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2006年09月25日
子どもを事故から守ろう!
埼玉県で保育園児のお散歩の列に車が突っ込み、2人の園児が死亡、他の多数の子どもたちや保育士がケガをするという事故がおきました。今日は新しい自民党三役の人事が決まりましたが、それよりもっと衝撃的で、印象に残るニュースになってしまいました。
秋晴れの良いお天気の中、午前のお散歩に近くの公園まで出かけていく途中だったそうです。幅が6メートルの道路で、歩道やガードレールはないということですが、狭い日本の道路事情を考えると、普通によくある道です。その左側を2列で歩いていて、後ろから来た車が突っ込んだという事故です。報道では、助手席においてあったカセットテープを裏返そうとして脇見運転をしていて、園児たちに気づくのが遅れたということでした。
子どもたちにとっては、楽しいはずのお散歩が、突然の事故にあってしまいました。何も悪いことをしていないのに、どうして死んだりケガをしたりしなくてはいけなかったのでしょう。親御さんの悲痛なお気持ちが、痛いほど分かります。一緒にいた園児も含めて、皆さんの精神的ケアに十分配慮されることを願っています。
事故を起こした人も、おそらく普通の生活を送っていたのでしょう。それが一転して大きな事故の加害者になってしまいました。自分が100%悪い事故ですし、その過失はとても大きいわけで、同情するつもりはありません。でもほんの一瞬のミスが、これほどの事故になってしまうことに、私も毎日の通勤などで運転している者として、やはり考えさせられるものがあります。
多くの園児を預かる保育園や保育士たちも、大変な立場に立たされていることでしょう。事故防止には十分に注意を払っていたことでしょうが、こういった大きな事故にあうと、自らを責める気持ちも大きくなります。実際に安全を十分に確保していたかどうかの検討はすべきです。それは当然のことですが、受けたショックはあまりに大きかったことは想像に難くありません。
当院にも小さな保育室があります。病気などで具合が悪いお子さんを預かる「病児保育室」ですので、外に出てのお散歩はありませんが、でも、他の面での事故の危険はゼロではありません。保育室の責任者として、あらためて事故の予防に十分注意するよう、保育士を指導していくつもりです。
今思い出したのですが、私も保育士のまねごとをして、子どもたちを連れて散歩に出かけていたことがありました。今から25、6年前、私がまだ学生だった頃。すでに結婚して子どもがいて、大学の中に「共同保育園」を運営していました。専任の保育士を雇っていましたが、私は学生の身でわりと自由に過ごせたので、子どもたちを散歩に連れて行ったりすることもよくありました。
まだ小さいゼロ歳児が中心だったので、特製の乳母車に数人の子どもたちを乗せて、大学構内をブラブラお散歩していました(ベビーベッドにキャリアーをつけて移動できるようにしたお手製のものです)。途中の芝生の上ではいはいさせて遊んだり、すぐ近くの学生寮のラウンジで遊ばせたりしていたことを、懐かしく思い出しました。
大学の構内とはいえ、車はときどきは通っていましたので、今日のような事故がおきないとは限りませんでした。もしもそんなことが起きていたら・・そう思うと、冷や汗がでてきました。
事故は完全に防ぐのは、とてもむずかしいもの。だからといって、仕方ないといってはいけないのだと思います。通常の方法では完全に防げない・・であれば、もっといろんな知恵を出し合いながら、もっと良い方法を考えて、さらに事故を防止する。たえずその繰り返しをしていくしかないでしょう。
一方で、事故の発生をこわがるばかりに、子どもたちを一歩も外に出さない、散歩には連れていかない、などとしてしまうのは間違っています。子どもたちがかわいそうです。
私たちの大切な子どもたちが安全で、安心して暮らしていける社会を作ること・・それは私たち大人みんなの責任です。
投稿者 tsukada : 2006年09月25日 23:37