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2007年10月31日
女性警官を救出!?
今日で10月も終わり。秋が深まっているとはいえ、今日の日中は半袖で過ごせるくらいの温かさ。どうも季節感がピッタリとしません。
今日の出来事・・数人の若い男性が女性警官を取り囲んでいて困ったような様子だったので、そこから救出しました!! といっても、犯罪性は皆無。
「若い男性」とは小学生の男の子たち。学校帰りに女性警官を見つけて、興味津々にいろんな質問をしていました。「お姉さん、いくつ?」「その拳銃、本物?」「見せて!」「触らせて!!」などなど。
まだ警察官になりたて、湯気がたっているようなフレッシュな方。それなのに子どもたちは「38歳!」と言ったそうな。女性を見る目がまだ育っていないんだね(^^;)
拳銃は私もけっして興味がないわけではありませんが、恐ろしくて聞けません。そこは子どもたち。思ったことを簡単に口にしてしまいます。
私が「悪いことをした人に使うんだよ」と言うと、納得してくれたのか、もう聞かなくなりました。きっとヘンなオジサンが口出しするから、面白くなくなったんでしょう。
“援護射撃”の最後は、映画『絆』の優待券。それをみんなに一枚ずつ渡して、「オジサンも出ているから、ちゃんと見に来るんだよ」と。お土産をもらうと嬉しいのは老若男女を問いません。子どもたちは喜んで散っていきました。
困った人を助けるのが警官の大切な仕事ですが、その警官が困っているのに知らんぷりはできません。今日はちゃんと「市民の務め」を果たしましたよ。
ところでこの婦人警官と顔を合わせるのは2回目。私の住んでいる地域を受け持ったということで、家族などの調査にやって来られたことがあります。
その時、彼女をビックリさせてしまいました。私が「以前、ニセ女性警官と出会ったことがある」と言ったからです。映画『絆』の撮影の中で、警官役の人と一緒だったという意味なのですが・・。
前後関係を何も知らずに、いきなり「ニセ警官」という言葉を聞けばギョッとするのは当たり前でしょう。それを聞いた本物の女性警官は目をむいて、私を見てきました。その反応に、私の方が逆に驚いたくらい。
あ、悪いことを言っちゃった・・そう思い、すぐに映画の中の話だとお伝えしました。もちろん納得してくれましたし、「公務執行妨害」とかで捕まえる、などということもありませんでした。良かった(T_T)
その時に映画の話をしていたので、今日お会いした時、ポスターや優待券を差し上げました。映画は必ず見に来てくれると言ってくれたけど、本当かな? 署に戻って、ちゃんと貼ってくれるかな?
もっとも、そのままポスターを持って帰ると、巡視中にいったい何をしていたんだ!って先輩警官から怒られてしまうかも。もしそうなってしまったら、ごめんなさい。
投稿者 tsukada : 23:16
2007年10月29日
元カメラマン志望
昨日の良いお天気から一転して、今日は午後から雨。夜には雨はやんでいましたが、日に日に秋が深まっていくのを実感しています。
昨日、産経新聞に病児保育の様子を写したカラー写真が掲載された話を書きました。「医療保育専門士」養成についての記事ですので、それに関係した写真があると、読者の方に理解をしてもらいやすいから、ということのようです。
実はこの写真は私が撮りました(こんなネタばらしをしていいのかな??)。新聞社の方からメールで依頼があり、締め切り間際なので早めに写真を送って欲しい、ということでした。以前当院に取材に来られ、わたぼうし病児保育室のことを記事にして下さった方です。
写真を保存しておかなかったとのこと。お安いご用です! 翌日の朝、保育室で写真を撮り、お昼までにはメールで送り返しました。メールを受け取ったのが夜中でしたので、半日以内に依頼を完了したことになります。
改めてインターネットの便利さを痛感します。電子メールに添付する形で、デジタル写真を瞬時に送ることができます。ここ10年ほどで、情報革命がいかに進んできたかということを、端的に表しています。
インターネットがなかったら、撮った写真を送るのは白黒ならFAX。カラーでは現物のフィルムか印画紙を郵送する方法でした。新聞記者の方に伺ったことがありますが、昔は新人時代に現像や焼き付け作業を自分でできるように教えられた、という話をしていました。
今では写真もデジタル処理ですし、カメラ付き携帯からはそのまま送信することもできます。私もこの院長ブログに掲載する写真を、ケイタイから自分のパソコンに送信しているものが多くあります。
時代はどんどん進んでいきます。新しい技術が生まれ、新しい道具が次々と作られていきます。それらを上手に使いこなし、自分の生活や仕事をやりやすくしたり、新しいものを作り出したりすることができれば、自分にとって役に立つテクノロジーということになるのでしょう。
でも、新しいモノに振り回されているばかりで、結局うまく使いこなせない。時には、以前のモノの方がうまくいく、なんてこともあります。新しいモノの執着するために、かえってうまくいかないこともある。そんな本末転倒のことも、自分自身で経験しています。
そうはいっても、やっぱり新しいモノにも好奇心を持ち続けていきないな。それが自分の活力なんだろうな、などと、勝手に思いこんでもいます。・・買ったけどうまく使えないモノがだんだんと増えてきている自分への、言い訳なのかもしれませんが。
ところであの写真のデキはどうだったでしょう? なかなかでしょう! 誰もそう言ってくれないから、自分でほめておきます。
投稿者 tsukada : 23:52
2007年10月28日
医療保育専門士
