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2006年07月24日

大雨と大雪

 九州などでは今日もまた大雨になっているようです。すでに大きな災害もでています。もういいかげんにしてほしい、というのが正直なお気持ちでしょう。

 降った雨の量がものすごいですね。ところによってはここ1週間ほどで1,200ミリメートルを超えているとか。半端な量ではありません。「記録的な大雨」というとおりです。

 庭に高さ30センチほどのバケツを置いておいて、それが1週間に4回もいっぱいになるほどの量。「バケツをひっくり返したような雨」とは、瞬間的な降り方の多さを表していますが、何日間もコンスタントに、たっぷりと降り続ける大雨のことを何と呼んだらいいのでしょう。「バケツでも足りないくらいの降り方」とか「バケツが何倍も必要な長雨」とか・・

 ここ新潟は豪雪地です。山間では数メートル降り積もることがあります。大雪の被害も毎年出ていますし、昨年末からの被害はことのほかひどかったです。屋根に積もった雪の重さに耐えられず家がつぶれたり、大雪で道路が寸断されたり、雪崩が起きたり。冬になると、雪国からの悲鳴が聞こえることでしょう。

 でも、もしかしたらまだ雪の方がマシなのかもしてないと思いました。雪はとりあえずは降った場所にとどまっています。その重みが問題になるわけですが、雪崩は別として、町の中で「雪に流される」ということはありません。

 一方の雨は、その場にとどまることはせず、下の方に流れていきます。上流に降った雨水も集中してくるので、その量は下流にいくほど増えていきます。河川が増えた水を流しきれなければ、それは途中の土地にたまったり、氾濫して水害になっていきます。

 雨量が多くても数字だけを言われるだけではあまり実感できないのは、そこにとどまっていないから。もしこれが寒い土地で雪として降ったらどうでしょう。雪の重さは水の20〜30%ほど。1メートルの高さの雪は、水にすると20〜30センチほどになります。逆に1メートルの高さに相当する水が降ったとき、それが雪であれば5倍近くの高さになります。水1メートルの水は、5メートル近くの高さに降り積もった雪と同じだということです。

 ここ1週間で1,200ミリを超える雨が降ったということは、雪にかえて考えると5メートル以上に降り積もっていることになります。いかに多量の「記録的な」大雨が降っているか、よく分っていただけることでしょう。

 雪であれば、どんなに降っても、とりあえずの時間的な余裕がありそうです。屋根に雪が積もっても、雪下ろしができれば、何とか持ちこたえられます(お年寄りだけの世帯などではそうもいきませんが)。道が寸断されても、じっと待っていればいずれ助けに来てくれそうです。そして春が来れば雪はゆっくり溶けてくれます(雪崩の原因にはなりますが)。

 しかし、大雨には時間的な余裕はありません。その被害はあっという間の出来事で、避難すら難しい。洪水になってしまえば、待ち続けるという判断は死を意味することもありえます。

 そんなふうに考えると、今おきている豪雨による災害は、すさまじいものがあると、あらためて思い知らされます。背筋が寒くなるほどです。

 被災地は明日もまだ雨だとか。これ以上の被害の出ないことを、心よりお祈りしております。

投稿者 tsukada : 2006年07月24日 22:38