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2007年08月31日
学歴詐称
学歴を偽って問題になるケースはときどきあります。大学を卒業していないのに「大卒」と書いたり、大学名を変えたり、留学して学位を取ったかに見せかけたり。
これまでに問題になっているのは、自分を「大きく」見せようとして学歴詐称をするというものでした。でも、ときには「小さく」見せようとして、問題になる場合もあるのだということを知りました。
いくつかの自治体ですでに問題化していますが、今回、横浜市では学歴詐称で466人が懲戒処分されたそうです(最終的にはもっと増えるとのこと)。その全てが、大学卒なのに高校卒とするなど、学歴の上の方を申告していなかったとのこと。
採用条件に「高校卒業まで」という条件が付いた職種へ応募する際に、それを超える学歴を正直に履歴書に書かなかったための処分です。正しくないことを履歴書に書いてはいけない。それが「学歴詐称」だというのは、確かに根拠のある話のように聞こえますが・・でも納得できません。
そもそも、高校卒業までなどとする採用条件が問題にはならいのでしょうか。高校を卒業したあと、さらに大学や専門学校に行って学ぶことで何が問題になるのか、理解できません。学問に対して向上心をもって、もっと勉学に励んだことを、どうしてマイナスの評価をされなくてはいけないのでしょう。
私は大学卒ですが、医学部ですので高校卒業後6年間勉学をしてきました。幸い医師国家試験に合格し、こうして医師として仕事をしていますが、もしその試験に受からなければ、ただの大学卒業生です。医療の中で専門的な仕事ができません。医療以外で仕事をしたいと思ったとき、このような「高校卒まで」とする職種に応募できない状態はおかしくないですか? 長く学んだことを、給与面や待遇面で生かすことができそうにありませんが、それを分かって応募しているのですから本人の責任。それよりも「門前払い」にされることに、きっと納得できないでしょう。
運転免許にたとえると分かりやすいでしょう。原付自転車の運転が必要な職種だとします。私は普通自動車の運転免許を持っていますので、当然原付も乗ることができます。しかし、それはダメだというのが、この採用条件です。あくまでも「原付免許だけ」を持っている人が対象。それ以上の免許を持ってしまっているのは不可。もちろん、自動二輪の免許で原付を運転することもまかりならない、ということです。
採用されたあとにさらに勉強を重ね、大学卒などの資格をとるというのも認めないのでしょうか。昼間働きながら夜学に通ったり、通信教育を受けたりしながら頑張っている学生さんはたくさんいます。社会に出て働いてみることで、もっと学問を学び、それを自分の教養や人格形成に役立て、結果としては仕事面でも資することは多々あるように思います。
今回の懲戒処分はどうしても納得できません。何も私に対してなされた処分ではないことは分かりますが、しかし大学で6年間学び「高学歴」を持っている者としての私の存在を否定されたような気持ちでいます。今回の処分にどうしても承伏できない方がおられると思います。ぜひ裁判で闘って、採用条件そのものが社会通念に反するもので無効だ、という判決を勝ち取ってもらえませんか。そこまで勇気のある方、ぜひお願いします。若干のカンパも差し上げたいと思いますので、どうぞご連絡下さい。
投稿者 tsukada : 2007年08月31日 23:59