小児医療の現場で活躍する保育士さんが増えています。小児病棟で入院中の子どもたちの保育をする「病棟保育士」の歴史はそうとう古くからあります(日本ではそれほど普及が進んでいませんが)。
さらに最近は病児(病後児)保育施設に勤務する保育士も、次第に増えてきています。2001年に当院併設した「わたぼうし病児保育室」にも、現在は常勤4名、非常勤3名の保育士が、毎日お預かりする子どもたちの保育にあたっています。
小児医療の一端を担う存在になってきている保育士さんたちのレベルアップをはかり、もっと質の高い医療保育を実践していこうという目的で、「医療保育専門士」という資格が作られるようになりました。
日本医療保育学会という団体が認定する資格で、小児医療についての講義を受講したり、課題を与えて論文を提出したりすることが、その要件になります。さらに実際に病棟保育や病児保育の現場で一定の期間、実践していることも必要です。
早ければ来年秋にはその「1期生」が誕生する・・そんなことを紹介した記事が、産経新聞に掲載されました(10月25日付け)。
医療保育専門士についてのイメージを読者にふくらませてもらいたいということで、当院で働いている保育士の仕事風景を写真にそえてもらいました。どうぞご覧になって下さい。
投稿者 tsukada : 15:36
紅葉見物
昨日は隣の市で講演を頼まれ、出かけていました。妙高市という名前のとおり、郷土の名峰=妙高山のいただきにある市で、県立妙高病院が主催する講演会。「病児保育」がそのテーマでした。
講演は午後3時から1時間ほど。私の“任務”はそれで終了でしたが、このところ忙しい日が続いたので、そのまま妙高市でお泊まりをさせていただきました。
妙高病院の院長先生は私の後輩にあたります(自治医大)。その関係で私が呼ばれたのだと思いますが、この病院は他にも何人かの後輩が勤務していて、自治医大の先輩(!)としては後輩の先生方が熱心に地域医療に取り組んでいる姿を見ることが、何よりも嬉しく感じています。
そんな先生方と、夕方から懇親会をしていました。何人かの看護師さんも一緒になり、いろんなことをお話ししたり、場所をかえて歌を歌ったりと、とても楽しく過ごさせていただきました。アルコールの勢いで、きっと先輩面(づら)していたことでしょう。無礼がありましたら、どうぞお許し下さい。
昨日は雨の降るあいにくのお天気でしたが、今日は朝から快晴。妙高周辺は観光地ですので、紅葉を楽しみに遠くから多くの方が来られていましたが、お天気が良くなって本当に良かったですね。
私もすぐには上越に帰らず、近くの公園などを散策してきました。ずいぶん紅葉が進んでいるようですが、それでも例年よりは遅れているよう。妙高山は雲に隠れて見えませんでしたが、あと何週間もすればきっと妙高山も真っ白になってしまうことでしょうね。
ちょうど良い時に“プチ行楽”させていただきました。
投稿者 tsukada : 12:07
2007年10月26日
『絆』上映へ
当地(新潟県上越市)で今春撮影されていた映画が完成し、もうすぐ観ることができそうです。
まずは上越市内で11月下旬より先行上映会が行われます。その後、来春には全国公開されます。
この映画の監督をされた松生秀二さんらが、昨日当院にお見えになりました。当院も映画の舞台になり、協力させていただきましたので、そのご挨拶です(私も出演しています!)。
昨日は柏崎市で、今日は上越市で報道関係の方などに試写を行ったり、インタビューに応えたりという日程をこなしています。映画を作るだけでも大変なのに、公開までにいろんな準備もあり、そのご苦労がよく分かります。
『絆』については、公式HPに予告編などがあります。ぜひご覧になって下さい。
投稿者 tsukada : 17:49
2007年10月24日
新規開業
医学部の後輩が市内に開業したということで、さっそくお祝いに行ってきました。整形外科のクリニックで、勤務していた県立病院の隣という、患者さんにとってはとても便利な場所でした。
広々とした駐車場を確保し、自家用車で通院する人が多い地方の事情に配慮しています。新しいその建物は清潔感とともに、入りやすい印象。いかにも“医療機関”だぞ、というような威圧感はありませんでした。
玄関からはバリアフリーで待合室と受け付けに通じていて、その先に診察室などが作られています。院長先生に院内を案内させてもらいましたが、どのスペースもゆったりとしていて、患者さんにとっては使いやすそうです。
新しいだけあって、院内はどこもきれい。スタッフも生き生きとしていて、新規開業の若々しい雰囲気を感じました。
当院は1990年の開業ですから、もう17年ほど経ちます。その間に大きな増改築を2回行ったり、部分的なリニューアルをしながら今に至っています。院内をできれば開業当初のような状態にしておこうと思ってはいますが、なかなかうまくいきません。
最近では室内の蛍光灯が切れてしまうことも。電気屋さんに見てもらいましたが、そろそろ寿命かと。器具の劣化によるものなので、致し方ないようです。一つがダメになったということは、他の物もそろそろ“やばい”と考えるべきでしょう。
この際、開業当初に設置した蛍光灯は全て、部品(安定器)を交換することにしました。その数、20数個。結構な出費です(-_-)
物には寿命はつきもの。そのメンテを上手にしておかないと、いつ大きなトラブルが襲ってくるか、分かりません。そう考えると、蛍光灯の交換も「転ばぬ先の杖」ということでしょう。
開業してそこそこの年月が経つと、こんなことも起きています。メンテといえば、一番必要なのは院長の頭と体かもしれません。自分ではまだ寿命がきてはいないし、“賞味期限”内だと思っているのですが・・。慢心してはいけませんね。
