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2006年07月31日

排水口に吸い込まれた女の子

 今日で7月が終わり。昨日の梅雨明けで一挙に夏らしくなったような感じですね。夏休みはお出かけする計画の方も多いことでしょう。事故にあうことなく、楽しくお過ごし下さい。

 その事故のことですが、今日埼玉県の市民プールで、小学校2年生の女児が亡くなりました。もうニュースをご覧になった方が多いと思いますが、排水口を覆っている鉄製の柵がはずれていて、排水管に吸い込まれるという事故だったようです。

 なぜ柵が外れていたのかなどの原因や、事故の責任などはこれから明らかにされることでしょう。詳しいことはまだ分かりませんが、またもやこんな事故がおきてしまったことに憤りを感じます!

 以前からプールで、こういった事故が多発することが問題になっていました。文部科学省は全国の自治体に、安全管理を徹底するよう通達をだしていますが、それが守られないための事故がその後もありました。新潟県でも数年前、町のプールで排水口の柵がはずれて、児童が亡くなりました。「ボルトで留めておく」ようにという通達を完全に無視し、点検すらしていませんでした。当時の町の担当者には、先日有罪判決が出されました。

 今日事故のおきたプールは、報道ではボルトで留める処置はしてあったとのこと。では、なぞそれがはずれていたのか。故意による事件なのか、事故なのか・・。

 原因はまだ分かりませんが、今回の事故は完全に予防できるはずでした。その一つは、排水口の柵を二重にしておくことです。一つが何からのことで外れたり、破損しても、もう一つその内側に柵や網を設置しておけば、吸い込まれる事故は防げたはずです。「もしも」のことを考えると、こういった安全策は二重にも、三重にもしておくべきです。そのための費用は、微々たるものです。

 考えにくいのですが、故意に行われた可能性もあります。残念ながら、私たちの社会には悪意を持った人たちも一定の割合で存在しています。それを前提に、犯罪や事故・事件の予防策を考えておかなければ、思うつぼです。

 あるいは、見落としということもあります。毎日チェックしていることになっているかもしれませんが、けっこう大切なことが見逃されることはあるものです。毎日の作業ということで、それがマンネリ化し、本当はちゃんと見ていないというような事態もあるかもしれません。

 民間の会社に管理を委託していたということですが、その体制が万全かどうか。もしかしたら・・という考えにたって、対策をたてておくことも、また必要なのではないかと思います。実際にプールの監視員は学生のアルバイトも多いようですが、仕事の質を考えると、やはり心配な面はあります。

 そしてもう一つ、事故を防げるチャンスがありました。それは監視員が排水口の柵のはずれていることに気づいた時点です。もしその時にすぐプールを閉鎖し、利用者を急いでプールからあげることをしていたら、大事にはいたらなかったはずです。報道では、外れた柵をプールサイドにあげ、監視員が近くにいる人たちに口頭で注意するように呼びかけていただけということでした。

 あるいは、プールの排水ポンプを停止させるだけでも事故は防げたことでしょう。このプールは「流れるプール」になっていて、そうとうの量の水をポンプでくみ出し、別の口から給水していました。普通のプールの排水とは大きく異なっているわけで、それだけ吸い込まれてしまう事故の可能性が大きい構造です。

 危険な状況なのだと理解すれば、悠長なことは言っていられません。監視員のその時の行動を見る限り、緊急な事態であるという認識をしていなかった可能性があります。あるいは、大変なことではあるけれども、どう対処すればいいか、分からなかったのかもしれません。

 きっとアルバイトの監視員だったのでしょう。状況判断がきちんとできるだけの資質がなかったのかもしれません。異常時の対処について、訓練を受けていなかったのかもしれません。もっとも、仮にしっかりとしたマニュアルがあったとしても、そこには「排水口の柵が外れている場合」という項目はなかったでしょうね。

 基本はやはり危機管理です。市、会社といった組織の体制も問われます。現場にいた監視員一人ひとりの危機管理能力も、問題にせざるをえません。そして、それぞれのレベルでの危機管理対応を考える上でもっとも重要なのは、そこにいる子どもたちや利用者の存在です。かけがえのない命と体を守ることに、どれくらい心をくだいていたのでしょうか。

 夏休みに入ってから、水の事故が多くなったように思います。事故は思いがけないところでおきるものです。くれぐれも注意をし、安全に、楽しく夏休みを過ごしてください。

投稿者 tsukada : 23:07

2006年07月30日

梅雨明け

 今日、日本列島は広い範囲で梅雨があけました。ここ新潟もそうです。平年より8日も遅い梅雨明けになりました。

 確かに今日は昨日までとお天気が違いました。朝起きたときから、気温は高いのですが蒸し暑さは感じません。午前中に犬の散歩をしたりしていましたが、日差しは強いけれど木陰に入ると爽やかさと感じました。これはきっとと、「梅雨明け」を確信しましたが、やはりそうでした。気象庁は午後になって梅雨明け宣言を出しましたが、体感のほうが半日先んじていましたよ。

 夏となれば暑さ対策が大切。家の窓をよしずで囲いました。まるで浜茶屋のよう。クラシックな対策ですが、でもこれが案外効果があります。梅雨明けから一転して猛暑になりそうですが、これで何とかしのげることでしょう。

 今日は日曜ということで、各地で海水浴客が一挙に繰り出したことでしょう。待ちきれなかったですよね。でもそれに比例してなのか、水の事故が相次いでいました。今日だけで15名の死者と、5名の不明者がでているということです。

 新潟では昨日も事故がありましたが、今日もお二人が亡くなっています。上越市でも、やはり長野県から来られた若い方が命を落とされました。

 夏、そして海。開放感にあふれ、楽しく過ごせる場には違いありません。でも、そこは100%安全な場所だというわけではありません。むしろそうとう危険な場所です。くれぐれも注意をしていただき、不幸な事故がおこらないようにしていて下さい。

投稿者 tsukada : 23:40

2006年07月29日

ミニトマトで窒息!

 今日も新潟では、午後から雨が降るなど、すぐれないお天気でした。梅雨明けまでもう少しおあずけといったところでしょうか。

 上越祭りは今日が最終日。各町内から神社にお米をお納めするお饌米(せんまい)奉納という行事が、そのクライマックスです。今年も勇壮な若者たちの様子を見に、多くの見物客が集まっていた・・ようです(私はテレビで見ただけでした)。

 こんなお天気だと、海水浴という気分ではないですね。風が強く、波もそうとうあります。気温が上がらず、寒ささえ感じます。海の家も開店休業のようです。夏らしい暑さがやってくるのは来週以降。今日の予想では梅雨明けは8月1日になるとか。待ち遠しいですね。

 そんな中、海の事故も起きてしまいました。当地から数十キロしか離れていない柏崎市の海岸で、小2の女の子と65歳の男性が溺れて亡くなるという事故がありました。沖に流されてしまい、戻れなくなったとのことでした。お二人は隣の長野県の方。海のない県ですので、海にあこがれるのかもしれません。こんなお天気の時に、無理をして海水浴をしていたのかもしれません。

 穏やかな海でも、事故の危険があります。ましてや風や波が強いときには、海に入ることをやめる決断力も必要でしょう。防げたはずの事故です。悔やまれます。

 昨日の夕方、テレビの報道番組で見た情報です。ある保育園で、2歳ほどの子がミニトマトで窒息死してしまったとのこと。この園では庭でミニトマトも栽培していて、どうもそれを口の中に入れていて、誤って飲み込み、喉頭にひっかかってしまったようです。

 保育士が見つけたときには、すでに園庭でぐったりしていました。園内に運び、救急車を要請。救急隊が駆けつけたときにはすでに心肺停止状態で、人工呼吸にも反応せず、医師が乗っているドクター・ヘリコプターが出動し、病院に収容しましたが、意識が戻ることなく、亡くなってしまいました。病院での処置の途中で、喉頭に赤い物が見えるということになり、それがミニトマトだったというのは、あとになって分かったとのことでした。

 乳幼児は口の中に入れた物を誤って誤飲したり、それが引っかかった窒息する事故をおこす危険性があります。3歳くらいまでは、豆菓子を与えないようにしてほしいとお願いしているのも、こういった事故を防ぐためです。

 実はミニトマトによる窒息事故は、けっしてまれではないようです。大きさが小さな子でもすっぽり口の中に入る程度。それを噛みきればいいのですが、2歳くらいではまだ奥歯がありません。皮はわりと固く、つるつるとしています。まるでスーパーボールです。それが喉の引っかかってしまえば、呼吸が止まってしまうことは容易に想像がつきます。

 今回、この子の事故を防ぐことは可能でした(あとからでは何とでも言えるのかもしれませんが)。ミニトマトに窒息の危険性があるという知識があれば、園の中で栽培することは適切ではないという判断がされたことでしょう。子どもに近寄らないように話しても、それが完全に実行できるわけではありません。まして、全ての子どもたちの行動を逐一監視することは不可能です。

 さらに、倒れている子どもを見つけたあとの対処です。その原因が気管支異物による窒息であれば、「ハイムリック法」という手技を行うことで、もしかしたら異物を取り除くことができたかもしれません。これは上腹部を圧迫し、横隔膜を押し上げ、肺の中の空気を喉に押しやって異物を押し出させようとするものです。医療従事者だけではなく、一般の方にもぜひ覚えていてほしいし、いざという時にはためらうことなく、その場ですぐに実行してほしい救命の方法です。(「ハイムリック法」については、ネット上で検索できますので、それらを参考にして下さい)

 倒れている子どもを見つけた時にすぐにハイムリック法を実行していたら、もしかしたら助けることができたかもしれません。少なくても、通常に蘇生処置は行うべきでした(やっていたかもしれませんが)。職業として子どもたちを預かる保育士の方は、必ずこの手技を初めとして、いざという時の救急処置を身につけてほしいと思います。

