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2007年11月30日
ひかりちゃん
映画『絆』のもう一人の主役が須田ひかりちゃんです。さくらちゃんという子どもの役をしっかりと素敵にこなしました。
母親に捨てられたあと、具合が悪そうだということで小児科を訪れます。そこで私が受診するというのが映画のストーリーです。
一場面の撮影ですし、できあがった映画の中ではほんの少しだけでした。でもその時に出会ったひかりちゃんが、とても可愛くて、できることならまた会いたいな〜とずっと思っていました。
上越市での先行上映会にひかりちゃんがご家族と一緒に来られ、再会することができたことは、先日の院長ブログでもお話ししたところです。
短い滞在時間でしたが、私もちょうど時間があったので、上越市内を少しだけ一緒に回ってみました。その時の写真をご紹介します。
撮影の時に訪れた市内のいくつかの場所へ一緒に行ってみました。その時には「仕事」だったので、どこに行っていたのかも分からないくらいだったとのこと。
今回は少しゆっくり回ってみてもらい、その時の記憶もよみがえってきたようです。日本海の海岸、高田城跡公園やその中の三重櫓。「また来てみたい!」って言ってくれました。
私にとってもひかりちゃんと一緒に過ごせたことがとても嬉しかったです。これってプチ・デートだったのでしょうか(*^_^*)
投稿者 tsukada : 19:15
2007年11月29日
重装備の診療所
小児科外来の様子は急激に変化しています。一昔前は聴診器一本で診察し、検査などをすることもほとんどありませんでした。診療所のことを英語で「office」と呼ぶことがありますが、そのイメージ通りだったといってもいいかもしれません。
しかし今は様変わりしています。検査も機器も多くなり、処置もたくさんするようになりました。重装備の診療所です。
多くの検査機器の中でもっとも頼りにしているのが「血球検査+CRP」という器械。もともとは別の検査で、それぞれが感染症の重症度や推移を知るためにとても重要な項目です。急性の感染症が多い小児科外来では必要性が高い検査です。
血液をとらせていただき、それを2つに分けて処理をし、2つの検査器械を使うのが本来の方法。当院でも以前はそうしていました。
でも頭の良い人がいるものですね。2つの器械を一つにしたものができました。今から7年ほど前のことです。その話を聞いて、すぐに医院に導入。新潟県内ではほとんどトップだったようです。
それ以来、当院ではこの器械が大いに活躍しています。でもこういった器械物は故障がつきもの。もし使えなくなると、その日の診療に支障がでてしまいかねません。それくらい大切な検査です。
そこで同じ器械を2台導入。もし1台が動かなくなってももう1台が生きています。ノンストップで検査が可能になったことで、私も安心して診療ができています。
でもそんなふうにしている小児科医院は、全国で珍しいようです(当院だけ?)。さらにこの器械が5年ほどたち、新しい物に交換しました。もちろん2台体制です!
今回、メーカーから広報紙に当院の取り組みを紹介したいというお話がありました。取材を受け、完成したのがこの紙面です。どうぞご覧になって下さい。
投稿者 tsukada : 10:12
2007年11月28日
嬉しい再会
映画『絆』の一般の方向け先行上映会が昨日から行われています。1日2回公演、ここ2日間で4回の公演になりました。
とても多くの方からお越しいただき、嬉しい限りです。私もできるだけ会場にいるようにしたのですが、何人もの方からお声をかけていただきました。
これから役者として生きていく・・わけではありませんが、とても良い体験ができたと思っています。今後に少しでも活かしていきたいものです。
この試写会の期間中、一番嬉しかったのは映画で“共演”させてもらった子役の子が訪ねてくれたことです。映画の中ではさくらちゃんと呼ばれていて、小児科医に扮している(!?)私が診察をしています。
今回の試写会にお呼びしていたわけではないのですが、ぜひ完成したばかりの映画を観たいというで、わざわざ東京からご家族でいらっしゃったというのです。
そして昨日医院で診療していたところ、上越におられるという連絡をいただき、撮影の舞台にもなった医院にも足を運んでもらいました。そしておよそ半年ぶりに再会することができました。
「つかだせんせ〜い!!」って明るい声で私を呼んでくれました。撮影の中でほんの少し一緒になっただけなのに、覚えていてくれたんですね。それもとても嬉しいことでした。
記念に撮らせてもらったツーショットです。とてもにこやかに笑ってくれています。この笑顔を見せてもらうと元気になります。
ほんとうにありがとう! これからもいっぱい、いろんな作品に出て、有名になってね(^^)/ 遠くから応援しているからね!