投稿者 tsukada : 20:49
2007年10月22日
インフルエンザ予防接種開始
10月も下旬。ようやく秋らしいお天気。とくに夜から朝方は気温が下がり、お布団を一枚多くしたほど。日中は暑いくらいになることもあるので、寒暖差はだいぶ大きいですね。
このところ風邪引きさんなどが徐々に増えてきています。そろそろ小児科医の出番になるころのよう。
もう一つ「小児科医の出番」が今日から始まりました。インフルエンザ予防接種です。例年と同じく、10月下旬からのスタート。年内いっぱい、毎日多くの子どもたち(ときには一緒に親御さんも)へのワクチン接種で忙しくなります。
当院がインフルエンザ予防接種にも積極的に取り組みだしたのは10年ほど前。当初は親御さんの関心はさほどではありませんでしたが、インフルエンザに関係して脳症になってしまう子どもたちが決して少なくないことなどが分かってくると、急に受ける子どもたちが増加。しかしワクチンの生産量がさほど多くなかったため、ワクチンの確保に奔走したことを覚えています。
今でも時々「ワクチン不要論」を耳にしますが、以前はもっと声高(こわだか)に叫ばれていました。高名な小児科医が言っているものだから、一般の方が惑わされるのも仕方ないことだったかもしれません。
マスコミの中にもワクチンの全てが危険だという論調が普通にありました。危険なものだから中止せよ、自然に任せる(つまり病気になること)が一番いい、と。ずいぶん乱暴な意見がまかりとおっていたものです。
私が朝日新聞に投稿したのもこのころです。インフルエンザはワクチンで積極的に予防しようと。でもこの投稿もそのまま採用されたわけではありません。紆余曲折がありました。
投稿した直後に編集部から採用の連絡をもらいました(氏名などの確認のために電話を入れたようです)。しかし、その直後に先の「著名小児科医」がワクチンへの疑問を書き連ね、それが紙面に出ました。同じ新聞社として、異なる意見は出せないということで、私の投稿はボツになりました。(そもそもこの理由がおかしいのですが、この話は実際に私が担当者から聞いた言葉です。)
頭に来た私は、全国の小児科医で作っているメール・リンクにこのことを書いたところ、それを読んだ他の小児科の先生が朝日新聞に抗議の電話をかけてくれました。それも何人もの先生が。その結果、私の投稿が生き返った、という経過があります。(「ワクチン不要論」に対しての意見という形になり、多少の変更がありましたが、趣旨は変わっていません。)
この先生は今でもお元気にご活躍されているようですし、相変わらずワクチンはいらない、と話しているようです(あまり詳しく知らないので、もしかしたら多少ニュアンスが変わっているかもしれませんが、基本は同じでしょう)。向こうにしてみれば、田舎の開業医ごときを相手にする必要もない、と思ったのかどうかも分かりませんが、とくに反論らしいものもありませんでした。(この先生が主宰しているHPの中で、私の投稿が話題になった、という話は確認していますが、きっとすぐに忘れられたことでしょう。)
インフルエンザ予防接種が始まると、昔のそんな記憶がよみがえってきます。最近はワクチンの確保に困ることもなくなってきましたし、受ける方も一時期よりは落ち着いているようです。きっと多くの医療機関で対応して下さり、親御さんも冷静に対処されるようになってきたからだと思います。
当院では今日からインフルエンザ予防接種が開始。年内いっぱいまで、足かけ3か月の間、通常の小児科診療の他に取り組むことになります。年齢によってワクチン接種量が異なるなど、気を使うことも多々あります。最後まで間違いなく、スムーズに行えるよう、職員一同で頑張っていこうと思っています。
投稿者 tsukada : 23:00
2007年10月20日
奮闘記
当地で発行されている『上越タイムス』に、市内の県立病院院長が紹介されていました(10月18日付け)。
めちゃくくちゃ忙しい中、子どもたちに生き方を伝えようと奮闘している姿に感動しました。こんなふうに高い志をもった医師がいることを、嬉しく思います。
彼は私と同じ大学の出身。良くできた後輩です。誇りに思います。
私も少しは彼の爪の垢を煎じて飲ませてもらわなくては(^^;)
投稿者 tsukada : 12:47
2007年10月19日
今朝の公園
このところ朝方の気温が下がり、なかなかお布団から出られません。でも今日はワンちゃんのために、ちょっと頑張って早起きをし、近くの公園を散歩です。
まだ秋口だという感じですが、植栽の雪囲いをするための用意も始まっていました。竹竿の束がそれです。サツキの中に、お花を見つけました。
どうやら咲く季節を間違えてしまったようですね。先月の残暑が、自然のルールを乱してしまいました。これからどんどん気温が下がっていくので、少し可哀想です。
見上げた空に飛行機雲を見つけました。秋らしい風景でしょうか。新井由実の歌「飛行機雲」をつい口ずさんでしまったのは、私がもうそれなりの年齢だという証拠のようです(^^;)
投稿者 tsukada : 10:31
2007年10月18日
2つの事件
長野県小諸市の「紀元会」なる宗教法人で信者の女性が撲殺される事件があり、20数人の信者が容疑者として逮捕されました。当地(新潟県上越市)の近隣の市からも逮捕者があり、地元では大きなニュースになっています。
この事件があったのは9月24日深夜。それから1か月弱での逮捕が時間的にどうなのか。現行犯逮捕ではない分、時間がかかるのは仕方ないと考えると、早い方なのかもしれません。
