2006年01月18日
虚業
一昨日、ライブドアというIT関連企業に対する強制捜査が行われ、株価は昨日から急落しています。この2日間でライブドアは3,000億円もの企業価値の下落があったとか。今日は他の企業も株価をさげ、売り注文の殺到から東証はシステムダウンを恐れて取引を全面停止するという異常事態になっています。
日本はかつてバブル経済の崩壊を経験しています。昨日からの株の急激な下落をみていると、同じ道を歩んでしまったかのようにも思えます。今回はIT関係が好景気になり、株価全体をひっぱりあげていました。でも、この事件で、ITが好調だったのは実は実態のない“あだ花”だったことが白日にされされてしまった、ということなのでしょう。
もともと株の価格とは、その企業の業績によって決まるものです。良い経営をし、しっかり利益をあげ、将来的にも安定した成長が見込まれる会社は、高い評価を受ける・・それが「株価」のもつ意味合いです。「良い経営」とは、社会にとっても良い存在でなければいけません。反社会的な、あるいは犯罪に近いことをしている会社が高い評価を受けるということがあってはいけないのだと思います。
ライブドアについてはたくさん報道されていますが、どうも会社のことがよく分かりません。いったい何をしている会社なのですか? インターネット関連では一定の仕事をしているのでしょうが、それよりも企業買収を通してグループを大きくする中で、資産運用を上手にやってきただけという感じがします。
他の人や企業が目をつけていないこと、やらないことを先んじてしていくのは、起業家としては当然のことでしょうし、それが最終的には社会全体を豊かにすることにもつながっていくことも多いでしょう。でも、この会社がしてきたことは「マネーゲーム」だったのではないでしょうか。金儲けのために、ひとすら走り続けていた・・そんなふうに言ったら言い過ぎでしょうか。
情報産業全体が実態がないというつもりはありませんが、でも企業買収などによって金儲けしているだけの会社には、中身に実態がありません。それは「虚業」とでも言うべきもの。時代の寵児のように華々しく取り上げられ、持ち上げられてはいましたが、本質が見えてくるともろく崩れていきます。もしかしたら一挙に消え去っていくのかもしれません。
これまでの金儲けの仕方が違法かどうかは分かりませんが、少なくともモラル(倫理性)に欠けていたのは確かでしょう。ウソをつき、人をだましながら金儲けするということを、許していてはいけません。私たちの社会が、「正直者が馬鹿をみる」ような状態にはしたくないですね。まじめに、人や社会の役に立つことを一生懸命やっていることが、やはり一番大切なのだと思います。
「ライブドア・ショック」はもう少し続きそうです。でも、その中から何を学ぶかによっては、その後の立ち直りが違ってくることでしょう。膿の部分を出し切って、実態にあう株の運用がなされるようになることを願っています。
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投稿者 tsukada : 2006年01月18日 23:49
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