 こういった事故は、おきないにこしたことはありません。どんなところで、どんな事故がおきやすいかを知ることが、予防策を考える基本です。そして、いざという時の対処も、確実に実行できるよう、日頃からの対策が求められています。

 大切な子どもたちが、防げるはずの事故で命を落としたり、重大なけがをしたりしないようになることを切に願っています。

投稿者 tsukada : 23:46

2006年07月28日

大雨の中

20060728

 今は当地のお祭りが行われています。各町内のお神輿(みこし)を引き回すのですが・・ 

 勇壮な屋台行列も雨には勝てないようです。急に降り出した大雨で立ち往生してしまいました。

※写真中央がお神輿。雨のためにすっぽりとビニールで覆われています。その後ろに見ていているのが医院の建物。右はわたぼうし病児保育室。左の建物には工事用の足場が組まれていますが、これは外壁や屋根の修繕工事のためのもの。建物の若返り工事を実施中です。

投稿者 tsukada : 10:21

2006年07月27日

読売新聞の取材

 今日は読売新聞の記者の方が取材に来られました。テーマは「病児保育」。当院に併設されているわたぼうし病児保育室が先月で5周年を迎えたこともあり、これまでの取り組みや今後のことについて記事にしたいということでした。

 取材に来られたのは上越に先月赴任されてきたまだ若い男の方。奥さんとお子さんは東京においての単身赴任なのだそうです。共働きをしながら子育てをされているとのことで、開口一番「病児保育はほんとうに必要なんですよね!」とおっしゃられました。いつもの取材では、まず先に病児保育の意味やその意義・必要性についての説明をすることが多いのに、今日はそんな“前口上”は一切不要。いきなり本題に切り込んで来られました。こんな取材はとても嬉しいですね。ついつい私の思いを熱く語ってしまいました。

 わたぼうし病児保育室の利用者の方で、こんな例もありました。ご夫婦とも大学の教員の方が就職先を決める際に、インターネットを使って全国の病児保育をしている小児科を探しだし、その中で子育て環境もしっかりしているということで、上越市に決められました。かわいい双子のお子さんを育てながら、市内の大学にお勤めになられました。今春、他の大学への就任が決まり、上越をあとにされましたが、わたぼうし病児保育室があったから二人で仕事をすることができたと、とても感謝されていました。

 そんな実例も記者の方にお話をしました。ご自身もいろいろと体験されているとのことで、病児保育の必要性をさらに実感してもらうことができたようです。

 回復期の「病後児」保育は各地で行われるようになってきていますが、それ以上に急性期の「病児」保育の方が重要であり、その必要性が高いことについても、記者の方と共通に認識になりました。わたぼうし病児保育室の例でも6割は急性期の病児ですし、親御さんが対応に困るのも、この急性期です。数日して回復期になっていれば、親御さんも休みをとれたり、遠くの祖父母に来てもらうなどの対応もとることができるようになり、病(後)児保育の必要性は必ずしも高くはありません。

 しかし、問題は急性期の病児保育を完璧に行う方法です。その日にならなければ利用するお子さんが決まりません。「定数」に縛られたら、お断りしなくてはいけないこともおきてしまいます。私たちは「絶対に断らない」と大きなポリシーにしています。利用希望児が多ければ、医院のスタッフを投入して対応する用意をいつもしています(昨年、1日あたり18人の利用児のいた日もありましたが、無事乗り切るとができました)。保育園で発熱したなどのお子さんも、途中入室はいつでもOKです。これまでの5年間で、一人もお断りすることなく預かったことは、私たちの誇りでもあります。

 利用者は毎年増え続け、今から2年前に専用の園舎を新築するにいたるほどであることもお話ししました。全国の統計を見ていても、わたぼうし病児保育室の利用数(昨年度はのべ1,350名、一日あたり5.6名)は全国のトップレベルになっています。特別に上越市が病児保育の必要性が高いことはないはずです(おそらく都市部の方がもっと切実な問題になっているでしょう)。それなのにとても多くの方に利用していただいているのは、やはりきちんとした病児保育の体制を作り、信頼されるようになってきたからなのだと思っています。

 記者の方が、こういった取り組みが全国で「面」として広がってくるといいのに、とおっしゃっていました。本当にそう思います。当院がいくら頑張っても、日本全体から見れば、小さな「点」にすぎません。「わたぼうし病児保育室」と名付けたように、ここでの試みが日本中にどんどん広がり、あちこちで花を開かれていくことを、これからも期待していきます。そんな思いを持っておられる小児科医などがおられるようでしたら、どんどん応援していこうと思ってもいます。

 記者の方は夕方にもう一度来られて、利用されている親御さん方から直接お話をお聞きになっていました。きっとしっかりとした内容の記事になるのではないかと思います。掲載された時にはご紹介しますので、どうぞお楽しみに。

投稿者 tsukada : 22:50

2006年07月26日

AERAつながり

 今週の週刊誌『AERA』(朝日新聞社)をお持ちの方は、その30ページをご覧になって下さい。「肥満児は夏に作られる」という特集記事が載っています。その最初の3行目に「小林正子先生」の名前があります。この先生こそ、先週に行われた「上越子育てフォーラム」の講師のお一人です。

 日本の夏は蒸し暑くて過ごしにくいもの。子どもたちは食欲が落ち、中には“夏ばて”になってしまうことも多いとされていました。でもそれは昔の話。今はエアコンの良く効いた室内で過ごすので、食欲が落ちることはなくなりました。“夏ばて”という言葉はもう死語かもしれません。

 そして、肥満児ほど室内で動くことなく、ゲームやビデオなどを楽しみ、間食も大いにすすむようです。肥満児の7割は夏に太ることが、小林先生の研究で分かっています。

 そんなお話を、先週のフォーラムでもお聞きしましたし、そのあとの懇親会でも具体的なデータとともに解説をしていただいていました。そしてその次の週に、先生のお名前を週刊誌で見つけたのですから、ビックリです。とても有名な先生から、最先端の講演をしていただいたことについても、嬉しく思っています。

 そして昨日のこと、『AERA』 の編集部の方から医院に電話が入りました。小林先生の関係なのかな?と思っていると、取材依頼でした。「頭ジラミ」について教えてほしいとのこと。頭ジラミは時々外来で見かけていますが、全国誌からわざわざ私あてに取材がくるのもビックリでした。インターネットで検索をしたら、このHPを見つけたというでした。

 電話で10分ほどお話をしましたが、その内容をもとに記事にされるとのこと。いずれ『AERA』に載ると思いますので、お楽しみに。

投稿者 tsukada : 21:40

2006年07月24日

大雨と大雪

 九州などでは今日もまた大雨になっているようです。すでに大きな災害もでています。もういいかげんにしてほしい、というのが正直なお気持ちでしょう。

 降った雨の量がものすごいですね。ところによってはここ1週間ほどで1,200ミリメートルを超えているとか。半端な量ではありません。「記録的な大雨」というとおりです。

 庭に高さ30センチほどのバケツを置いておいて、それが1週間に4回もいっぱいになるほどの量。「バケツをひっくり返したような雨」とは、瞬間的な降り方の多さを表していますが、何日間もコンスタントに、たっぷりと降り続ける大雨のことを何と呼んだらいいのでしょう。「バケツでも足りないくらいの降り方」とか「バケツが何倍も必要な長雨」とか・・

 ここ新潟は豪雪地です。山間では数メートル降り積もることがあります。大雪の被害も毎年出ていますし、昨年末からの被害はことのほかひどかったです。屋根に積もった雪の重さに耐えられず家がつぶれたり、大雪で道路が寸断されたり、雪崩が起きたり。冬になると、雪国からの悲鳴が聞こえることでしょう。

 でも、もしかしたらまだ雪の方がマシなのかもしてないと思いました。雪はとりあえずは降った場所にとどまっています。その重みが問題になるわけですが、雪崩は別として、町の中で「雪に流される」ということはありません。

 一方の雨は、その場にとどまることはせず、下の方に流れていきます。上流に降った雨水も集中してくるので、その量は下流にいくほど増えていきます。河川が増えた水を流しきれなければ、それは途中の土地にたまったり、氾濫して水害になっていきます。

 雨量が多くても数字だけを言われるだけではあまり実感できないのは、そこにとどまっていないから。もしこれが寒い土地で雪として降ったらどうでしょう。雪の重さは水の20〜30%ほど。1メートルの高さの雪は、水にすると20〜30センチほどになります。逆に1メートルの高さに相当する水が降ったとき、それが雪であれば5倍近くの高さになります。水1メートルの水は、5メートル近くの高さに降り積もった雪と同じだということです。

 ここ1週間で1,200ミリを超える雨が降ったということは、雪にかえて考えると5メートル以上に降り積もっていることになります。いかに多量の「記録的な」大雨が降っているか、よく分っていただけることでしょう。

 雪であれば、どんなに降っても、とりあえずの時間的な余裕がありそうです。屋根に雪が積もっても、雪下ろしができれば、何とか持ちこたえられます(お年寄りだけの世帯などではそうもいきませんが)。道が寸断されても、じっと待っていればいずれ助けに来てくれそうです。そして春が来れば雪はゆっくり溶けてくれます(雪崩の原因にはなりますが)。

 しかし、大雨には時間的な余裕はありません。その被害はあっという間の出来事で、避難すら難しい。洪水になってしまえば、待ち続けるという判断は死を意味することもありえます。