どうして時間にこだわるかというと、類似の事件があり、そこではまだ逮捕者が出ていないからです。それは大相撲の力士=斉藤俊さんが亡くなった事件です。その内容はすでにご承知の通りだと思います。所属する部屋で、親方を始め先輩力士から暴行を受け、殺されたというもの。6月26日におきた事件ですが、すでの4か月近く経つにもかかわらず、いまだ逮捕者が一人も出ていません。どうしたことなのでしょう。
亡くなった斉藤さんは新潟県の方。事件当初から、県内のメディアは高い関心をもって、繰り返し報道していました。その内容から、事故ではなく、明らかに「殺された」という事件だという印象を、私たちはもっていました。そして、当初の説明とは違って、暴行を加えていたことを、部屋関係者は次第に認めるようになったことは、その後の報道の通りです。
長野県でおきた宗教法人の事件と、大相撲でおきた事件は、その様子はとても似ています。ともに大勢の者どもが一人の人間に暴行を加え、殺しています。その証拠は亡くなった方の様子と、周囲の証言から明らかだということもハッキリしています。でも、一方は1か月以内に逮捕され、一方は4か月ほど経過するのにまだ逮捕者が出ない。どこに違いがあるのでしょう。
大相撲の事件は、愛知県警の初動捜査に大きな誤りがあったと指摘されています。搬送した消防隊からは「異常な状態」だと警察に通報されています。しかし地元の警察は簡単に病死と片付けてしまいました。その後分かったことですが、検死すら行っていなかったということです。
ご両親はご遺体となって帰宅した我が息子の姿を見て、病死とはとても思えず、新潟大学に解剖を依頼しました。任意の行政解剖です。ここで暴行が直接の死因であったことがはっきりとしました。解剖のあたられた法医学者は、初動捜査が間違っていた、というよりも、何もしていなかった、と痛烈に批判しています。
一人の人間が殴り殺されていながら、それが事件として捜査されず、長期間にわたって逮捕者すら出ないことを、どう考えればいいのでしょう。警察という公権力をあてにしてはいけないのでしょうか? 「警察なんて、そんなものだよ」という、あきらめにも似た言葉がどこかから聞こえてきそうです。でも、それでいいのでしょうか? そのままにしておいていいのでしょうか?
警察の問題は、とても大きなものがあります。でも警察だけではないようです。今回に事件にも、医者が書いた「診断書」(正確には「死体検案書」)が関わっています。医学的な根拠のない、いわばニセ診断書・・。私も同業者としてこの問題から避けて通れません。つづきは明日の「院長ブログ」で書くつもりです。
投稿者 tsukada : 23:59
2007年10月17日
ありがとう(*^_^*)
今日受診した患者さんからいただいた絵です。ありがとうございました。
こんなプレゼントをいただくのは、小児科冥利につきます。つい目尻を下げて見入ってしまいました。
なんだか、いつ死んでもかまわないくらいの気持ちに。もしかしたら・・小児科医を“殺す”方法を知っているのかもしれません(^_-)
投稿者 tsukada : 16:46
2007年10月16日
医療雑誌に紹介されました
アステラス製薬(株)が発行している医師向けの雑誌『INFECTION FRONT(感染症と闘う医療従事者のための情報誌)』に、塚田こども医院が紹介されました。
「やっぱり訪ねてみたいクリニック探検隊」という連載コーナーです。「急性期の病児保育を併設し、地域の子育て応援に全力。医療と福祉をつなぐ」というタイトルをつけていただきました。ちょっとこそばゆい感じがします(^^;)
PDFファイルでアップしてみましたので、よろしかったらご覧になって下さい。(文字が読めるかどうか、少し不安ですが)
投稿者 tsukada : 22:35
2007年10月15日
産経新聞
今月10日付け『産経新聞』の「体の悩み・聞いて効く」欄に掲載されたものです。遅くなりましたが、ご紹介いたします。
【3歳になった初孫のことでお尋ねします。2歳半ぐらいまであまり喋らず、心配していたのですが、こちらの言うことは理解しているようですし、最近は話し始め喜んでいるのですが、最近、吃(きつ)音が出てきて心配しています。”あ”と”お”を発音するときに多いように思います。下の子が生まれて、母親も大変そうです。吃音は放置していても大丈夫ですか? 神戸市 女性】
吃音はさかんに話を始める2、3歳くらいから始まり、とくに男子に多いようです。同じ言葉を繰り返したり、最初の音節を繰り返したり、途中でつっかえたりします。話したいことがたくさんあるけれど、それを言葉としてスムーズに伝えることができない状態です。
広い意味では言葉の障害になるかもしれませんが、本人はそれを意識していません。周りの大人がゆっくりと話を聞いてあげるようにしていると、しだいに上手に話をすることができるようになります。
いけないのは叱ったり、言い直させたりすること。それがプレッシャーになり、ますます緊張して、吃音がひどくなることもあります。さらに年齢が大きくなり、吃音を意識するようになると話すことをいやがったり、対人関係に恐怖をいだくようになってしまいかねません。親が神経質だったり、子どもに対して否定的だったりという養育態度が問題になることもあります。
大切なのは親をはじめ、周りの大人たちが子どもの話を余裕をもってゆったりと聞き、子どもが緊張せず、自由に話せるようにすること。会話することが楽しいことだと経験することで、コミュニケーションをうまくできるようになるでしょう。
お子さんの場合は下の子が生まれたことも関係しているかもしれません。この子と丁寧に関わることを、親御さんも家族の方もぜひ心がけてあげて下さい。
投稿者 tsukada : 18:50
2007年10月14日
紅葉はどこ?