投稿者 tsukada : 23:59
2007年11月27日
『絆』完成報告試写会
昨夜は映画『絆』の完成報告試写会が上越市内で行われました。映画の作成にかかわった人たちが招待され、みんなでお祝いをしました。
試写に先立ち、恒例のご挨拶です。トップバッターは制作委員会委員長、次が上越市長。
松生監督からはこの映画に出演した地元の人たちの紹介をしていただきました。
恥ずかしながら、私もちょっと出演したので一言ご挨拶をさせていただきました。撮影の時も緊張しましたが、舞台の上も冷や汗。よっぽど普通に小児科医の仕事をしていたほうが楽です。
今日からは一般の方にも観てもらえます。多くの方にお越しいただけるといいな、と思っています。上越市内の方、ぜひ会場に足を運んでくださいね。
投稿者 tsukada : 18:32
2007年11月25日
小春日和の公園
予想通りの慌ただしい土曜から一夜があけました。今日はとっても良いお天気。先日の降雪がウソのようです。
朝から近くの公園に散歩の出かけました。もうすっかり晩秋の風情ですが、暖かな日差しがとても心地よかったです。
アヒルたちも日向ぼっこを楽しんでいるようでした。
明日はまた休み明けで忙しいことでしょう。月末の仕事もいろいろと。
そして映画『絆』の先行上映会もいよいよ始まります。明日の夜は関係者だけの限定上映会。松生監督が東京から来られ、上映前に挨拶をされる予定です。
風のうわさでは(?)私も舞台挨拶に立つのだとか。緊張しそうです。
投稿者 tsukada : 14:44
2007年11月23日
勤労感謝の日
今日は祝日。「勤労感謝の日」にあたります。最近は月曜お休みの祝日が多くなったので(ハッピー・マンデー)、金曜の祝日は珍しいですね。
飛び石連休の初日になります。「週休2日」の方々にとっては、今日から3連休。その意味ではハッピー・マンデーと同じなんですね。
こちらはカレンダー通りに仕事をしている身。明日の土曜は普通に仕事です。外来診療は午前のみですが、午後からはインフルエンザ予防接種の特設外来。夕方までビッチリ予約が埋まっています。
飛び石連休の真ん中にあたるので、小児科はどこも混雑することでしょう。病院の外来も土曜はほとんど休んでいるので、開業医はフル回転。その外来がお昼でちゃんと終わる保証がないので、いったい明日はどうなるやら。今から気をもんでいます。
気力と体力が勝負になりそうな明日。そのために今日はゆっくり休むことにしましょう。何しろ「勤労感謝の日」なのですから(^^;)
投稿者 tsukada : 08:03
2007年11月21日
医薬分業と医療費
病院や診療所を受診したあと、お薬をどのようにしてもらっていますか? 最近は「処方せん」を発行してもらい、それをもって調剤薬局に行き、そこで薬を作ってもらうことが多くなってきました。これを「医薬分業」といいます。
日本では以前は院内処方が普通でした。「医者にかかる」ということと「薬をもらう」ことが一体というのが“伝統”だったともいえます。
欧米では歴史的に医薬分業が当たり前。薬剤師の業務が確立していたので、医者の仕事は薬の内容を決めることまで。実際に薬を扱うのは薬剤師であり、そのための専用の薬局が整備されていました。
日本でも医薬分業をもっととりいれようという動きが、ここ20年ほど活発になってきました。そのほうが医薬品の安全管理も十分にできるし、副作用がおきる危険も少なくなるからです。
医薬分業が急速に進み、現在では外来患者の50%以上に処方せんが発行されるまでになりました。薬剤師の地位や、薬局の業務が確立されてきたと考えると、喜ばしいことです。しかし患者さんの立場にたつと、医薬分業が本当に良いことなのか、今でも疑問に思っています(だから当院はまだ院内処方で頑張っています)。
さらに、医薬分業が進むと医療費が高騰することがあまり知られていません。院内処方と調剤薬局の診療報酬にはとても大きな格差があります。院内はとても安く、薬局はそうとう高く設定されています。
