« 2つのJCV | メイン | 小宮悦子さんが泣いた! »
2006年11月21日
今日は東京のJCVさん
今日は東京からお客さんがお出でになりました。遠路を新潟までご苦労さまでした。先日来お話をしていている「JCV(世界の子どもにワクチンを)フォーラムin東京」の企画の打ち合わせのためです。
「東京のJCV」事務局でお仕事をされている江塚さんがその方。お昼にいらっしゃって、私と1時間ほど話をし、そのあと駆け足で当院の中と、上越市の“名所”を見て回って午後には帰京されるという、本当に慌ただしい日程でした。
フォーラムでは「ワクチン対談」で早見優さんのお相手をさせていただきますが、どんな流れでどんな内容をお話すればいいか、など、具体的なことを教えていただきました。こちらからも、ぜひ触れておきたいことなども説明しました。これからさらに煮詰めて、当日はみなさんによく分かってもらえる内容にしていきたいと思っています。
折しも来週、市内の県立看護大学で臨床小児科学の講義をする予定で、その中で予防接種についても看護学生さんたちにお話しすることになっています。フォーラムでスライドを使って講義するというわけにはいきませんが、大学での講義の内容もまた生かせるかな、とも思っています。
フォーラムの打ち合わせでは、お昼休みをめいっぱい使ってお話をしましたが、ワクチンのこと以外に、いやそれ以上に盛り上がったのが、当院で行っている病児保育のことでした。
当院は「わたぼうし病児保育室」を併設し、子育て支援の一つとしてその運営に取り組んでいます。今の日本はいまだ男性優位の社会が続いていて、女性が家庭や育児のことなどに大きな負担をせざるをえません。とくに子どもが病気になったときの負担はとても大きなものがあり、その結果、女性が働き続けることができず、社会の中でますます孤立していってしまうこともおきています。そんな時の“強い味方”が病児保育です。
病児保育を「子育て支援」とは言っていますが、実は「母親支援」であり、「女性支援」の側面が大きいのです。こういった話は、この「院長ブログ」をいつも読んでくださっている方にとっては、もう当たり前のようになっているかもしれませんね。
全国のどこにでもあり、気軽に利用できればいいのですが、残念ながらまだそこまでは普及していません。当院のわたぼうし病児保育室は、まだまだ珍しいものなのかもしれません。今日はせっかく遠くから来ていただいたので、わたぼうし病児保育室も見学してもらいました。そして先の話のように、病児保育の話題で盛り上がっていたというわけです。
「世界の子どもにワクチンを」の活動と、病児保育は直接には関係はありません。でも、深いところではつながっていると、私は思っています。今私たちにできることを、それを必要とし、求めている人たちに対して行うことは、同じ地球に(同じ社会に)いっしょに生きている者として、いわば当然のことだと思うのです。そんなことを、多くの人たちが行うことで、みんながともに幸せになっていけるでしょう。
それは、上から下に与えるような「施し(ほどこし)」ではありません。金(かね)を使えばいいというような“慈善行為”でもありません。
大変なときに助けてもらえた人は、他の人が大変なときに助けてあげらえるようになります。辛いときに温かい言葉をかけてもらえた人は、他の人が辛いときに温かい言葉をかけてあげられるようになります。苦しいときに支えてもらえた人は、他の人が苦しい時に支えてあげられるようになります。いっぱい愛された人は、他の人をいっぱい愛せるようになります。
今できることを、みんなが少しずつ手をたずさえながら行っていくことで、同じ社会に、同じ地球に生きる人たちが、互いに少しずつ幸せになっていける・・そんなふうに思っています。それが私にとっては「世界の子どもにワクチンを」に協力する意味であり、病児保育を行っている意味です。
フォーラムでは、委員会の趣旨から少しそれるかもしれませんが、当院で行っている病児保育についても少し触れさせてもらえたらいいな、などと思っています。そうすることで、日本の子どもたちや、子どもたちを守り育てている若い親御さん方へも温かいメッセージが伝えられることでしょう。
さてさて、またもや大きなことを言ってしまいました。フォーラムではちゃんとお話ができるでしょうか。ちょっと心配になってきました・・。
投稿者 tsukada : 2006年11月21日 22:28