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2007年03月25日

落とし穴

 当面の処置として10歳代には使用中止になったタミフル。「異常行動」がタミフルの副作用だけでおきているということであれば、それでもいいかもしれません。しかし、心配は続きます。

 インフルエンザとは、症状が全身にかかわり、とても強烈な感染症。合併症として、熱性けいれん、熱せん妄、意識低下などの精神神経症状をともないやすいものですし、時には脳症をおこしてしまうことがあります。

 問題になっている「異常行動」が、もしかしたらインフルエンザそのものからおきている可能性も否定できません。それがどの程度の割合であるのか、一つひとつのケースを精査する必要があるのですが、残念ながら過去にさかのぼって原因を究明することは困難です。

 タミフルが一定の割合で関係していることは確かのようですから、今後、タミフル不使用によって「異常行動」出現の頻度が減少してくれることが期待できます。しかし、問題もあります。

 タミフルを使わないということで安心してしまっていると、インフルエンザのお子さんがまたトラブルをおこしてしまうかもしれません。リレンザを使用しても、あるいは抗インフルエンザ薬を全て使用しなくても、インフルエンザそのものによる精神神経症状は起こる可能性があるからです。

 そこに大きな「落とし穴」があることを、知っていてください。

 やはりインフルエンザは怖い感染症。しっかりと治るまでは、お子さんの様子をよく見ていてあげてください。少なくとも発熱中の急性期は、お子さんを一人にしておくことのないように、十分注意をしていてあげてください。

投稿者 tsukada : 2007年03月25日 23:59