医薬分業を推進するという国の政策で決められたことです。「利益誘導」と私たちは呼んでいますが、院内処方を続けると医療機関の経営は苦しくなり、院外処方を選べば医療機関も増益になり、調剤薬局も繁盛するのでより多くの薬局が開店するという構造です。
医薬品を扱うことでの利益は、今はほとんどありません。建前では7%に設定されていますが、消費税5%を払うと正味2%。これでは在庫管理もできません(消費期限が過ぎて廃棄する薬剤も少なくありません)。むしろ赤字になるのが、現在の価格設定です。
正当な技術料がなければ、院内薬局も調剤薬局も経営が成り立ちません。保険で支払われる報酬を見てみると、調剤薬局には多くの技術料が作られています。薬局が適正に運営されるためには必要だという考えなのでしょう。そうであれば、院内薬局の報酬がとても低く設定されていることに合理的な根拠はありません。
その結果が院内処方から医薬分業への大転換なのですが・・忘れていけないのは、その分、医療費が大きくなっていることです。一方で財政難から医療費全体の大きさは変えず、むしろ小さくしようとしています。当然起きてくるのは、医療機関への圧迫です。
医療機関が廃業に追い込まれたり、一部の科をやめざるをえない状況があります。医師不足など、さまざまな原因が関係していますが、その一つに、医薬分業の進展に伴う医療費増加を医療機関に負担させていることを見逃すわけにはいきません。
こんなところにも、日本の医療行政の貧しさが現れているように思います。そして最大の被害者は患者さんであり、国民みんなです。
こんな点も医療のあり方の中で議論してほしいので、参考になる資料を作りました。私が所属する新潟県保険医会の求めによって作成したもので、近日中に国会議員との会合で問題提起する際の資料として使うそうです。
一般の方には分かりづらいかと思いますが、PDFファイルにしてアップしましたので、ご覧になって下さい。その違いにビックリするはずです。
投稿者 tsukada : 10:28
2007年11月20日
暖め続けて13年
お天気が急に悪くなり、一挙に冬になったよう。つい先日までは、夏が長びいているとか、秋のおとずれが遅いとか言っていましたが、大間違いでした。
気候の変化が極端。夏は猛暑でした。雨が降れば豪雨。台風も甚大な被害をもたらしました。さてこの冬はどうなるでしょう。やはり豪雪になるのでしょうか。心配です。
「地球温暖化」が気候の激変に関係しているとか。もしそうだとしたら、遠い将来の話ではなく、今の地球がすでにおかしくなっているということ。原因究明や対策を急がないと。
一昨日のブログの続きです。拙宅の薪ストーブの話をします。このところ寒くなり、使い始めたのは先日書いた通りです。
実はもう少し前に使おうとして、ショッキングなことが判明しました。薪ストーブの中にあるダンパーという部品が壊れていたのです。
使っている薪ストーブは二次燃焼室があり、薪を燃やしてできたガスを再度高温で燃焼させる構造になっています。そのために排ガスがとてもきれいになり、熱効率も向上します。
薪を燃やし始めたすぐはまだストーブが低温なので、とりあえず排ガスは煙突にそのまま逃がします。ダンパーという蓋を開けておくと、そのまま煙突に抜けていく構造です。ある程度高温になってから、このダンパーを閉じると、排ガスが二次燃焼室に流れ、そこで再度空気を混ぜて燃やします。
こういった構造をしている薪ストーブは環境にも優しく、性能は高いということになります。そこが気に入って買ったのですが、欠点もありました。内部の構造が複雑になるため、もし壊れたときに容易に修理できないこと。また、どうしても故障が多くなってしまうようです。
ストーブのトップ部分を外して中を確かめようとしたのですが、ネジが固くなっていてとても素人では無理。ストーブの専門店にお願いをすることになりました。
市内にも薪ストーブ屋さんがあるので連絡するとさっそく来てくださいました。部品の交換が必要だけれど、とても現場ではできないとのこと。工場に持ち帰ることになるけれど、修理に3か月くらいかかるという話。さらに、修理費用は新品のストーブを買うのと同じくらいになるでしょう、と。