 そんなふうに考えると、今おきている豪雨による災害は、すさまじいものがあると、あらためて思い知らされます。背筋が寒くなるほどです。

 被災地は明日もまだ雨だとか。これ以上の被害の出ないことを、心よりお祈りしております。

投稿者 tsukada : 22:38

2006年07月23日

蓮祭り

20060723-1 

20060723 

 今日は、まだ梅雨があけていないようですが、当地では晴天になっています。梅雨の長雨が続き、日曜はここ数週間お天気が悪かったように思います。

 ここ上越市では「蓮祭り」が始まっています。会場の高田城跡公園のお堀に咲く蓮は東洋一と言われています(蓮博士と呼ばれている方がかつてそう言ったのだそうです)。例年なら今頃は見事な蓮の花がお堀一面に咲いているのですが、今年は見てのとおり、寂しい状態です。花はまばらで、大きな葉だけが元気に開いています。

 犬との散歩も久しぶり。だんだん日差しが強くなってきたので、記念写真を撮って早々と帰宅してきました。冷たい麦茶が美味しかったです。

投稿者 tsukada : 10:21

2006年07月22日

子育てフォーラム 無事終了

 今日22日は、第2回上越子育てフォーラムが開催されました。子どもの体と心の健康について学ぼうという趣旨で昨年から始まった企画です。今回もお二人の先生をお招きし、それぞれの分野から大切なお話をしていただきました。

 今回も多くの方からご参加いただきました。講演の内容から、学校の養護先生方も多かったようです。それぞれの方にお役に立てる内容になったのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

 講演の内容については、いずれお知らせするつもりですが、とりあえず無事終わったことのご報告まで。ご参加いただいた皆様と、遠路お越しいただき貴重なお話をしていただいたお二人の先生方に深く御礼申し上げます。ありがとうございました。

PS 参考までに今日のプログラムを記しておきます。
【講演1】 「身長・体重から分かる子どものからだと心の健康」
      −身体計測値の活用方法−
   厚生労働省 国立保健医療科学院 生涯保健部 行動科学室長 小林正子先生
【講演2】   「新しい時代を生きる親子の光と闇」
      −現在子どもたちが置かれている状況とその対応− 
   慶応義塾大学 小児科学教室講師 渡辺久子先生

投稿者 tsukada : 21:04

2006年07月21日

明日は「子育てフォーラム」

 今日の新潟は予報ほどには雨が降らず、まずまずのお天気でした。でも九州などではまだまだ大雨が続いているようですね。これ以上、土砂災害などがおきないことをひたすら祈るばかりです。

 第2回「上越子育てフォーラム」は、いよいよ明日開催です。講師の先生方は当日、東京から来られますので、交通機関の様子は心配になるのですが、今のところは大丈夫そう。そして今年も多くの方にご参加いただけそうですが、お天気の悪い中ではいやですね。カラッと晴れた中でも開催になるといいなと思っています。今日はてるてる坊主を下げておこうかな(^。^)

 子どもの心についてお話をしていただく渡辺久子先生は、小児科医の中ではとても有名な先生です。ご講演を何度か拝聴していますが、先生の熱意と愛情があふれれていて、いつも感動を覚えています。子どもたちに対してとても優しく接している様子が目に見えてきます。そして、子どもたちに対してとても大きな責任をもって小児科医という仕事をされている様子も、よく分かります。先生のご講演を、私自身がもう一度間近でお聴きできること自体が、私にとってとても嬉しいことです。

 先生には多くの御著書がありますが、その中の一冊をこのHP内に紹介いたしました(「院長の書斎」のコーナー)。『子どもを伸ばすお母さんのふしぎな力』がその本です。先生が経験された多くの事例をもとに、子どもたちとお母さん方へ多くのメッセージを伝えています。そのには先生の息づかいが聞こえてきそうです。どうぞお読みいただければ幸いです。

 明日は講演の内容はもちろんですが、それぞれの先生方の、子どもたちに関わる真摯な姿勢が必ずや感じ取ることができることと思います。先生方の姿勢、あるいは生き方そのものを少しでも知ることが、私たちにとってきっと役に立つのではないかと信じています。

 人間には生きていくためのモデルが必要です。「あんなふうに生きていきたい」と思えるようなお手本です。そのままには歩むことはできませんが、一人一人の生き方の中で、折に触れ、行くべき道を指し示してくれるのではないかと思います。

 明日のお二人は、私たちに多くのことを教えてくれることでしょう。少なくとも、私はそう信じています。信じるにたる生き方をされている先生方だと思っています。

 お近くの方は、ぜひ上越まで足をお運びいただければ幸いです。どうぞお待ちしております。

投稿者 tsukada : 22:57

2006年07月20日

2つの殺人事件はなぜ防げなかったのか

 梅雨末期の大雨による被害は、各地でそうとう深刻になっています。今日は九州や四国で大雨になっているようですし、明日はまた中国や中部・北陸地方でまた大雨が降るとのことです。すでにそうとうの水が土の中にしみこんでいます。災害の発生がいつおきてもふしぎではありません。くれぐれもご注意下さい。

 新潟は今日は良いお天気。久しぶりに青空を見たような気がします。でも明日はまた大雨になるようです。天気予報によれば、午後3時に1時間あたり15ミリもの大量の雨が降るとのこと。またもや梅雨空に逆戻りしてしまいます。昨日の「院長ブログ」にも書きましたが、土曜日(22日)は「子育てフォーラム」を開催します。明日の大雨で被害がでないことを、そして明後日は良いお天気になってくれることを、ひたすら祈っています。

 ここ数日で秋田県で起きた子ども連続殺人事件に大きな動きがありました。隣人の男の子を殺害したとして逮捕されていた女が、自分の娘も殺していたことを自供し、再逮捕されたのです。何ともおぞましい決着なのでしょう。我が子を殺したあと、何食わぬ顔で生活をし、被害者を演じる一方で、友だちの男の子を殺害したのですから。犯行の動機や経過は、普通の人にとっては理解しがたいものがあり、その意味では猟奇的殺人事件の様相ももっています。

 まだ分からないことがいろいろあります。まずはその動機。自分の娘を殺害したのは、「うっとうしいから」「イライラしたから」などと供述しているように、自己中心的な性格がそのベースにあるようです。もともとこの子は虐待を受けていたのであり、その延長で今回の事件をとらえる必要があります。このことはあとでまた触れます。

 二つ目の殺人事件については、まだ動機が十分解明されていないようです。娘の最後の目撃者だったから、などとも言われていますが、おそらく真相は違うのでしょう。犯人が、最初の事件のあと、事故だとした警察や世間に対して執拗に事件性のあることをアピールしています。この点が、犯人の心理をひもとく鍵になります。

 当初から警察の捜査は問題がありました。被害者を発見したのは一夜明けた翌日。自分が犯人であることは棚にあげて、娘が冷たく暗い川の中で寂しい思いをしていたのは。すぐに見つけることができなかった警察がいけないのだ、と考えてもふしぎではありません。転落場所とされた地点も違っていて、警察の捜査がずさんであることに「信頼を置けない」と思ったかもしれません(何しろ、正しい転落場所を知っているのですから)。その上、殺人事件であるにも関わらず事故だなどという間違った判断をしたのですから、警察に対して不信感を抱いたのも当然でしょう。

 自分の娘の死が事故で終わってしまうのは、自分の存在を否定されるに等しいとまで感じたのではないでしょうか。それが次の事件の動機になった可能性が高いと、私は思っています。近隣でまた子どもが命を落とし、それが事故ではなく明らかに殺人事件であれば、警察に対しても、世間に対しも「だから私が言ったでしょう」と言うことができます。それによって、自分のアイデンティティーを保つことができると信じていたのでしょう(もちろん誤ったアイデンティティーですが)。

 以前の「院長ブログ」でもお話ししていますが、犯人の行動や思考様式は常識の範囲では見当も付かないものです。境界性人格障害、または反社会的人格障害として良いのではないかと考えています。そうであれば、上述したような考え方が出てきても一向におかしくありません。自分がしでかしたことではあっても、それを他人の責任にしたてあげることはいとも簡単なこと。意識することなく、やってしまいます。相手のミスには敏感に反応し、それを厳しく批判することもたけています。何より、罪悪感を持ち合わせていません。

 こういった心理状態にいる人が存在することを、知っておく必要があります。普通の人とは違って、悪意を持っている人が、ほんとうにいるのです。そして、それらの人たちが犯罪を犯す可能性が高いわけですから、犯罪者に対しては普通の思考方法が通用しないことがよくあることなのです。

 警察の捜査については、いろいろと批判がでています。おそらく初動捜査もまずかったのでしょう。犯人を早く捕らえていれば、二人目の犠牲者はでなかったでしょう。警察の責任はとても重大です。捜査方法などについてはこれからしっかりと検証されることと思いますが、ぜひ取り組んでもらいたいのは、犯罪者の心理状態を把握することのできる訓練です。

 最近のテレビ番組によく「犯罪のプロファイリング」という言葉が出てきます。アメリカFBIで仕事をしているプロのプロファイラーの活躍も紹介されています(その番組にこの犯人も「被害者」として盛んに出ていたのは、皮肉な話ですが)。詳しくは分かりませんが、犯罪者の心理を読みほどいていくのが、その仕事のようです。特殊な思考をする犯罪者の心理を、普通の捜査官が分かろうとすることの方が無理があるのかもしれません。日本の犯罪捜査にも、こういったプロファイラーが必要になっているのでしょうし、少なくとも専門の犯罪心理学者などに早い段階から加わってもらうことも、積極的に考えていくべきかと思います。

 話が長くなりましたが、最後にもう一点。この犯人が親として子どもに行ってきたのは、虐待です。必要な家庭的ケアを十分に受けてはいなかったようです。

 ある番組で犯人が語ったことが気になっています。娘があまり入浴していないことについて、それは娘がお風呂が嫌いだからというのです。娘に「あなた最近くさいんじゃない?」って言って、無理矢理入浴させたのだと。お風呂が嫌いな子どもって、まずいません。もし嫌いでも、だから1週間も入浴しないでそのままでいられる「普通の親」は、それ以上にいません。親がするべき養育をしていないために起きている事実を、子どもに原因があるというように言い放ち、子どもの責任に転嫁しています。これは典型的な「境界性人格障害」の思考パターンです。