週末、東京へ行ってきました。日本列島を日本海側から太平洋側まで横断です。
10月中旬というと紅葉が見頃・・と思っていましたが、信州でも山はまだ濃い緑色をしていました。多少色が薄れたところも見られましたが、もしかしたら松枯れなのかも。
日中は車内が暑くてクーラーをつけていました。どうも季節がヘンです。1か月ほど遅れて夏が終わり、やっと秋口になったかのようです。
この調子で冬が短く、雪の降る量も少なくてすめばいいな、と雪国の人間としては期待していますが、そこはどうなのでしょう。実際に冬になってみないと分からないですね。
投稿者 tsukada : 22:47
2007年10月13日
都内某所にて
田舎の人間にとっては、目がくらむようなまぶしすぎる光景です。夜というのに暗くない・・。
電灯が夜通しついているから安心。それとも、安心できないから電灯をつけておくのかな。
投稿者 tsukada : 23:59
2007年10月12日
白も赤も
伊勢の名物「赤福」が製造日を偽るなどの不正行為をしたと、今日のニュースは伝えています。出荷しなかった商品を冷凍し、数日後に解凍。包装を新しくし、この日を製造日として販売していたというものです。
社長の会見では、これは通常の製造工程だと説明しています。衛生上の問題がなければ、味がどうなるのかは分かりませんが、そんな作り方があったとしてもおかしくはないかもしれません。でも、やっぱり疑問に思います。
添加物などを使用しないで、創業300年の伝統を守ってきているというのがセールスポイントの「赤福」。一度製品になったものを冷凍し、解凍するという製法(?)が、代々伝わる伝統でないことは明らか。味が落ちるかどうかは分かりませんが、そんな加工をすることが「赤福」の名を汚すことにはならないのか、考えたことがあるのでしょうか。
社長は「製造年月日」とは書いていない、と主張していました。確かに包装に押してあるハンコは「謹製日」となっているよう。消費期限はその2、3日後の日付印が押されているので、問題はないと言っています。
でも買う方は、消費期限の数日前に作られたものだと「誤解」します。それがほとんどの方にとっての常識でしょうし、その「錯覚」をうまく利用していたんだな、と思ってしまいます。なかなかの“商売人”なのかも。
パチンコ屋の店頭に大きな文字で「本日開店10時」などと書かれたカンバンを見かけることがあります。意味するところは「今日は10時から開店」であって、「本日、新規開店」ではありません。でも、パッと見ると「今日開店するんだ!」などと思ってしまう人も多いでしょう。その「錯覚」をうまく利用(?)した、良くできたキャッチコピーと言えるのかも。
カンバンの話をもう一つ。以前、ある電気屋の外にあったカンバンに、大きな文字で「上越一安い店」とありました。でも、近寄ってみると、その下に小さな文字で「・・をめざします」とも。駐車場に面していたので、自動車が停まっていると下の文字が見えないようになるのも、良くできた(?)カンバンだと思ったものでした。
これらはどこかに知恵者がいて始めた広告の方法なのでしょう。偽装やウソとは言えないけれど、適切な表現とはいえません。でも、笑ってすませることもできそう。
しかし今回の「赤福」については、問題が大きいでしょう。本当に製造方法としても問題ないと社長が言っているとおりであれば、その製法(というより貯蔵?)方法をオープンにしていても良かったですよね。農水省が摘発し、メディアに大きく取り上げられてから、実はこんな方法だった、といっても、時遅し。言い訳にしか聞こえてきません。
北海道名物「白い恋人」が、同じような消費期限の改ざんで問題になったのは、つい先日のこと。「白」につづいて「赤」も不正をしていたというのでは、シャレにもなりません。
でも、こんなやり方で不適切に作られ、流通している食品が多いのでしょうね。分からなければそれでいい、って考えている人たちの心が、さみしいです。正直に生きていくって、今の世の中ではやはり難しいのでしょうか。
投稿者 tsukada : 23:45
2007年10月10日
保育学生
今日は午後から長野県立短期大学で保育士を目指して勉強されている学生さん5名が、当院のわたぼうし病児保育室を見学に来られました。わざわざ隣の県からお越しいただき、ご苦労様でした。
保育の授業で病児保育のことが話題になり、興味を持たれたそうです。近隣で病児保育施設を探してみたければ、長野県内ではあまり多くなく、県は超えるけれどぜひ実際に見てみたい、ということで来られました。
保育室の様子を見ていただき、その後、当院のプロモーション・ビデオであらましを学習。その後、私から小一時間ほどお話をさせていただきました。先日、自治医大で使った講演用のスライドや資料があり、それをそのまま使っての説明だったので、少し固い話になってしまったかもしれません。