それではこの冬に間に合いません。せっかく夏場に薪の準備をしておいたのに。何より、私にとって冬場の唯一のお楽しみといっても過言ではない薪ストーブをいじれないのでは、春まで生きて行けないかもしれません(ちょっとオーバーですが、気分的には本当・・)。
ストーブ屋さんと相談をし、新しい薪ストーブに交換してもらうことにしました。それまでの間、やや難があるのですが、もう少し今のストーブを使っています。
我が家は築13年。ということは、この薪ストーブは13回の冬を、私たち家族に暖かさをもたらしてくれたことになります。ストーブ全体の寿命ではないので申し訳ない気持ちと、慣れ親しんで家族の一員のようになっていた薪ストーブを失うことになるという寂しい気持ちが混ざり合っています。
工事は来週に予定。それまで「最後のお仕事」をしてもらうつもりです。よろしく。
PS
これまで使っていた薪ストーブは下取りという形になります。おそらく部品を交換し、メンテナンスも行って、第二の人生(?)を歩むことになるのでしょう。いずれどこかの家で薪を燃やしていることでしょう。そんな日が来ることを、夢見ています。
お気に入りのこの薪ストーブは、映画『絆』に少し出てくると思います。ストーブの置いてある居間で収録があり、その場面が映画のメインの一つになっているようなので。来春に全国で公開される予定ですが、上越市で来週から先行上映されます。“名脇役”になっているかどうか、ぜひご覧になって下さい。お楽しみに。
投稿者 tsukada : 13:28
2007年11月18日
木枯らし一号
今日は冷たい雨が吹き荒れていました。新潟では少し山の方で雪になり、積もっているようです。東京などでも今秋初めての「木枯らし」が吹いたとのこと。日本列島はいよいよ冬に突入しそうな気配がしてきました。
こんな寒い日は、家の中で暖かくしているのが一番。我が家では薪ストーブが、今シーズン初めての出番となりました。
目で見ているだけでも暖かそうでしょう。室内は半袖でもいられるくらいになります。犬も室内に入れたら、しっかりストーブの前で昼寝をしていました。“毛皮”を着ていても、やっぱり暖かいところが好きなんですね。
灯油価格など、燃料費が高騰しています。寒さがつのる雪国ですが、その分、薪ストーブは大活躍しそう。頼もしい限りです。でも・・
この薪ストーブに思いがけないトラブルが出現。それはいったい・・? (明日に続きます)
投稿者 tsukada : 14:33
2007年11月17日
秋が深まってきました
今朝の高田公園です。手前のお堀の蓮は、もうすっかり枯れています。遠くに見える妙高山も冠雪し、白くなっています。
明日からは寒波が入り込み、もしかしたら初雪が降るかも。そんな天気予報を聞いて、朝早く散歩にでかけました。
公園内のブロンズ像も雪囲いをしてもらっています。これで暖かく冬を過ごせそうですね。
いつも思うのですが・・なぜ裸の像ばかりなのでしょう、それも女性のものが大半。子どもの像もありますが、男性はなぜか見かけません。
公園という場所にふさわしかどうか、そんな議論もおきそうですよね。もっとも地方の小都市では、そんな「堅苦しい」ことを気にする人はいないのかもしれませんが。
投稿者 tsukada : 08:48
2007年11月15日
>^_^<
投稿者 tsukada : 17:30
「リタリン」その後
「リタリン」という薬がADHD(注意欠陥多動性障害)の子どもたちに使えなくなりそうだという話は、以前の「院長ブログ」で書きました(11月2日)。このHP内の「ゲストブック」にも、ADHDのお子さんのお持ちの親御さんからこの件についての書き込みがあり、読ませていただきました。
行政の動きが必ずしも見えてこないのですが、流れとしてはADHD治療薬は、これから発売される「コンサータ」だけになってしまいそうです。
やはり、基本的にはこれまでリタリンの適応症にADHDを追加していなかったという点で、製薬会社と厚生労働省が社会的責任を全うしていなかったのだと思います。この件について、私の所属する新潟県保険医会を通じて厚生労働省に文書で要望書を提出しました。
これで厚労省が動くかどうかは分かりませんが・・。参考までに文書を掲載します。