 食事、遊びなど、毎日の生活の中で、こういった不適切な養育が行われていたようです。それは周囲の大人たち(地域や学校の)がみんな分かっていたのだとか。そうであれば、どうして虐待が食い止めれなかったのか。こういった事件が起きた後、実はあそこではこうだったんだ・・という“証言”がたくさん出てくるけれど、それでいいのか疑問に思うのです。同じ社会に生きていて、大きな意味でどの子どもに対しても、どの大人も責任をもっています。子どもが虐待されているようだと知ったとき、取るべき行動は何だったのでしょう。見て見ぬ振りをしていたのだとしたら、彼女を失ってしまった原因の一つに、虐待を食い止めることができなかった社会の問題がある・・そんなふうに考えるのは、酷なことでしょうか。

 「虐待」というと、暴力をふるう場面を想像しがちですが、それだけではありません。満足な食事をあたえない、入浴をさせない、清潔な衣服を身につけさせない、必要な医療をあたえない、などという行為は「ニグレクト」(養育の放棄)と呼ばれ、これも虐待ですし、日本で最も多い虐待だと言われています。

 「虐待」という言葉よりも「不適切な養育」とした方が、もっと幅広くとらえられるかもしれません。英語では「maltreatment」という言い方も一般的なのだとか(「mal-」は「・・ではない」という意味の接頭語、「treatment」は「対応、対処」などという意味があります)。

 今回の事件を、異常性格者が起こした特殊な出来事と考えたのでは、日本の社会は少しも良くなっていきません。警察の問題とともに、虐待を防ぐことができなかったという問題に対しても、十分に取り組んでいって欲しいと思っています。

投稿者 tsukada : 22:41

2006年07月19日

天気予報が気になる理由

 梅雨の大雨が続き、各地で大きな災害になってしまいました。とくに長野県では土石流、河川の堤防決壊などがおきているとのことですが、お隣の県のことなのに信じられない気持ちです。

 今回の雨の降り方は、一挙に大量に降る集中豪雨ではなかったようです。当地でも先週末から数日間、ほとんどやむことなく降り続いていました。長野なども同じだったようで、極端に強い降りではなかったにもかかわらず、ここ3日間のトータルの降水量は過去一番になっていたということでした。

 山間の多いところだったので、すでに降っていた雨をたっぷりためこんでいることに、さらに雨が降り、土石流などの災害になってしまいました。もう1日でも早く雨がやんでくれれば、こんなに大きな被害はでなくてすんだのでしょう。自然がひきおこしたこととはいえ、何とかならなかったのかという気持ちがしています。

 梅雨の末期はとくに大雨になりやすく、以前に当地でおきた集中豪雨などの被害も、7月上〜中旬に多かったようです。梅雨前線が発達し、日本列島の真ん中に居座っているのがいけないようです。早く前線が弱くなり、日本に夏の太陽がやってくることを祈るばかりです。

 週間の天気予報を見ましたが、各地の大雨はしだいにおさまり、数日は曇りマークが多く、来週中にはどうやら梅雨があけるのかな、といった感じがしました。例年より遅い梅雨明けになりそうですね。

 お天気が気になる理由があります。それは今週末(22日)に「第2回上越子育てフォーラム」を予定しているからです。講師の先生方は東京からいらっしゃるので、もしも大雨などで列車が動かないと大変なことになってしまいます。私が企画し、当日の司会をしますが、フォーラムが終わり、先生方を送り出すまでは胃の痛みが続きそうです。

PS このフォーラムにはすでに多くの方から参加のお申し込みをいただいておりますが、まだ満席ではありません。会場の余裕もありますので、お近くの方はどうぞいらっしゃってください(フォーラムの概要はこのHPのトップページからどうぞ)。一応事前に申し込みをとお願いしていますが、余裕のない方は当日直接来ていただいてもかまいません。

投稿者 tsukada : 23:44

2006年07月18日

育児相談に現れた「不審者」

 この日曜日、私は市内の大型ショッピングセンターにいました。買い物にも時々行くところですが、今回はお仕事です。毎月1回、「育児相談」が行われ、この地区の小児科医が交代で勤務しています。10数人の小児科医がいるので、年に1回ほど、その順番が回ってきます。

 いつものように出かけていったのですが、運悪く当日は雨降り。そんな日は他に出かけるところがないためか、けっこうにぎわいます。自動車で行ったのですが、なかなかたどり着けません。遅刻するわけにはいかないので、近くのお店の駐車場に失礼して自動車を置かせてもらいました。そこから傘をさし、雨の中を歩いてショッピングセンターへ。

 地方の中小都市は自動車社会です。歩行者はまずいません。お目当てのショッピングセンターを目指す自動車の長い列が続いていて、私はその脇を歩いていきます。何だか場違いなところにいる感じがしてしまいました。

 自動車を早めに降りて歩いたことが功を奏して、時間より少々早めに着きました。そして「育児相談」の会場に行ったのですが・・私の入る余地はありませんでした。

 会場というのは授乳室の中。すでにおっぱいを飲ませていたり、おむつを替えていたり、身体計測をしてもらったりと、満員。その中をかき分けて入っていく勇気もなく、係の方(助産師さん?)も親御さんとお話中で、室内に入るのは無理をあきらめ、しばらく外で待っていました。そのまま入っていけば「不審者」扱いされるのは目に見えていましたら(+_;)

 でもそこも赤ちゃん用品売り場なので、どうも落ち着きません。もう小さい子もいませんし、孫に買い物をするにはまだ若い(?)。中年のオヤジが一人でいるのは収まりが悪いものです。係の方が迎えに来てくださるまでの長かったこと。ここでも「不審者」という目で見られているような気がして仕方なかったです。

 数分して係の方が私を捜してくれましたが、とても混んでいて育児相談をする余裕がないのだとか。向こうも気にされているようで、相談ができるようになったら携帯電話で知らせるから、しばらくショッピングセンター内のどこかへどうぞ、とのこと。ありがたい申し出だという反面、他に用があってきたわけではないので、さてどこで時間をつぶそうか・・

 買い物に付き合わされた男たちがいくところといったら、まずは本屋さんでしょう。私も本を見にいったのですが、それほどほしい本もなく、店内を2、3回まわってみたけれど、飽きてきて、次はレコード店(←言い方が古いですね。今はCDショップかな)。でも携帯電話のことを気にしながらだったので、すぐに出て、電化製品売り場でテレビやパソコンを見て回っていました。とくに欲しい物がないのにブラブラするのはつらいものがあります。一つだけ買ったのがパソコンの部品で、マウス・パッド。愛犬と同じコーギーの写真がプリントされたかわいらしいのがあってゲット。480円也。

 1時間近くがたつというのにまだ呼ばれず、このまま何も仕事をしないで帰るわけにもいかず、育児相談の会場に戻ることにしました。会場内も空いてきて、私のスペースが確保できたところでしたし、相談したいと申し込みのあったところだったので、ちょうどいいタイミングでした。

 呼び出される前に会場に戻ったのはもう一つ理由がありました。それはショッピングセンター内で育児相談をしているというアナウンスが流れていたからです。その中には、私が担当だということも伝えられていたようです(私はずっとiPodで音楽を聴いていたので、アナウンスは聞こえませんでしたが)。

 私は、一応この近辺では名前が知られていますし、面も割れているので、アナウンスを聞いた人が「育児相談をしている塚田先生が、どうしてウロウロしているのか?」などと疑念を持つことも十分に考えられます。それもまた恥ずかしいことですし、別な意味で「不審者」扱いされかねません(仕事をさぼっているという意味で)。

 時間にしては半分ほどしか働きませんでしたが、謝礼は1回分丸々といただいてしまいました。これもまた「不審者」いや「不心得者」と言われてしまいそうですね(v_v)

投稿者 tsukada : 22:41

2006年07月17日

電話相談の良さを実感

 「電話相談」といえば当院でも行っていることを思い出しました。お子さんの急な病気など、ご心配なことがあれば無料で電話での相談に応じています。基本的に医院の診療時間以外のすべての時間帯をカバー。平日は真夜中もOKですし、日曜祝日などの休診日は24時間対応です。

 この2月から始めてもうそろそろ半年が経ちます。この間、とても多くの方から利用していただき、実際にお役に立てているようです。親御さんから直接感謝の気持ちを伝えていただくことも少なくありません。

 自分が「時間外電話相談」と利用するわけではないので、正直にいってその便利さや必要性を実感しているかというと、そうではなかったようにも思います。頭で考えて「きっとこうなんだから、こうだろう」としているところが大きかったでしょう。

 でも、今は親御がたのお気持ちが分かったような気がします。自分が体験するというのが一番いいですね。もっとも私の場合にはかわいい子ども=パソコンのことなんですが、それでも電話がつながり、きちんと教えてもらい、そしてすっきりと解決に結びついたということで、感謝の気持ちでいっぱいになりました。そして「電話相談」の必要性もしっかりと感じました。

 当院が行っている「時間外電話相談」については、私の狭い経験以上のものがあるかもしれまえんね。何しろお子さんの健康上のことなのですから。

  この電話相談の事業・・全国的にはなかなか進まないということで、音頭取りをしてきた厚生労働省はずいぶんといらだっているようですね。そんな話は、また別の機会に触れてみたいと思います。

