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2006年03月09日

耳の聞こえは大丈夫かな?

 先日、小児科医の勉強会で耳鼻科医の話を聞く機会がありました。小児科と耳鼻科は多少似通ったところがあります。小児科でも耳や鼻のことをある程度みますし、耳鼻科の外来は子どもの患者がそうとう多く通っています。お互いの専門性をいかしながら、子どもたちのために協力して診療を行っています(とっても小児科は基本的には「何でも屋」で、子どものことはとりあえず何でも診ますが)。

 今回のテーマは「耳の聞こえ」でした。普通に生まれた赤ちゃんの中で、ある確率で聴力に問題のある子がいます。遺伝的なこともあり、どうしてもゼロにはできないのですが、それを早く見つけてトレーニングすることで(「療育」と言っています)、普通の生活を送ることが可能になっていきます。

 とくに問題になるのが言葉の発達です。乳児期から始まって、子どもたちは耳で言葉を聞きながら、少しずつ学んでいきます。その“入り口”である耳の聞こえが悪いと、言葉を覚え、自分から話すことができなくなってしまいます。もしも聴力障害があったとしたら、できれば1歳までに療育を始めると、わりと言葉を獲得できるようになるのだそうです。それが2歳くらいになると、なかなかうまくいかなくなることもあるのだとか。

 近年は産科の先生方もこの問題に熱心になっているので、生まれたから退院するまでの間に聴力検査をして下さるところが多くなってきました。しかし、当地(新潟県上越市)では全ての産科で行っているわけではなく、赤ちゃんの20%ほどしかこの検査を受けていないのだとか。そうすると、あとは乳幼児健診の際に積極的に関わっていかないと、どうしても漏れてしまう患者さんがでてしまうという指摘です。

 そうなるとあとは小児科医の出番。健診のときに、親御さんを通じて赤ちゃんの耳の聞こえについて、問題がないかどうかを調べ、スクリーニングしていく必要があります。そのためのチェック項目も、しっかりしたものが作られています。

 当院では毎週木曜のお昼に、乳幼児健診を行っています。当地のシステムでは、生後3か月を集団で、6か月と9か月の赤ちゃんを個別で健診しています。当院で行っているのはこの6か月と9か月の赤ちゃんになります。さっそく今日からそれぞれの月齢にあわせたチェックリストを使い、耳の聞こえについてもこれまで以上に注意を払ってみました。

 このチェックリストはとても良くできていて、親御さんもお子さんの耳の聞こえについて、ある程度の推測をすることができます。HP内にアップしてみましたので、ぜひ試してみて下さい。【→「ヘルスレター」のコーナー内の「702 耳の聞こえ」をご覧下さい】

投稿者 tsukada : 2006年03月09日 23:21

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