保育士の仕事は普通は健康な子どもたちを相手にします。時間帯は昼間が普通ですが、最近は夜や日曜など、以前よりも拡大してきています。そういった「普通の保育」に加えて、病気の時の保育(病児保育)も始まってきました。でも、それがどんなものなのか、必要性はほんとうにあるのか、子どもたちにとって良いことなのか、など、知識として知っていただけであり、疑問に思うことも多かったのではないでしょうか。
今日、実際に病児保育の現場を目の当たりにし、それを担っている保育士の生の声を聞き、そして私からの説明を受けて、疑問が氷解し、病児保育がどんなものかということをしっかりと体感できたでしょうか。まだ学生さんですから完璧に分からなくてもけっこう。でも、多少なりとも目指す保育士のイメージが、豊かにふくらんでくれたとしたら嬉しいです。
まだ若い学生さん方ですが、保育の仕事に自分の一生を捧げよう(←表現が古い! 今の若い子たちには通じない、って言われそう)という志を、より高く、そして長く持ち続けてくれれば、と思います。今日は遠くからわざわざご苦労様でした。
小児科医院でありながら、保育学生さんがときどき見学や実習に来られています。こんなところって、あまりないですよね。おかしな医院です(^^;)
今思い出しました、一つ失敗したことを。そんな彼女たちと記念撮影をするのを忘れていました。私のエネルギーになるはずだったのに。残念(T_T)
投稿者 tsukada : 23:23
2007年10月09日
アンハッピー・マンデー
連休明けの小児科外来は、ときに殺人的(?)な混雑をします。まだ冬ではないというのに、今日はそんな1日でした。
数年前から始まった「ハッピー・マンデー」は、本当に困ったものです。祝日を月曜にずらして連休にするという制度。年間で数日、そんな日がありますが、そのためもあって先月から月曜休み3回も続きました。
それがなくてもお休みの前後は混み合うもの。連休になるともっと加速されます。平均的に来院していただければ、お互いの苦労も少なくなるというものですが、それができないのは急性疾患がほとんどを占めている小児科の特徴です。
先月、ある全国紙に掲載された投書に、患者さんの立場からも月曜休みは困るとありました。病院では曜日によって診察医が決まっていて、同じ曜日がいつも休みだと、主治医の先生の診察がなかなか受けられない、と。本当にそうですよね。祝日はランダムになっていないと、公平性がありません。
この投書はさらに続きます・・祝日の月曜も、病院は外来をせよ、と。ちょっと待ってください! 月曜休みの不便さは医療機関の責任なのですか? それを法律で決めた国の問題なのではないですか。
私のような診療所レベルでも、外来を行うとしたら医師だけではできません。看護師、医療事務など全てのスタッフを動員しなければ診療は不可能。病院レベルであれば、もっと多くの職員が参加することになるでしょう。普通の日と同じ体制になるはず。その人たちの(私も含めて)休みを、いったいどうすればいいの?
確かに月曜休みで困っている患者さんが多いのは承知しています。でも、それは私たち医療関係者もそう。結論は、ハッピー・マンデーの見直ししかないように思うのですが、いかがなものでしょう。
投稿者 tsukada : 23:59
2007年10月08日
コウテン
昨日の暑いほどの「好天」から一転して、今日は時より強く雨の降る「荒天」でした。わずか1日でずいぶんお天気が変わるものですね。
「好天」も「荒天」も、どちらも読み方は「コウテン」。耳で聞く限り区別はつきません。
子どものころ、ニュースなどで「コウテン」という言葉を使っていることを不思議に思っていました。例えば「コウテンのため、フェリーは欠航です」・・この場合はお天気が悪いという意味だから「荒天」。
新聞など文字で伝えるメディアは問題ないけれど、ラジオ、電話など音声で伝えるメディアでは不適切な言葉だといえます。テレビでも、アナウンサーが読むのであれば使わない方がいい。
言い換えも簡単です。「天気が悪いから」「海が荒れているから」。文字で書かれた原稿をそのまま読むからそうなるのでしょうね。一人ひとりがちゃんと考えていないからかな。
先の例文では、「ケッコウ」にも子どものころは良くひっかかっていました。「雨天決行」という場合の「ケッコウ」は思い切って進むこと。船が「ケッコウ」するのは進まずに休むこと。意味が180度違います。
それらは発音の種類が少ない日本語の宿命。前後の文脈を読みながら意味を考え、あてはまる文字としての言葉をイメージしながら話を聞いています。あまり意識せずにそれがしているんですね。
でも、相手のことを思いやる気持ちがあれば、誤解の生じない話し方をするものだと思います。とくに、どんな人たちが聞いているか分からない不特定多数へ伝えるメディアの場合には。
もっとも、「ケッコウ」のことは私が子どもの頃に感じたことなので、今はどうか分かりません。みんなが気をつけて使っていればいいのですが、どうでしょう。
投稿者 tsukada : 23:59
2007年10月07日
秋晴れ!