投稿者 tsukada : 22:38

パソコン交換完了

20060717

 今日は海の日。といっても、ほぼ全国的に梅雨、そして大雨になっているので、とても海を楽しむような気持ちにはならないでしょうね。

 久しぶりの連休になりましたが、私は思いきってパソコンの入れ替えをしました。医院と家で使っているパソコンを交換したのです。

 写真の左が、これまで長らく仕事で愛用していたG4Cubeというパソコン。中央の写っている四角い箱がその本体で、Cubeという名前もその形からつけられています。アップル社がわずか半年だけ売り出したレア物のパソコンで、合理的な美しさに加えてデスクトップ型にしては放熱ファンを持たないという設計上の美しさも持ち合わせています。いかにも、マックらしいパソコンです。2001年5月購入の記録がありますので、5年ほど使い続けてきました。まだまだ現役で使い続けたいのですが、最近よく使っているDPT(新聞作り用)やHP作成などのソフトを動かすのが重くなってきたのは確かでした。

 右に写っているパソコンが、明日から仕事で使うことになるiMacG5です。これもアップル社らしい美しさを持つパソコンです。G4Cubeより一つ世代が新しく、重いソフトも軽快に動いてくれます。昨年2月に購入し、自宅のパソコンとして使っていたのですが、持てる才能を十分に発揮していませんでした。そこで役割交換をすることになったというわけです。

 以前にも交換計画を立てたことがありましたが、パソコンの入れ替えにはけっこう時間と労力がかかるもの。なかなかそれができずにいました。今回はこの連休を利用し、思い切って実行しました。そして案の定、たっぷりと時間がかかってしまいました。パソコンの移行プログラムはマックに用意されていて、それを利用したのですが、説明を良く読まずに実行して違う結果になるなど、“人為的トラブル”も発生してしまいました。「マニュアルを見ない」というマック・ユーザーらしい(?)振る舞いは、こういった大きな仕事をする時には良くないことと、あらためて実感しました。

 トラブル発生時には「どうしよう!?」と頭の中が真っ白。思い切ってアップル社の専用窓口にそのたびに電話し、親切に教えていただきました。こういった時に的確に技術的サポートをしてもらえるのは、とても嬉しいことですね。それがなかったら、両方のパソコンともしばらく使用停止に陥っていました。2回とも休日でなかなか電話がつながらないかも・・と思ったのですが、すぐに話ができました(あまりに早くて、最初は録音の声かと思って、こちらから話をせず、ヘンな間を作ってしまったくらいです)。ありがたきかな、電話相談。

投稿者 tsukada : 15:28

2006年07月14日

暑いですね!

 すっかり暑くなりました。梅雨の終わりで、新潟県内も各地で大雨。この連休も雨がずいぶんと降るようです。河川の氾濫など、大きな災害のおきないことを祈っています。

 小児科外来ではあせも、とびひといった皮膚のトラブルが増えてきました。やっぱり夏が近づいているんですね。診察室の中に一日中いても季節を感じることができます(あんありありがたくない季節感ですが)。

 暑さと訪れとともに、スキンケアの必要性も増えています。汗や汚れでベトベトしているとトラブルをおこしがち。皮膚がスベスベするように、昼間もシャワーを浴びたり、水遊びをしたりするのもいいですね。シャンプーや石けんは必需品。湿疹があると石けんを使わなくなることもあるようですが、それは逆。皮膚が傷んでいるのですから、よけいに清潔にする必要があります。優しくぬぐうようにしながら使ってみてください。

 お昼寝の時など、一時的にエアコンを使うことも必要でしょう。“自然のままに”夏を過ごせればいいのですが、熱帯のような気候では、あまり無理をせず、必要なときには使ってください。“上手に使う”ようにしてみてください。

 私はエアコンに頼りっぱなし。仕事中もそうですが、家に帰っても蒸し暑い中ではゆっくりできないので、やはりエアコンのお世話にあることが多くなりました。これで夏が本格的になったらどうなるのか・・。夏が乗り切れるか、今からもう心配です。

 少し元気がでるように、美味しい物をいただくことにしましょう! (つい飲み過ぎて逆効果になることもありますが)

投稿者 tsukada : 18:25

2006年07月13日

看護大学生実習中

 先週から看護大学の学生さんたち3人が、当院に実習に来ておられました。小児看護学のカリキュラムの中で、子どもたちやその親御さんからいろいろと学びたいということでした。

 学生さんたちはそれぞれに実習の目標や課題を持っています。小児科外来での診療を通して、子どもたちの病気やその看護についていろいろと勉強してもらえたようです。それぞれのテーマにそって、親御さんにアンケート調査や聞き取りを行ってもいました。

 「病児保育室」が併設されているのが当院の特徴でもあります。保育士という職種がいますので、普通の小児看護を学ぶのとは質的に違っていることでしょう。親御さんから直接お話をお聞きして、子育て支援がとても大切なことだと気づいてくれたのではないかと思っています。

 私が医学生だったのは、もう30年ほども前になります。時代は変わってきましたが、医学や医療を学ぼうという態度は同じだと思います。大学の講堂で学ぶことも大切ですが、医療の現場に出かけていって、直接見聞きする中で“体で”学ぶこともまた大切だとも思っていました。そのため、あちこちの病院や保健所に出かけていったものです。

 若気の至りということなのでしょう、突然におじゃまして、そのまま1週間泊まり込んだこともありました。ずいぶんと諸先輩方に失礼なことをしていたものです。でも、そんな若者を温かく迎えてくれたからこそ、今の私があるんだな・・なんて思うと、一応先輩として、これからも若い医療従事者の卵たちにも精一杯のエールを送りたいと思っています。

 3人の看護大学生さんたちにちゃんと成果のある実習をさせてあげられたか、少々心配ではありますが、ここでの経験が看護師としての仕事に少しでも役に立ってくれることを期待しています。

投稿者 tsukada : 17:41

2006年07月12日

危険な頭突き

 サッカーWカップ決勝戦でのジダン選手の頭突き事件・・確か明日未明(日本時間)にジダン本人がテレビに出演し、話をするということです。ことに真相が見えてくるかもしれません。

 今日問題にしたいのは、頭突きによる障害です。ジダンは相手選手の胸板に強烈な一発をかませました。受けた方が後ろにはね飛ばされ、背中から地面に落ちていった様子からは、そうとうな威力だったと思います。

 これほどの外力が胸に加わると「心臓震とう」を起こしてしまう可能性がありました。「脳震とう」の心臓版です。脳震とうは強いエネルギーが一挙に脳に加わることによるダメージですが、脳挫傷や脳内出血を起こすほどではなく、通常は安静にしていることで元の意識に戻ることが期待できます。一過性のものですし、脳組織の損傷は伴いません。

 しかし「心臓震とう」は違います。心臓の拍動が止まることがあるのです。心臓は電気的な刺激によって一定の規則正しいリズムで拍動を続けています。そこに高エネルギーの外力が加わると、電気の回路が機能しなくなり、心臓内の筋肉が勝手バラバラに動き出すこともあります。心臓の筋肉は動いていても、心臓全体が一体となった動きはしていないので、全身に血液を送り出すポンプの機能は果たさなくなります。つまり「心停止」の状態です。

 数年前、公園でキャッチボールしていた野球の球が、そこで遊んでいた子どもの胸に当たり、心臓震とうを起こして死亡するという事故がありました。死亡との因果関係も認められ、この場所では禁止されていたキャッチボールをしていた過失もあるということから、法的な責任もあるとされ、損害賠償が命じられています。こういった打撲などによる心臓震とうの事例は、けっして少なくないということも分かっています。

 心臓震とうを起こした時の最も適切な対処は「電気刺激」です。心停止している患者の胸に、心臓を挟むように2つの電極をあて(右上と左下)、医療用の直流電流を流します。それによってバラバラに動いている心筋細胞を、同じリズムで動くようにしようというものです。よく医療現場を題材にしたテレビドラマなどで目にする場面ですね。「電気ショック」「DC(直流電流)ショック」などとも呼ばれています。

 以前はER(緊急救命室)などでなければできなかった処置ですが、最近は“手軽に”にできるようになってきました。何しろこういった心臓のトラブルは生活や活動の現場でおきるわけですし、この状態で数分間たつと脳死や死亡も起きてきます。できれば「現場で」「直ちに」治療する必要があります。救急車を待っていても遅いです。まして医師のところに連れて行く時間はありませんし、医師を連れてきても手遅れということになるでしょう。

 そこで必要になったのは、医療従事者でもなく、全くの普通の方ができる電気ショックの器械です。患者さんの胸に電極をつけるだけで、あとは器械が全て行ってくれます。まず心電図をとり、電気ショックが必要かどうかを判断します。その結果をほぼ瞬時にアナウンスし、それに従ってボタンを一つ押すと電気ショックが実行されます。その後の心臓の動きを再度解析し、治っているのか、そうではないかを判断し、必要であれば再度電気ショックを行う手順を進めます。

 こういった器械を「自動体外式除細動器」(AED)と呼びます(「細動」とは心筋がバラバラに動いている状態をいい、「除細動」とはそれを取り除くための電気ショックのことを言います)。ここ数年、比較的価格も安くなってきて、各地に配置されるようになりました。一般の方にも扱ってもらえるように、講習会なども良く開かれているようです。

 4年前に皇族の高円宮憲仁さまが、スポーツの試合中に突然死されるという事故がありました。このとき、もしこの器械がすぐそばにあり、倒れてから数分以内に使用されていたら、おそらく命を落とすことはなかったと言われています。その時以来、AEDの普及が必要だとされてきました。(高円宮憲仁さまとは、亡くなる数か月前に上越市に来られたとき、あるホテルのバーでご一緒させていただいたご縁があり、この事件のことをとても印象深く覚えています。)

 欧米では人の多く集まるところにはAEDを設置する義務があるところが多いようです。飛行機、駅、ビル、催し物会場など。日本でも少しずつ配置されてきていますが、もっともっと多くの台数が必要です。昨年の愛知万博では数多くのAEDを配置してあったそうで、医師が常駐していたことも関係があるのでしょうが、何名もの命を救うことができ、この器械の有効性と必要性を証明したということでした。

 当院もこのAEDを設置してあります。おそらく使うことはないだろうとは思うのですが、しかし医療機関が率先して配置することも大切だと思います。緊急時には職員の誰でも使用できるよう、1か月に1回は担当スタッフから全職員に繰り返し講習をすることになっています。(現在は大人用の電極しか発売されていませんが、今週には子ども用のものも使用できるようになるそうです。)

 院内にあるだけでは「宝の持ち腐れ」ですね。診療時間外であれば貸し出しもできますので、休日のスポーツ大会などの際に必要であれば無料でお貸しいたします。どうぞご連絡下さい。

 ジダンの頭突き事件から、緊急時の対応の話になってきました。あの場面で、この器械の登場にならなかったのは、もしかしたらラッキーだったのかもしれません。

 頭突きは頭にやると脳震とうの危険がありますし、胸にやっても心臓震とうの危険があります(自分も脳震とうを起こすかも)。とても危険ですので、よい子の皆さんはジダン選手のマネをしないようにして下さいね!!

