« 麻疹の抗体検査と予防接種 | メイン | 妙高山 »
2007年05月20日
親として
先週は大きな事件がいくつも起き、テレビの報道番組に見入る日が多かったです。福島県で高校3年生が母親を殺害した事件もその一つ。
母親を殺したこと、切断した頭部をもって警察に自首したこと、右腕も切断し、白くスプレーし、鉢植えにさしていたこと・・。最初にこのニュースに接したとき、信じられませんでした。ネットのニュースを見たのがその最初でしたが、何度か読み直すうちに鳥肌がたち、少し吐き気を覚えました。
とても普通の人間には理解できない犯罪行動です。反社会的な人格障害なのだと思います。なぜそのようになってしまったかは分かりません。精神の病気をきたし、治療を受けることなく、最悪の状態にまで至ったことだけは、確かでしょう。
幼小児期からの家庭環境や育ち方(育てられ方)や学校での教育などに、彼の性格や問題行動を悪化させるものがあったかもしれません。彼の「病気」を起こさせないようにするにはどうしていれば良かったのか、「病気」を悪化させないようにするためにはどうすれば良かったのか。何か結論めいたものは生まれないかもしれませんが、アプローチしていくことは必要でしょう。
一つひっかかっていることがあります。事件後、犯人の父親がマスコミの報道を自粛してほしいとして公表したものです。過剰なマスコミの取材によって、家族の方がさらに辛い思いをするであろうことは想像に難くありません。節度ある対応が求められるのは、確かです。
問題にしたいのはお父さんの肩書きです。報道では「被害者の夫」となっていたということ。ちょっとそれは違うのではないですか?
マスコミや社会に向かうのであれば、まずは「加害者の父」としてのするべき話があるでしょう。やはり社会全体を震撼させたのですから、お詫びをしなくてはいけません。それが先でしょう。
私も三人の子の父親ですが、もし子どもが何か迷惑をかけるようなことをしたら、それについて責任はきちんと持とうと思います。今回の「加害者」は未成年ですので、よけい親の責任はあるのではないでしょうか。
勝手な邪推かもしれませんが、ここに及んでまだ親として息子の起こした問題を避けて通ろうとしてはいないでしょうか。もしかしたら、この「加害者」が小さいときから、親がこのようなことをしてきたのではないか、とも思えてしまいます。肝心なときには、するっと逃げていってしまうような親だったのではないか。
そういったことが彼の人格形成に悪い影響を与えていたということも、十分にあるかとも思います。こういったところを、ぜひ検証してほしい。そして、このような事件が再びおきないようにするためには、何が大切で、どうすればいいのか、少しでも手だてになるものが見つかってほしいと思います。
今回の事件は、その内容や直接に動機はなかなか解明しきれないかもしれません。普通の判断力をもってはいない可能性のある犯人ですから、それも仕方ないでしょう。重要なのは彼の異常な人格がどうやって作られていったか、とういう点です。
投稿者 tsukada : 2007年05月20日 23:47