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2006年10月15日
上越新幹線は上越市を通っていませんよ
とても良いお天気の日曜日でした。こんな日が続くのも、あとどれくらいでしょう。山では紅葉が始まっていますし、近くの木々も少しずつ葉を落とし始めました。冬はこの温かさの向こうで、しっかりと準備をしているのでしょうね。
お昼頃、遠くから「ポー」という音が聞こえてきました。医院のある直江津は港町ですから、時折船の汽笛が響いてきます。でも今日聞こえてきたのは、それよりも高い音。そう、蒸気機関車の警笛の音です。
昨日と今日、この地域でSLが走っていることを新聞で知りました。信越本線が開通して120年になるのを記念してのイベントだそうです。
信越本線は、上野から始まって埼玉県、群馬県、長野県を通って新潟県に入り、県内を日本海に沿って北上し、新潟市まで続きます。「信州」と「越後」を結ぶから「信越線」と名付けられました。以前は重要な交通路。でも今は元気がなくなっていますね。まだ単線のままですし。
大昔は新潟市に行くには信越本線を経由するルートしかありませんでした。その後群馬県の高崎と新潟県の長野を結ぶ「上越線」が出来たことによって、そちらの方がメインになり、もうここ上越市(旧高田市と直江津市)を通る必要はなくなりました。
ここで新潟県に関係のない方は混乱をしているのではないかと思います。上越市は信越線は走っているけれど、上越線はない!? そうなんです。同じような名前なのですが、上越線は上越市は通っていないのです(上越新幹線も同じ)。
名前の由来が違います。「上越市」は越後の3つに分けて、京に近い方から「上越」「中越(長岡市周辺)」「下越(新潟市周辺)」に分けたことから来ています。その名残なのでしょうか、テレビの天気予報で県内を紹介するとき、県庁所在地である下越が先ではなく、人口が少なく、県都から離れている上越から始めるところがあります。事情を知らない人が聞いたら、ヘンな県だと思うでしょうね。
一方の「上越線」は、上州(群馬県)と越後(新潟県)を結ぶことから作られた造語です。でも、世間一般ではこちらの「上越」の方が有名になりましたね。その後同じルートで作れた「上越新幹線」にもその名前を使っているからなおさらです。
実は今、ここ上越市では困ったことが起きています。現在ある「長野新幹線」は、さらに延長して上越市を通って北陸を進み、金沢まで進展させようと工事中です。新幹線の名前は「北陸新幹線」に変更されるようですが、ここ上越市にできる駅名をそのまま「上越駅」にして良いのかどうか。
「上越駅」が上越新幹線ではなくて北陸新幹線にある・・ますます混乱してしまいそうです。実は以前から市の名前は議論がありました。すでに上越線が存在していたのですから、今日の混乱は予想できたことです。名前はあとで何とかなるからと、ちゃんとした議論を先延ばししたツケが今まわってきているようです。でも合併してから20年以上もたって、名前を変更するのはもう無理でしょう。
そこで上越市が考えた妙案は・・「上越新幹線」の名称変更です。新潟市が終着駅だから「新潟新幹線」にしてはどうかと。それを一緒に提案しようと、上越市長が新潟市長のところに行ったとか行かなかったとか。それも、新幹線ができるときに提案していれば良かったのに。先の読めない人たちが政治や行政を担っているんだな、ってつくづく思います。
投稿者 tsukada : 2006年10月15日 23:51