投稿者 tsukada : 22:29

2006年07月11日

何が彼を怒らせたのか?

 サッカーWカップ決勝戦での“頭突き事件”は、意外な展開になるかもしれません。現象としてはフランスのジダンが試合中に相手選手に対して暴力行為を働いたというシンプルで分かりやすいもの。それも、全世界が注視しているなかでの出来事ですから、覆い隠すこともできません。

 昨日の院長ブログでもとりあげましたが、その中ではフランス国民ががっかりしていることだろうと書きました。ここは少々違っていたようですね。今日のニュースで流れているフランス人のインタビューでは、「ジダンだから仕方ない」「これくらいでは決勝戦に導いてくれたジダンの評価は変わらない」といった声が多いようでした。むしろ「ジダンらしい」という話もありました。実際にパリに戻ってからのジダンへの歓迎ぶりは、それを証明しているようです。

 もう一つ分かってきたことは、相手選手の言動です。どうもジダンに対して、屈辱的なことを言っているようです。ジダンはイタリアにいたことがあり、イタリア語が分かるのだそうですね。そして、自身の両親がアルジェリアからの移民であり、イスラム教徒であることから、どうもこういった宗教的、または民族的蔑視の言葉が相手から出てきたようだと指摘されています。

 確認されたものではありませんが、一部の報道ではジダンに向かって「テロリスト売春婦の息子」と言ったとか。本人たちはまだことの真相を明らかにしていませんが、相手選手はジダンを侮辱する発言をしたこと自体は認めているようです(テロリスト云々の話は否定していますが)。

 今回の発言が、単に個人的中傷であれば(それも問題ではありますが)、当人同士の「大人の解決」ですむでしょう。しかし、発言の内容が彼の宗教観をけなすものであったり、人種発言であったりした場合には、とても大きな問題になってしまう可能性があります。個人間のトラブルではすまず、宗教、民族、人種、国家・・いろいろなところに火種が飛んでいきそうです。

 本当は何があったのか、それを明らかにすることも必要ですが、ことの性質からはその発言をそのまま流すことは、二次的な誹謗中傷にもなりかねません。ことは慎重に行う必要があるでしょう。でも、隠しだてるものではありません。むしろきとんと総括し、人種差別などのトラブルがこれまでも多く起きていたといわれている世界サッカー界を浄化する必要はあります。なにしろ次のサッカーWカップ2010年は、南アフリカで行われるのですから。これを契機に、民族や人種の間のわだかまりが一掃されている方向に進んでいくことを期待しています。

投稿者 tsukada : 21:37

2006年07月10日

頭突き

 サッカーWカップは、イタリアの優勝が決まって、その幕を下ろしました。決勝戦は途中からでしたが、やはり見てしまいました。歳をとったせいか、朝早く目が覚めるようになってしまっています。

 そしてあの“歴史的瞬間”を目撃しました。延長戦も両者に点が入らず、PK戦で決定!・・という瞬間ではなく、ジダンのあの頭突きです。さすがサッカー選手! ヘッディングで鍛えてあるだけあって、胸に頭突きを受けた選手はうずくまり、動けなくなっていました。

 その瞬間はテレビに映っていませんでしたが、倒れた選手の映像が写り、そのあとのプレーバックでジダンが頭突きをする様が放映されました。すごいな!と半ば感心していると、主審が高々とレッドカードを掲げ、ジダンは退場。ピッチから去っていく様子をカメラはずっと負っていきましたが、優勝トロフィーの横をやや前屈みになり、通り抜けていく後ろ姿も、しっかりと写されていました。

 頼んでもなかなかとらないようなショット。彼を写し続けたカメラマンも、こんなすごい“絵”が撮れることに興奮したことでしょう。中継車の中で映像を編集していたテレビ局の人たちも、きっと鳥肌だっていたことでしょう。それだけすごい映像を、リアルタイムで見てしまったのです。

 ジダンの頭突きにういてはブーイングがすごかったですね。フランスにとっては、彼が引っ張ってきて決勝戦まできたわけですから、ここで自滅することは、許されないことでしょう。実際に、フランスは負けてしまったわけですから。あるいは主催国のドイツなどは、スポーツマンとして恥ずべきことであり、自分たちの“神聖なピッチ”を汚したと感じたかもしれません。

 確かに、お世辞にもほめられる行動ではありませんね。相手の選手に何かを言われ、腹を立てたようですが、こんな大舞台で、とても重要な時間に、そしてこの試合を最後に引退を決めているジダン自身にとっても、軽はずみな行動でした。彼は切れやすいのだそうですが、何でこの場面で!? これでは小学生以下です。

 もっとも、サッカーが紳士のスポーツと言われてはいますが、実際はどうなんでしょう。審判が見ていないところでは、相手選手のユニフォームを引っ張ったりしていますし、反則をとられなければ何でもありって感じです。ファンの一部ではありますが、フーリガンと呼ばれる暴力集団もいます。そこまでいかなくても、ファンの起こす騒ぎも犯罪まがいのものもあります。

 だからかもしれませんが、ジダンが頭突きをしたのを見て、あまり違和感は感じませんでした。サッカーが格闘技であることを証明したようにも思いました。まあ、高みの見物ということだったんでしょうね。もっとも、頭突き騒ぎを面白がっている私自身が、けっして紳士ではないことが証明されたことになりますが・・。

 ところで、ジダンを怒らせた相手選手の一言って何だったんでしょう。ぜひ聞いてみたいものです。フランスの監督は、「今大会の最優秀選手はジダンを退場させた選手だ」と言っていましたし、ことの真相は何だったんでしょう。つまらないところに興味がつのります。

投稿者 tsukada : 21:29

2006年07月09日

たまには白衣を着ます

 今日は何か月に一度白衣を着る日。一応医者なんですが、普段の診療では白衣は着ていません。白っぽいTシャツ(冬はトレーナー)と白いジーンズ、それに白いスニーカーが私のユニフォーム代わりのスタイル。もうそんな生活をずっとしています。

 休日急患診療所に来るときだけ、白衣を着るようにしています。他の先生のいますし、患者さんも私のことを知らないで来る人が多いわけですので、やはり失礼があってはいけません。職員の中には、白衣を着ない限り私のことが分からない人もいるかもしれませんしね。

 こんな「白衣もどき」を着ているのは、小児科だから許されるのでしょうね。他の科の先生では、ちょっと。重症な病気でうなっているところに、Tシャツ医者が(それも、大きなミッキーの顔が描かれているのを着た医者が)現れたら、あまり良い気持ちはしないでしょう。

 相手が子どもたちだから、こんな服のほうがいいかな?なんて考えているのですが、子どもたちからは「そんな子どもだましは通じないよ」なんて言われそうです。正直に言えば、私が白衣を着たくないからですし、その口実に子どもたちを使っているだけなのです(^_-)

 どうもこういった「お仕着せのもの」がダメなんですね。医院の職員にはユニフォームがありますが、そのトップが自由な格好をしているのでは、示しがつかない・・なんて、思ったりもしますが、そこは「小児科医」という看板で押し切っています。

 以前勤務していた病院でも、最初はちゃんと白衣を着ていましたが、途中からだんだんとルーズになっていきました。県立病院に勤める地方公務員という立場からは、あまり好ましくないことだったのでしょうね(服装についても服務規程もありました)。形だけ、毎年2着ずつ支給される白衣は、そのままありがたくちょうだいしていましたが。

 内科の患者さんの中には、白衣を着た医者が血圧を計ると異常に高くなる方もおられるとか。「白衣高血圧」と言われています。小児科でも、白衣を見ただけで泣き出す子どもたちも少なくありません。「白衣恐怖症」なんですね。

 でもこの子たちは白衣を着ていなくても、医者を嫌がります。診察室に入るだけでも泣きますし、聴診器を見ては拒否反応をしめします。さしずめ「医者恐怖症」というべき“症状”は、名医(迷医?)といえども、治すのが難しいです。

 イヤなものはイヤ! そんなふうに、はっきり自分の意志を示せることは大切ですから、悲しい気持ちになってもぐっとガマンするようにしています。きっと時が解決してくれるでしょう。

PS 休日診療所に来られた患者さん(その親御さん)は、私の白衣姿を初めて見る人が大半だったでしょう。診察に入ってきても、私の顔を見るまでは私のことが分からない人もいたみたいです。その中には、クスって笑った人もいたように思ったのですが、それは私の被害妄想?

