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2007年06月05日

見捨てられた世代

 朝日新聞に昨日掲載された私の投稿を読んでくださった方が、思った以上に多いようです。何人かの方から、直接お声をかけていただいたり、メールをいただいたりしています。

 麻疹流行を食い止め、日本もほかの先進国並みに「麻疹の制圧」を達成することが重要だということを、良く理解していただいています。願わくば、「のど元過ぎれば熱さを忘れる」などということなく、この問題に関心を持ち続けていただければと思います。

 投稿の中で私が使った「見捨てられた世代」という表現を、多くの方から納得してもらったり、共感してもらったりしているようです。麻疹予防接種が2回法になった昨年度において、その対象外になった小学生以上の子どもたちや、免疫をさほどもっていない青年たちのことです。

 新聞を読んでいただいた方だけではありません。今日は当院に予防接種に来られた方に、このお話をすることが多かったのですが、みな一応にうなずいていただいていました。

 麻疹・風疹予防接種の2期(保育園や幼稚園の年長)を受けに来られたお子さんに、上にお兄ちゃんやお姉ちゃんがいる場合には必ず触れています。ぜひ上の子にも麻疹・風疹混合ワクチンを受けて下さいと。

 この時に、国の制度から漏れてしまっているのだけれど、それは必要があるのに制度化されなかったのだと。「見捨てられた世代」の予防接種は、本来は国や自治体の責任で行われなくてはいけないけれど、残念ながらいつまで待てば実現できるか分からない(というより、実現の見通しがない)。当面は、自腹で予防接種を受けていただくしかないけれど、そうすればその子はおそらく一生、麻疹や風疹にかからなくてすむでしょう、と。

 そんなふうに丁寧にお話をすると、それじゃあ上の子も任意接種で早めに受けておきましょう、というお返事をいただけることも多くなりました。決して小さくない出費ですが、ご本人にとっては一生のプレゼント。そして、周囲の方に麻疹や風疹を感染させないという意味合いでは、とても大切な社会的役割を果たすことになります。

 あとは、当院の領収書を添えて、厚生労働省に請求書を発送しましょう・・と提案すると、「ぜひやりたい!」と言われる方もおられました。日本中で行われている任意接種の費用を、国にまとめて請求するのもいいかもしれませんね。

 ところで「見捨てられた世代」というのは、なかなか的を得た良い表現だと思うのですが、いかがでしょう。今年の流行語大賞にはなりませんか?(なるはずがないですね)

 新聞とかテレビで使い始めると、一挙に広がりそうな予感を個人的には持っています。どこかのマスコミで採用してくれませんか?

投稿者 tsukada : 2007年06月05日 18:41