2007年06月10日
夜回り先生
今日は水谷修氏の講演会が開かれました。「夜回り先生」として、子どもたちを救い続けた先生です。
講演の内容は、とても素晴らしいもの。先生が実際に体験された子どもたちの様子を、いろいろと話して下さいました。
夜という闇の世界に好きこのんで出かける子どもたちはいない。できれば昼の明るい世界で輝きたいと思っている。それなのに、家庭、学校、地域は子どもたちの居場所を奪い、夜の世界に追いやっている。そんな中で出会った数々の話は、心が締め付けられるほど強烈でした。
大人の世界に蔓延しているイライラが、家庭をも侵しているし、子どもたちに攻撃が向いているとも。そのはけ口がいじめにつながることも指摘されていました。
子どもたちを温かく、大切に育てよう。良いところをしっかりとほめて、明るい気持ちで過ごせるようにしよう。思いやる気持ちがあふれて家庭や学校には、悪意が入り込む余地はなくなる。
薬物中毒の問題も取り上げておられました。表の社会ではさほど問題にはしていないけれど、裏の社会では確実に子どもたちを含めて広がりつつあると。その悲惨な様子を耳にすることは、医者である私ですら涙をこらえることはできませんでした。
多くの方が講演を聴きに来られていました。その人たちが、明日から少しずつでも子どもたちのことを理解し、自分自身も優しい気持ちになり、子どもたちを本当に愛することができるようになってほしいものです。いや、きっとできるでしょう。それだけインパクトの強いお話でしたから。
私自身も、さあ何ができるか、しなくてはいけないのか、じっくり考えてみようと思う気持ちになりました。もう一度、小児科医としての仕事や生き方を見直すべきですね。そして、これまで以上に、子どもたちの味方になれるように、努力していかなくてはいけない、と。
ところで講演会に先立って心配なことがありました。水谷氏の健康です。すでにご自身が公開されているように、病気をおして「夜回り」をしたり、こういった後援会活動をしています。夜眠れないことに加えて、超多忙な毎日。無理に無理を重ねておられます。
開演前にご挨拶させていただきましたが、お元気そうに見え、安心しました。1時間半にわたるご講演も、途中に休むことも、イスにすわることもなく一気にお話されました。でも、喉の調子が悪いのか、ときどきむせたりしている様子もありましたが、大丈夫だったでしょうか。やはりお疲れだったでしょうか。
「夜回り先生」として長く活動されてきた水谷先生。少しここで休みをとられてもいいのではないでしょうか。そして、これからもずっと子どもたちのことを見守っていてください。
もっとも、そんなことを水谷先生にお話ししたところで一蹴されることは、目に見えていますが。
投稿者 tsukada : 2007年06月10日 23:54