投稿者 tsukada : 21:53

2006年07月08日

『日本沈没』で出会えるあるもの

 今日テレビを見ていたら『日本沈没』という映画が来週(15日)封切られるんですね。私が若かった頃・・30年くらい前だったでしょうか、原作の小説が大ヒットしましたし(もちろん読みました)、確か映画もあったと思います。そのリメイク版なんですね。

 主役がSMAPの草彅くんと、柴咲コウ。今日は彼らのインタビューや、メーキング映像を流していてけれど、とても魅力的に映っていました。私はもうオヤジですが、娘の影響でけっこう若い子のポップを聞いています。お気に入りのiPodにはしっかり柴咲コウの曲も入っていて、通勤の自動車の中で毎日聞いています。なかなかでしょう(*^_^*)

 原作や前作と一番違うのは「危機管理室」が政府内にできたということのようです。役所の縦割り行政では、重大な災害などに対応できないので、首相(石坂浩二)直属に特別に作られています。現実にも同じものがあるようですが、実際にちゃんと機能するかが問題ですよね。とかく日本は形だけ作るとそれで満足してしまいがちですから(その形すらなかなか変えようとはしませんが)。「仏作って魂入れず」・・中身のないことがいっぱいです。

 この危機管理室の映像を見ていて、実はとてもビックリして、そして嬉しくなっちゃったのです。モニター代わりに机の上にずらりと並んでいるパソコンが、みんなiMacなのです! 私の大好きなアップル社のマッキントッシュに、こんなところで出会えたなんて、驚きです。マックの方が絶対に使い易いし、機能は上だし、そして何よりも美しい(値段は聞かないで下さい)。映画を見に行くかどうか、分かりませんが、もし見に行っても、マックのパソコンばかりに気がいってしまって、映画の筋書きも柴咲さんも、もう上の空になりそうです。

 (みなさん、もう察しがついていると思いますが、iMacの話をしたいために、『日本沈没』の話題を取り上げました。その中身や、災害の対策、地震のことについては、また別の機会にとりあげることにします。ちなみに、私の高校時代の同級生が、活断層の研究でそうとう有名です。渡辺満久くん・・東洋大教授です。ご興味のある方は彼の名前で検索してみて下さい。Googleですぐ出てきます)

 明日は休日診療所の当番日。医師会員みんなで順に受け持っています。日曜日ですが、仕方ないですね。頑張ります!

投稿者 tsukada : 21:46

2006年07月07日

何をお願いしましたか?

 七夕の夜なのに、全国的に雨か曇りのお天気。彦星と織り姫は出会えずに、また一年を過ごすことになるのですね。かわいそう・・。せっかくのお願い事も、今年はあまりかなえられないかもしれませんね(-_-)

 九州などでは大雨による被害がそうとうでているようです。明日には大型の台風が沖縄に直撃とのこと。これ以上の災害にならないことを、ただただ祈っています。どうぞお気をつけて下さい。

 新潟は曇り空が続き、時々雨が降る程度。被害がでるほどの降り方ではないようです。でも、過去にはこの時期に大きな水害が起きています。当地でも10年ほど前に「7・13水害」があり、上越市内はそうとう水浸しになりましたし、隣の新井市(現在は妙高市)では丸一日以上停電するなど、大きな被害がありました。

 当院は「災害にも強い診療所」を目指して、自家発電装置を設置し、飲料水などを備蓄しています。断水時でも使用できるように水洗トイレに特別な仕組みをつけています(地下水を非常電源で汲み上げて、それを流す装置)。こういった危機管理対策も、間近に経験した自然災害から発案したものです。

 自然の現象は避けられませんし、災害もある程度は仕方のないことかもしれません。でも、災害の規模をできるだけ小さくしたり、人々への影響をできるだけ小さくすることは必要ですし、できるはずだと思っています。「来るなら来い!」って気構えです(本当は恐がりなのですが)。

 もちろん災害はないほうがいいに決まっています。危機管理の方策も、それが使われずにいることが一番良いこと。早く梅雨が終わり、カラッとしたお天気になり、そしてみんなの気持ちも晴れ渡ることを願っています。

PS 「院長ブログ」を初めて1年数か月たちますが、この記事がトータル400本目になりました。ずいぶんと書きまくったものです(あまり大したことを書いてはいませんが)。これからもまだキーボードをたたき続けます。どうぞ、ごひいきに(*^_^*)

投稿者 tsukada : 23:19

七夕

20060707-1

20060707-2

 今日は七夕。医院の玄関には、子どもたちの書いた(代筆もあり)短冊がたくさんかかっています。

 みんなの願い事がかなうといいですね。

投稿者 tsukada : 13:39

2006年07月06日

拉致問題の行方

 「北朝鮮」をめぐって、慌ただしい動きが続いています。ミサイル発射の他にも、日本人拉致の問題も大きく立ちはだかっています。拉致された横田めぐみさんは新潟の方なので、よけいに気になります。

 新潟県は日本海側にあり、海岸線がとても長く続いています。沖には佐渡島もあり、北朝鮮のスパイ活動や拉致犯罪に狙われやすい地形です。新潟港には北朝鮮と行き来する大型船がほとんど“自由に”出入りしてきました(この船で物資・金銭・スパイ要員などを“密輸”していたことは想像に難くありません)。

 横田めぐみさんについて北朝鮮側はすでに死亡したとさかんに伝えてきています。しかし、死亡したとする“証拠”は薄弱で、出ってあげられたものが大半のようです。おりしも今週の『週刊朝日』は、むしろ横田さんが今でも生存しているとする重要な証拠があると伝えています。北朝鮮と国交のあるイギリスなどが、北朝鮮内で情報活動を行っていて、彼女の写真を撮っているし、彼女の動静も正確につかんでいるというのです。それがアメリカ経由で日本政府にも伝えられています。

 そんなこともあって、日本政府は拉致された人たちは全員生存しているという前提で対応しているとのこと。さて、彼女たちを日本に取り戻すために何をどうすればいいか、良く分かりませんが、毅然として姿勢で、国家による人権侵害の犯罪を絶対に許さないという意志を強く持ち続け、主張し続けることが大切であることは言うまでもありません。

 北朝鮮がミサイルを飛ばしたことで日本が強硬な反応をしています。もちろんそれは必要ですが、それ以上に、多くの日本人が拉致されていった事実に対して、もっと重大な決意で臨むことができないでしょうか。

 いろんな報道の中には、ミサイル問題のためにかえって拉致問題の解決が遅くなるのではないかというものもありました。そうだとしたら残念なことです。一日も早い全面的な解決=日本の家族の元への帰国が実現することを望んでいます。

投稿者 tsukada : 23:28

2006年07月05日

ミサイル

 長い一日になりました。サッカーWカップの準決勝戦を見ようと朝早く起きたのがその始まり。といって最初から見るのは“無謀”。後半の途中から見たのですが、均衡した良い試合ぶりに興奮し、延長戦の最後2分での決勝打をしっかりこの目で見ることができました。

テレビを通してですが、地球の向こう側での試合をリアルタイムに見ているのだと思うと、なかなかすごいことですよね。あのシュートを世界で一番早く見たのですから(ただ「一番」が会場に数万人、世界中のテレビの前に何百万人、いや何千万人いるというのも事実ですが)。

 その中継を移しているテレビの外枠に、北朝鮮のミサイル発射の速報が同時に流れていました。すでに何発か発射されていて、別のチャンネルではニュースを特別編成で伝え始めていました。そしてこのニュースは一日中続いていました。

 北朝鮮がミサイルを発射するだろうという報道は以前からあり、それ自体にはビックリする要素はさほどありませんでした。直接日本を狙ったわけでもないようですし。その意図はよく分かりませんが、日本やアメリカを挑発していることは明らかです。花火でも上げているかのように、夕方までに7発を発射したのも、それだけせっぱ詰まった状況なのでしょう。

 特にアメリカが行った経済封鎖が、北朝鮮の中枢部の体制にボディーブローのような効果を確実に与えているようです。正面からアメリカや世界に向かうのではなく、ミサイルを相手国に向けて発射してみて、その様子を探るなど、いかにも「ならず者国家」らしいやり方です。

 北朝鮮のミサイル攻撃があったとしても、その被害は限定的です。いたずらに怖がることなく、冷静に対処して、世界中が北朝鮮をきちんと避難し、誰もどの国も北朝鮮の主義主張にくみしないということをはっきりさせていく必要があります。それが問題解決の唯一の道です。

 それにしても困った国家、困った指導者がいるものです。残念ながら、それが今の世界なんですね。サッカーを見てのんびりとしてばかりはいられません。

投稿者 tsukada : 23:41

2006年07月04日

エレキギター事件

 昨日のニュースです。「日本のエレキギター演奏の第一人者・寺内タケシさん(67)が「エレキが不良を作る」という風評に反発して始めた学校巡りのコンサートが3日、神奈川県厚木市の市立林中学校で開かれ、記念の1300回を達成した。」

 寺内タケシを知らない人も、とくに若い方の中には多いでしょうね。昔「エレキの神様」なんて呼ばれていた人。エレキギターの演奏では日本一と言われていました。ちょうど私が小さい頃で、けっこうあこがれていました。

 私の家にもエレキギターがあり、小学校の頃に少し遊びで弾いていました。ちゃんと習ったことはなかったけれど、コードを押さえて弾き鳴らすくらいにはできるようになりました。一人で弾き語りをして遊んでいることが多かったのですが、ある時エレキギターを巡って“事件”に巻き込まれました・・

 中学で清水交歓(以前にこの院長ブログに書きましたが、当時の高田市と清水市との間で中学生の代表がお互いを訪問する事業が行われていました)が行われた時のこと。雪が降る2月に当地に迎え入れる歓迎会を中学校で行いましたが、その歓迎レセプションでその“事件”はおきました。

 音楽の先生に誘われて3人でバンドを組みました。その先生はエレクトーン(今ではキーボードと言うんでしょうね)、同級生がリードギター、私がベースのエレキギター(ベースはこの時が最初で最後の演奏。先輩の楽器を借りてもらって、にわか仕込みで弾けるようにしました)。そして、全生徒+交歓生+教職員の前で演奏をしました。

