« 晩秋 | メイン | 狂犬病の予防接種 »

2006年11月26日

和田毅投手のルール

 ソフトバンクの和田毅投手が、社会貢献活動をしたプロ野球人を表彰する「ゴールデンスピリット賞」を受賞されました。先日(24日)その授賞式があり、テレビでその模様が放映されたので、ご覧になった方も多いことでしょう。

 和田投手のことは、この「院長ブログ」でもお話したことがあります。「世界の子供にワクチンを日本委員会(JCV)」の活動に賛同し、昨年から協力している方です。彼の「ルール」があり、試合で1球投げるごとに10本(勝ち試合は20本)のワクチンを送るというのがそのルール。昨年は4万5770本を寄贈し、今年も5万4810本の寄贈を予定しているとのことです。

 プロ野球選手といえども、ただ試合をしていればいいというのではないようです。もちろん、本業をおろそかにしてはいけないわけですし、試合の中で素晴らしいプレーをすることは当然のこと。でも、それだけではなく、もっと社会に役に立つことをしていこうという気持ちをもっていることが、とても嬉しいです。

 プロの野球選手といえば、子どもたちのあこがれの的。夢や希望を与える仕事です。そんな人たちが、社会のために役立つことを率先して行うことで、子どもたちにも社会貢献へ目を向けるチャンスになります。和田投手の場合には、予防接種を受けることができずに死んでいく子どもたちが、今の地球上にまだ大勢いることを教えてくれています。そして、そんな子どもたちのために自分たちにできることを、できる範囲で、みんなが協力してやっていこうという気持ちを、私たちに持たせてくれているのだと思います。

 和田選手は25歳。まだ若いのに、偉いです。物事をきちんととらえて、行動できるのだと思います。

 当院もこの「世界の子どもにワクチンを」に1995年から協力しています。医院に設置した募金箱や、イベントなどを通じて患者さんや地域の方から多くの善意をいただいています。それに加えて、「塚田こども医院のルール」があります。当院で予防接種を受けられると1回につき100円を募金しています。その累計は、先月末で400万円を超えました。

 「世界の子どもにワクチンを」のHPには、ポリオのワクチンは1人分が約20円だと紹介されています。単純計算すると、当院を通じてお送りした募金は、ポリオワクチン20万人分に相当することになります。和田投手の瞬発力にはかないませんが、長い時間をかけることで、きっと多くの子どもたちを救うことができてきたのではないかと思います。

 この委員会の東京でのフォーラム(12月7日)に、私も対談者の一人として招かれていますが、贈呈式を予定していた和田投手は残念ながら欠席なのだそうです(球団から代理の方がお見えになるようです)。“同じ誕生日”の有名人とお会いできると楽しみにしてたのですが、ちょっと残念です。

投稿者 tsukada : 2006年11月26日 20:37