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2007年06月04日

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朝日新聞「声」欄(2007年6月4日)に掲載された拙文です。どうぞお読み下さい。

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 はしか根絶へ
 接種は保険で

 小児科医 塚田 次郎(新潟県上越市 50歳)

 はしかが大学生を中心に流行し、大きな社会問題になっています。休講などの対応で下火になるでしょうが、流行しやすい状況はこれからも続きます。

 ワクチンによる免疫は自然感染による免疫よりも弱いため複数回の接種が必要です。欧米などでは早くから2回以上の接種を行い、根絶に近づいています。

 日本では昨年度から1歳と小学入学前の2回接種することになりましたが、以前は1回のみで、それすら受けなかった人たちもいます。20代を主とする.「見捨てられた世代」に対し、国の責任で予防接種を行うこと以外に日本からはしかを無くす方法はありません。

 そこで提唱したいのが公的な医療保険の活用です。ワクチンの用意さえできれば全国のほとんどの医療機関で直ちに予防接種を受けられるようになります。

 はしか流行による医療費増加を考えると、ワクチン接種の費用は十分賄えます。国が一定の費用負担をすれば、保険財政は悪化しません。国民皆保険制度のお陰で全国で同じサービスを少ない負担で容易に受けられます。

 予防接種の態勢が整えられ、はしかが1日も早く根絶されることを願います。

投稿者 tsukada : 2007年06月04日 12:46