 当時は大学紛争が始まっていたころで、地方とは言え、中学校でも生徒指導については「もっと自由に」「いや、厳しく」といった議論があったようです。私たちのバンド活動(そんなにたいしたものではありませんが)も、職員会議の議題になっていたのだと聞かされました。「校内でエレキとはなにごとだ!」とお怒りの先生がおられたのだとか。議論の中身はよく知りませんが、結論は問題になしということになり、演奏できるようになりました。

 エレキは「不良の象徴」のようにとらえられていたのでしょうね。先の寺内タケシさんの記事にもありますが、お堅い学校現場ではエレキギターに対する反発は想像以上のものがあったのだと思います。今ではそんなことを言う人はあまりいなくなっているでしょうから、隔世の感がありますね。(もっとも、今では“チョイワルおやじ”をしていますから、この先生は先見の明があったのかもしれません)

 もっともバンドを組んだと言っても、全員合唱のバックを務めただけなのですから、それほどたいして目立っていたわけではありません。その歌も『学生時代』という定番のおとなしい曲だったのですから、先生方が心配するようなことは何もありません。ずいぶんとヤワなバンドでした。

 ところでこの時の全員合唱は、雪がたっぷり降り積もったグラウンドで行われました。楽器も屋外で、しかも雪上ですから、よくやったものです。そちらの方は、さすが雪国の子どもたち! ヤワではありませんでした。

PS HPのトップにおかれているカウンターが、今日36万ヒットを超えました。いつもいつも多くの方にお越しいただいていることを感謝しています。この院長ブログを楽しみにしていただいている方も多いようで、嬉しいです。院長ブログを見られたら、一緒にHP全体もどうぞ見ていって下さい。

投稿者 tsukada : 23:45

2006年07月03日

自分探しの旅

 今夜のニュースで、サッカーの中田英寿選手が現役を引退すると伝えていました。29歳という年齢は、もしかすると体力的にはピークを過ぎているのかもしれませんが、技術力、判断力、統率力などはこれからまだまだ向上するのでは、とも思います。

 先のWカップで、1次リーグ敗退が決まったその瞬間に、彼の選手としての炎も燃え尽きてしまったんですね。これからも選手生活を続けると思っていたのに、惜しい気持ちです。もっともっと彼の活躍ぶりを見たかったです。

 彼の「引退の弁」は、思いを素直に伝えているようです。とっつきにくい印象のある中田選手とは思えない、好感のもてる内容です。一つ気になったのが、自分のこれまでのサッカー人生を「旅」にたとえていることです。そんな表現が流行なのでしょうか。旅と言っても、しっかりと目的地があり、その道筋が決まっているような「既成の旅」ではないのでしょうね、彼のイメージは。彼はさらに「新たな自分探しの旅に出たい。」とも言っているのですから。

 自分が何であるか、どんな存在なのか、どれほど生きている価値があるか・・それを探し求めるという意味で「旅」という言葉を使っているのでしょう。でもね、自分のありようがどこか知らないところに転がっているなんてことは、ないでしょう。今ある自分を素直に認めて、それをもっと充実させ、目標に向かっていけばいい。いつまでも「自分探しの旅」を続ける必要はありません。もう確固たる自分は、今ここにいるのですから。

 そんなことを良いながら、自分で何だろう、何をしたいんだろう、なんてことを、いつもではないけれど時々考えている私です。「不惑」なんて年齢はもう一昔前に過ぎていますが、未だ迷い続け、行き先を見定めることができないでいます。人に“説教”する前に、自分が「自分探しの旅」を早く終わりにしなくていけないのでしょう。

 もっとも私の場合は、どこかに出かけるような旅はしていませんし、開業医をしていると引退するまでは無理ですね。もしかしたら、それからやっと「自分探しの旅」が始まるのかな? それじゃあ、すっかりよぼよぼおじいちゃんですよ。中田選手みたいに、まだ余力があって、もう一度新しいことにチャレンジできるくらいのときにリタイアするのは、かなわぬ夢なんですね。

投稿者 tsukada : 23:51

2006年07月02日

オシム監督就任

 サッカーWカップは、日本が早々と敗退したのでどうも盛り上がりがかけているように思っていました。でもそれは日本国内の話のようですね。ベスト8の戦いをこの週末見ていましたが(ニュースやダイジェスト版ですが)、どれもすさまじい試合。日本がいなくなってくれたおかげで(?)、サッカーそのものを楽しんで観戦することができました。

 強豪のブラジルが敗れ、ベッカムのいるイギリスもいなくなりました。残ったベスト4はみなヨーロッパ勢。これからの準決勝、そして決勝はすごい試合になりそうです。見逃せませんね。

 日本代表の新しい監督が決まったようです。オシム氏のこれまでの様子や言葉からは、とてもしっかりしたポリシーがあるように見受けられます。自分よがりのものではなく、冷静に分析し、自分の人生に中から学び取ってきた哲学が、そこに貫かれています。そしてそれがユーモアあふれ、ウイットがきき、聞く者をはっとさせます。雄弁なだけで中身のない、あるいは他人を煽動だけの弁舌とは全然違います。基本には、オシム氏の生き方の全てがそこにあるのだと思います。

 私はどちらかというと、物事を斜めから見たり、人のアラをさがしたりするイヤらしい性格です。でも、このオシム氏のことは、何だか好きになりそう。彼の持ち味が十二分に活かされるようなチーム作りができてくるといいですね。たとえそれが勝利に結びつかなくて、監督の行動や言葉は、個々の選手にとっても、チームにとっても、そしてそれを見ている私たち日本人の物の考え方にとっても、きっと良い影響を残してくれるように思います。

 まだ監督就任が決まったばかりですが、なんだか日本のサッカーにとっても、とても良い転換期を迎えたような気持ちになっています。もちろん良い方向に進んでいくことでしょう。

投稿者 tsukada : 22:08

2006年07月01日

「明かりのともらない街灯」後日談

 今日から7月です。たった1日進んだだけなのに、7月と聞くともう暑くて過ごしにくいと感じてしまいます。今日は大雨。梅雨の終わりにはけっこう水害が多いようです。どうぞご注意をお願いします。

 6月19日「院長ブログ」に「明かりのともらない街灯」を書きました。近くの公園に街灯ができたけれど、いっこうに電気がつかないが、どうしてなのだろう・・という趣旨です。直接市役所に聞いても良かったのですが、ここはあえてマスコミにお願いしました(一人の市民という立場で聞いても、まともに相手にされないだろうという、思いこみがあります。真偽のほどは分かりませんが、経験的にはそう感じています)。

 地元の新聞『上越タイムス』の記者の方に連絡。その方が取材をしてくださり、それが先日の紙面に掲載されました(6月29日付け)。それによれば、設置の工事は終わっているが、電気工事はこれからとのこと。半分については今年度中にできるが、もう半分(私の家の前!)は来年度になるとのこと。なんとものんびりした話です。

 そもそもすでに終わっているのは地面にポールを立てる工事だけとのこと。電気工事はもちろん、配管を地中に埋める工事すらまだ行っていないということです。それで納得しました。先日ご覧いただいた写真ではポール脇の地面から配管の一部がにょっきりと突き出ていますが、ポールとの間はもうつながっているんですね。もしかしてポールの工事をやり直さなくてはいけないのかも、と書きましたが、それは杞憂でした。

 配管を地中に埋める工事は、歩道の工事を一緒に行う予定なので、それで工事の日程が未定なのだとか。これも新しい情報です。なるほど、歩道全体もやり直すんですね。配管工事のためだけで、土を掘ったり、歩道のアスファルトを切って掘り返し、また埋め戻すなどというのは、もったいない話です。そのあとにまた歩道全体の工事があるのであれば二重手間ですし、税金の無駄使い。なるほど、そんな事情があったのか、と少し納得。

 でも、やっぱり納得できないことがあります。当初の工期日程でいけば、中に明かりが入らず、役にたたない街灯が2回冬を越すことになります。街灯の寿命が何年かはしりませんが、仮に10年だとしたら使い始める前にその5分の1が過ぎてしまっていることになります。未来永遠に使える物ではないわけですから、どうしてそんな“もったいない”ことをするのでしょうか。

 歩道の大規模な工事が予定されているのなら、その時に一緒にポールを設置すれば、費用も安上がりになるのでは。何より、新しい街灯を使い始められます。1年も2年も先に、ポールだけ先行して設置しなくてはいけない理由が、どうしても見あたりません。ここに一般市民には分からない“お役所の論理”があるのでしょうね。もちろん、それを知りたいとも、理解したいとも思いませんが。

 先の「院長ブログ」にも書きましたが、ここは公園内に作られた散歩コースであるにもかかわらず、夜間は真っ暗になってしまいます。学校の生徒さんたちの通学にも使われますし、多くの市民が通勤や散歩に使ってもいます(個人的には、私の犬の散歩する道です)。昨今の犯罪多発を考えると、この歩道を夜も明るくすることは、防犯上もとても大切です。市としてもそのために街灯を設置することにしたのではないですか? であれば、その工事を長い期間ほったらかしにしておいて良いのか、良くないのか・・自明のことです。

 公園の管理にあたる部署の人たちが、自分たちだけの狭い範囲で物事を考え、進めているかけでは市民の立場にたった施策はできないでしょう。それぞれがもっと大所高所にたった物の見方、とらえ方、考え方をしていないから、今回のようなちぐはぐなことに平気でいられるのですね。お役所の論理がよ〜く分かりました(分かりたくなかったのだけれど)。

 取材をし、記事にまとめていただいた記者の方、ありがとうございました。やっぱり私が直接聞かなくて良かったです。私が聞いていたら、こんな木で鼻をくくったような言い方しかできないお役人に、むかっ腹をたててしまったでしょうから。血圧が上がらなくて良かったです。

 まあ、来年には明かりがともりそうだということで、気長に待つことにしましょう。それまでの間、犯罪が起きないことを願いつつ・・。

投稿者 tsukada : 21:49