まぶしい日差しが降り注ぐ秋の一日になりました。近くのグラウンドでは市民体育祭が開かれ、大きな声(元気というよりうるさいくらい?)が聞こえてきます。
公園にも子どもたちが大勢遊びに来ていました。私も愛犬をつれてお散歩に。本人(本犬?)も喜んで過ごした秋の日。記念に写真をアップしておきます。どうぞご覧下さい。
投稿者 tsukada : 15:20
2007年10月05日
先生の先生
すでに医師として経験をお持ちの方の研修のお手伝いをすることになりました。市内のある病院で、専門分野以外の研修を受けておられる先生に、小児科外来の仕事を見ていただくというものです。
外科系の医師を長くされてこられた先生で、今回は内科系の研修を受けておられます。その病院には小児科がないため、私のところに話が回ってきたという次第です。
今日はその初日。午後の半日をお相手させていただきました。とりあえずは院内にご案内。子育て支援として併設しているわたぼうし病児保育室も含めて、施設を見ていただき、その後は院内で行っている検査のあらましを説明。その後は私の隣にいていただき、診察の様子を見学してもらいました。
子どもの診察は要領があるので、見てもらいながら、こんなふうにしているんだ、っていう感じをつかんでもらえれば、と思っています。ちょうぞ喘息発作を起こしやすい季節なので、発作時の所見の取り方、病状の見方、対処の方法なども見てもらいました。
2か月の間、こんなふうにして小児科外来を経験してもらいます。この先生がどんな仕事をされるかは分かりませんが、子どもたちの診療をするときに、上手に接することができるようになればいいな、と思っています。
でも偉いな、と思うんです。すでに一つの科で仕事をし、専門医になっていると、他の科のことなど、あまり勉強しなくなります。興味がわかなくなったり、必要だと思ってもなかなかその時間がとれなかったり。
小児科医として仕事をしてはいますが、大学にいるような研究や教育を専門にしているわけではないので、どこまで教えてあげられるか、正直に言って自信があまりありません。でも志の高い先生のために、頑張ってみようとお思っているところです。「先生の先生」として。
投稿者 tsukada : 23:59
2007年10月04日
明日できることは・・
明日が締め切りの仕事がありました。産経新聞の健康についての質問に答えるコーナーの原稿です。以前に一度書いたことがあります。その時は「自家中毒」。今回は「吃音(きつおん=どもり)」についてです。
私は発達や言葉などについての専門医ではありませんので、詳しいことを聞かれてもうまく答えることができません。でも質問を読んだとき、一般医としてお話をすることだけでも十分にお役に立てそうだと思い、お引き受けしました。
その内容は紙面に掲載されたあと、またお伝えしようと思っています。その時にはどうぞお読み下さい。
明日締め切りという原稿を、つい先ほど書き上げました。取りかかったのも今日の外来が終わってから。ずいぶんのんびりしていたものです。
一応は関係する医学書などを読んだり、コピーを取って下調べは少しずつしてありました。でもそれを原稿にまとめる作業は・・やっぱり前日になってしまいました。
いつも何だかんだと言い訳をしながら、すべき仕事を先延ばししています。同じ時間をかけるのでも、もっと前なら余裕をもってできるはずなのに。それなのにやっぱり締め切り間際の仕事・・。ギリギリにならないと動き出さないという性格は、天性のものでしょうか。
でも最近思うことがあります。「今日できることを明日に伸ばすな」という格言(?)を以前は自分に言い聞かせていました。疲れたな、もうイヤだな、と思う時でも、もう少しやっておいた方がいい、頑張ってもう一踏ん張り。
ずっとそうして来ましたが、この頃は「明日できることを今日しなくてもいい」などと考えることもあります。無理してやりきらなくてもいい。というより、無理が利かなくなってきたのかもしれません、年齢的に。
それに「今日しようと決めていたことが思うようにできなかった」と自分を責めてしまっていたのも、イヤになりました。典型的なマイナス思考です。順調にこなせているときにはいいのですが、ひとたびうまくことが運ばなくなると、その反動でドンと疲れてしまいます。自分をますます嫌いになってもきます。
今日の原稿書きにように、結局直前まで仕事に取りかかれないことも多々あるのだから、それを予定通りと思っていれば、手つかずにいることにイライラすることもなくなるのでは。
そんなこんなで、明日締め切りの原稿を前日中に(限りなく真夜中に近いですが)送ることができました。期限が明日の夜中だとしたら、24時間以上の余裕をもっての提出です。私にしては良く頑張りました(^^;)
投稿者 tsukada : 23:59
2007年10月03日
寄り道
水曜午後は“外回り”の日。今日は近くの保育園で、秋の健康診断をしてきました。子どもたちの元気な様子を見ていると、癒されますし、元気をもらいます。
でも昼食後の一番眠い時間帯。お天気も良くてポカポカ。100人以上の子どもたちを順に診察するのもけっこう大変でした。
帰りは医院への道を逆に走り、海岸に出てみました。急ぎの予定がなかったですし、ちょっと気分転換に寄り道です。
日本海の波が、穏やかに打ち寄せていました。あと数か月もすると荒々しい波になるのですが、今日は波までが“小春日和”。海岸近くに停めた車の中で、ついうとうとしてしまいました。
こんなふうに海岸まで来たのは、今年は初めてでした。港町で仕事をしているというのに、海には縁のない生活をしています。夏の海水浴にも来ていません。
ニュースでは、今夏の海水浴客は半減したとか。7月におきた中越沖地震が関係しているようです。柏崎市にある原子力発電所で微量の放射線漏れ事故がありましたが、環境にはとくに影響はないのではありますが、「新潟の海は危ない」というような思いこみが広がってしまいました。「風評被害」です。
私自身も海水浴に出ていませんが、それはもう10年ほど前からそう。子どもたちが小さかった頃に連れて行ったことがありますが、大きくなってからは一緒にも行っていませんし、まして一人で行ったりもしていません。意外かもしれませんが、地元の人たちは“いつでも行けるから”と思って行かないようなのです(結果としてはずっと行かないのですが)。
秋口で朝方の気温が下がってきましたが、子どもたちは一年で一番健康状態の良い頃のようです。小児科医も、少しゆっくりさせてもらっています。あとわずかで“激戦”が始まるでしょう。しばしのペース・ダウンです。
投稿者 tsukada : 16:40
2007年10月02日
ニセ医者
今日のニュースで「岐阜県でニセ眼科医を逮捕」とあり、目を疑いました。今の日本で、医師免許を持たない者が堂々と診療所を開設し、診療行為をしていたとは(>_<)
この“眼科医”、大学も医学部とは関係がなく(どこぞの大学の神学科を中退とのこと。しっかり「神」を学んでいれば、その後に「神をに恐れぬ行為」には及ばなかったかも)、少しばかりどこかの眼科診療所に勤めたことがあるだけだとか。
「医学知識」は独学とのこと。そりゃそうでしょうね、医学部できちんと医学を学んだり、医師国家試験を受けてもいない者に、医療のことを教える者もいないでしょう。少しでも専門的な話をすれば、相手の素性が分かってしまいます。(勤務していた眼科診療所で何をしていたのか、詳しいことは書いてありませんが、まさかここで「医者扱い」されたのでは??)
