて対応されているようですね。
インフルエンザは冬場に必ず流行する感染症です。それを積極的に防ぐ手段はワクチン以外にはありません。アメリカでは生後6か月〜23か月の乳幼児は、もしかかったらリスクが大きいとのことで、優先してワクチン接種を受けるべき対象にしています。生後6か月未満の乳児をもつ親御さんや保育にあたる人たちも、赤ちゃんにうつさないようにするために、やはりワクチンを受けるように勧告されています。日本ではこういった明確な指針はないのですが、でもそれに準じて対処していただいた方が、間違いないように思います。
ぜひ、年内にワクチン接種をすませておいて下さい。そして、大切なお子さんたちを、インフルエンザの脅威から守ってあげて下さい。
投稿者 tsukada : 2005年10月13日 22:00
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