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2006年09月28日

印刷マニア

 すっかり秋めいてきました。日中の気温も、ほどほどに高め。半袖でいるのが快く感じます。つい数週間前の暑さがもうずいぶん前のことにようですね。

 でも、朝晩は気温が下がります。通勤の時には、上にブレザーをはおるようになりました。もう少しすると、長袖で過ごすことも多くなるでしょう。雪国にとっては、冬のための準備期間のようなもの。体と心の栄養も、十分に蓄えておきたいものです。

 9月も残すところあと2日。小児科医が一年で一番ゆっくりと過ごせるはずの季節なのですが、今年はそうでもないようです。すでに「院長ブログ」でご紹介していますが、医院にカラー印刷機に導入してから、それを使うのが楽しくてしかたありません。いろんな印刷物をカラーに作り替えていますし、ついでにこれまで貯まっていた(貯め込んでいた)宿題も一挙に解決してしまおう、などとするから、よけいに忙しくなっています。

 こういった仕事は集中しないとなかなか進みません。一気呵成(かせい)に、勢いにまかせてやってしまうのが、うまくやるコツ。「いつでもできる」「いつかやろう」「まだ気持ちが熟さない」・・いろんなことを言っては、行動を先延ばしにしてしまいがちだからです。こういった言葉はそれなりの正当性もあるのかもしれませんが、結局何もせずにいる自分に対して言い訳をしているだけ。あんまり口にしたくはないと思っても、つい出てしまうのが、悲しい性(さが)です。

 「印刷」は、私にとってはとても興味深いもの。「印刷物を作る」のもそうですし、「印刷物を読む」こともそうです。印刷物=本や雑誌を何となく眺めているだけで、幸せな気持ちになることもあります。「活字中毒」と自分でも思うこともあります。

 その中でも、自分で印刷するのは、大好きです。中学生くらいからそうでしたから、かれこれ40年近く、そんな「性癖」をもっていることになります。クラスの文集や歌集も、ガリキリから印刷まで全部ハンドメードで作っていました。

 ガリキリなどいっても、もう若い人たちには通じないでしょうね。孔版印刷というのが正しい名前だったと思います。鑞(ろう)を浸した原紙を使うのが特徴。ヤスリ状になった鉄板の上にこの原紙を置き、上からコンパスの先のような鉄筆で字を書いていきます。鉄筆で鑞をはがしていき、字のところに孔が空いたような状態にします。その原紙の上から、ローラーでインクをつけると、鑞の付いていない字の部分だけ下に置いた紙にインクをつけるという仕組みです。

 印刷原稿を作る時に、ガリガリと音がするので「ガリキリ」という名前ができたのでしょう。この孔版印刷は、もうすたれたように思われていますが、どっこい今でも生きています。「プリントゴッコ」がそうです。そしてこれを作っている理想科学という会社は、今でも孔版印刷の原理を使って、日本中の学校や会社に簡易印刷機を売っています(リソグラフ)。

 当院もつい1か月ほど前まで、このリソグラフを使っていたものです。それがカラー印刷機に役割交代をしたというわけです。新しいカラー印刷機も、同じ会社から出た最新型の物。原理は違ってきていますが、でもさすがに印刷機を作っていた会社だけあって、実に使い勝手の良い物を世に送ってきたのです。そのすごさに日々感心しています。

 こんな印刷機の話が続くと、多くの方はつまらないと感じるでしょうね。私はとても興味がありますし、面白い話なのですが。やっぱり中学生時代からの「印刷マニア」は、性分を入れ替えてはいないようです。(「印刷」をめぐる話はまだまだいっぱいありますので、いずれまたお付き合い下さい)

投稿者 tsukada : 2006年09月28日 23:21