医師免許証は偽造。ネットで他人の免許証をゲット(そんなのをネットに公開しておく人がいるのも驚き)し、名前などを書き換えて自作したのだとか。保健所には診療所の開設届けをしなくてはいけませんが、コピーですませたとか。原本の確認は当然のことだと思うのですが、どうなっていたのでしょう。この保健所の担当者がたまたまそれで良しとしてしまったのか。「人を疑ってはいけない」という信条の持ち主だったのかもしれませんね。
診療所は医者一人でできるので、ひとたび開設してしまえば、内部から疑われることはないかもしれません。でも、患者さんからはどうなのでしょう。やっぱり診療技術は稚拙でしょうし、カルテだってちゃんと書けていないに決まっています(私のカルテもそう??)。
今回の事件がどうして発覚したのか、詳しくは分かりませんが、やはり外部情報からなのでしょうね。「あの眼科医、やっぱりおかしいよ」などというウワサが広まっていったのかもしれません。
そんなニセ医者の話は今回だけではありません。ときどきニュースになっているようで、医者の仕事をよっぽど簡単で、甘い汁を吸っているのだと思われているのでしょうね。心得違いもはなはだしいです。
でも、ニセ医者だというのが分かって逮捕されたけれど、地域の人たちはそれを残念がっている・・私が医学生のころ、実際にあった話です。それは「無医村」でのこと。やっと来てくれた診療所の医者が、実はニセ者だった。確かにカルテは日本語ばかりで専門用語はなく、診療の内容もそれほど高度なことはしていなかったようです。その分、患者さんの話をとても良く聞いてあげていたというのです。
医者というよりもカウンセラーのような存在だったのかもしれません。ニセ医者だと分かっても、でも自分たちの話をとても良く聞いてくれたし、親身になってくれた、だからいなくなっては困る、というのです。
医療法に違反していることは別として、確かに地域の人たちにとっては一定の役割を果たしていたんですね。いや、ある面では「医者以上のこと」「医者がなかなかしてくれないこと」をしていたのかもしれません。
そんな話を聞ききながら、自分は「ニセ医者以上の医者」にちゃんとならないといけないな、などと思った医学生時代でありました。それから30年ほどたち、今医者として仕事をしています。さあ私は「ニセ医者を超える本物の医者」になっているでしょうか。初志を今でも持ち続けているでしょうか。少し反省しなくてはいけないかもしれません。
投稿者 tsukada : 23:59
2007年10月01日
インフルエンザは必ず・・
(当院の掲示より)
投稿者 tsukada : 18:22
シンポジウムから
シンポジウム「身近かなボランティア活動」について
早見 優さんは子どものころハワイで過ごしていました。キリスト教が生活の中に根付いているためなのでしょう、ボランティア活動も市民の生活の中で「当然のこと」として息づいていると話されていました。彼女の友達でボランティアをしていない人はいない、と。
細川佳代子さんが、日本人はボランティア活動が良いことだと思っても、そのままになっていることが多いと指摘されていました。正しいと思ったことを実行する勇気が、日本人にはない、と。ぜひ一歩前に出る勇気を!
日本では「ボランティアは一部の特別な人たちがするもの」「目立ちたいとか、何かの利益を求めているのではないか、といった見方をされてしまうことがよくある」「それがいやなので、自分から積極的になれない人が多い」・・そんな指摘もされていました。
一方で、ボランティアに命をかけてしまうような行き過ぎた人もでているとか。「悪魔」ならぬ「善魔」ともいえるような人がいると、ボランティア活動の支障になってしまうこともあるのだとか。
私は、日本人の陥りやすい考え方として「出る杭は打たれる」「赤信号、みんなで渡れば怖くない」といった名言(?)を例に出し、自分の考えをしっかりもって、それを実行していく力が日本人にも必要だとお話ししました。モラルが低下していると問題になっている日本の社会ですが、「みんながしているから大丈夫」などと考えるのも大いに問題。
いじめについても、モラルに反する行為(時には犯罪行為)が行われていることをクラスの友達も、そしておそらく教師たちも知っていて何もしない「傍観者」になってしまうのも、日本でいじめがこれだけ大きな社会問題になった理由ではないか。そんな指摘もしました。
シンポジウムの締めの言葉は「絆」について。この漢字は「一本の糸を二人で半分ずつ持ち合う」という意味。二人が心を通いあわせて持ち合うことが大切だという意味。ぜひ多くの人たちと「絆」を作っていってほしいとお願いしました。(ちゃっかり、今秋公開予定の映画『絆』の宣伝もしておきましたが・・)
早見 優さんに直接お会いするのは、これが2回目。とてもきれいな方ですね。ひな壇では隣だったのですが、ぽーっとしていました(^_^;)
主催者からは、塚田先生は謝礼は寄付でいいよね!って言われて・・交通費をいただいただけだったので、せめてもの自分へのご褒美に、早見さんとツーショットを撮らせていただきました(^^)
投稿者 tsukada : 11:18