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2007年09月11日

9・11同時多発テロ

 今日はアメリカでのいわゆる「9・11テロ」から6年を迎えました。ニューヨークにある世界貿易センターにハイジャックされた2機のジェット機が突っ込み、その後2棟が完全に崩壊。2千数百人もの命を奪いました。

 その様子は1機目の突入直後からテレビで生中継され、全世界に伝えられました。私もリアルタイムで見ていました。そのあまりに衝撃的な映像に、体の芯まで震撼しながら釘付けになっていたことを、今でもよく覚えています。

 このアメリカ同時多発テロを指揮したとされるオサマビン・ラディンが率いるテロ勢力を一掃し、テロを根絶しようとするアメリカのアフガニスタン侵攻に対して、それを支援しようとして作られた法律が、今問題になっている「テロ対策特別措置法」です。もともとは2年間に限られた法律でしたが、その後3回延長され(2年を1回、1年を2回)、今年11月末で延長期限が切れることから、4回目の延長ができるかどうかを巡って、与野党が対立。とうとう安倍首相が「延長できなければ退陣する」とまで言い出したことは、昨日の「院長ブログ」でもお話したとおりです。

 「職責を賭す」とまで言っていますが、その解釈は一様ではないようです。与党や政府内では、ただ強い決意を示しただけであり、辞めるとまでは言っていないとの意見がすでに出ています。なにやら前回の参議院選挙で、「敗北しても首相は続投」という結論を、最終結果が出る前に決めてしまっていたことと同じような状況です。

 「賭す」という文字の意味合いも、意味深長。「賭け事」と同じ感じです。ある意味で民主党との一騎打ちに勝算はないけれど、闘わないわけにはいかないから、破れかぶれになって、ここ一番の「賭け」に打って出た、などと思えてもきます。

 いずれにせよ、本来のテロリストの争闘や、世界中からのテロリズムの制圧や撲滅にどのようにつながってくるのか、ますます分かりづらくなってきています。一度きちんとリセットし、日本の平和憲法の目指すものや、「集団的自衛権」の考え方を、根本から考え直す必要があるのではないかと思っています。

 「集団的自衛権」については、ちょっと分かりにくいかもしれませんね。簡単に言うと(私が理解しているところでは)、日米が同盟関係にあるため、一方が攻撃された時には他方も攻撃を受けたものと見なすという考え方。今回はアメリカがテロの標的になったために日本が参戦した、という経過です。しかし、日本が攻撃されたときに、本当にアメリカが一緒に闘ってくれるのか疑問ですし、逆に、アメリカがにくいという勢力にとっては日本を攻撃する口実を与えることになります。

 ところで「テロ対策特別措置法」の正式名称を知っている方はほとんどおられないでしょう。私も先ほど調べて初めて知りました。正しくは「平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法」です。

 ほとんど舌を噛んでしまいそうな名前(落語の「寿限無」のよう)。実際に行われている活動が、戦争行為をしているアメリカ軍に対するインド洋上での給油活動だというのは、それが本来にテロ対策になっているかどうかも含めて、ほとんど名前負けしているような状態です。

 いずれにせよ、この問題ではこの秋の国会は大荒れになるでしょう。首相の退陣、内閣総辞職、あるいは衆議院の解散と総選挙など、一挙に政界がひっくり返ることも予想されます。大変な事態です。

 でも、そんなことをしていていい時なのでしょうか。格差の問題、年金問題など、直ちに取り組まなくてはいけない問題が山積しています。またまたそういった国民の重要問題が取り残されていってしまうのでは。一寸先すら、見えてきません。 こんな混乱も、もしかしたらテロリストどもが引き起こしている災禍なのかもしれません・・。

投稿者 tsukada : 2007年09月11日 23:52