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平成19年11月12日
厚生労働省医薬食品局
総務課長殿
審査管理課長殿
安全対策課長殿
監視指導・麻薬対策課長殿
新潟県保険医会
小児ADHD患者に対するリタリンの使用についての要望書
「リタリン」(一般名「塩酸メチルフェニデート」)の乱用が社会問題になったことに伴い、その適応症から「うつ」を削除し、「ナルコレプシー」のみを適応症とすること、また、流通管理を強化し、リタリンの処方ができる医師を、リスト化された医師・医療機関・薬局に限定する通知が10月26日付で発せられました。
しかし、リタリンはADHD(注意欠陥多動性障害)の治療薬であり、小児の患者に広く用いられています。薬事法上の「効能・効果」としてADHDはありませんが、薬理作用上効果が認められており、厚生労働省も保険診療として使用してかまわないとする通知を出しています。(「医薬品の適応外使用に係る保険診療上の取り扱いについて」保険発第0921001号、平成19年9月21日)
もし、処方できる医師をナルコレプシーの診断、治療に精通した専門医のみに限定してしまうと、一般の小児科医は使用することができず、結果として大多数のADHD患者の治療が中断してしまうことになります。
ADHDに適応をもつ薬剤として「コンサータ」が近く薬価収載されるといわれていますが、この薬剤は徐放製剤であり、分割や粉末にして使用することができず、小児に広く使えるとは限りません。また、その流通管理もリタリンと同様に扱われることとされています。
このような事情から、リタリンを引き続き小児のADHD治療薬として使用するため、会員の小児科医から寄せられた下記の事項について善処下さるよう要望します。
記
1、リタリンの流通管理について、乱用を防ぎながら、一方でADHDの治療にあたる小児科医などもリストに参加でき、従来どおり使用できるよう柔軟に対応すること。
2、リタリンにADHD治療の適応を申請するよう、ノバルティスファーマ社を指導すること。
3、コンサータの流通管理にあたっても、小児のADHDの治療に支障をきたさないよう、処方医のリスト化にあたっては柔軟に対応すること。
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投稿者 tsukada : 17:10
2007年11月14日
水曜午後のお楽しみ
水曜の診療は午前のみ。午後からは市役所の赤ちゃん健診、保育園や学校の検診など、いわば「外回り」の仕事をすることになっています。
医院の診療だけでも疲れるのに、他の仕事は引き受けたくないな・・そう思うときもあります。でも、小児科医でなくてはできない仕事ですし、私に求められているわけですから、その一つひとつを丁寧にこなしていくのも必要でしょう。
そして「外回り」をしていると、楽しいこともあります。医院の中で一日を過ごすことがほとんど。蛍光灯の下だけで生きているようなもの。でも、外に出ると新鮮な空気を吸い、太陽の光を浴びることもできます(自動車の中からですが)。
受け持っている小学校までの道中も、自然を楽しむことができます。国道を走りながら、日本海の様子を見ることができます。小学校は少し山の方に入っていきますので、今の季節は紅葉も楽しめます。
紅葉は今が一番見応えがあるかもしれません。向こうに見えるのが小学校ですが、自然がとても豊かだということがよく分かりますね。この川には、なんと鮭が上ってくるのです。近隣の子どもたちは、それを目にしながら登校しています。
今日は小学校への就学前健診。来年4月にピカピカの1年生になる子どもたちの診察を行ってきました。今は保育園の年長さん。ほとんどの子どもは私がかかりつけなので、その元気そうな様子を見ることができ、とても嬉しかったです。
ちょうど体育館ではアカペラの生演奏を、子どもたちが楽しんでいました。市内の上越教育大学の学生さんたちが結成しているユニットです。私も健診が終わったあと、少し聴かせてもらいました。その迫力ある、そしてきれいな歌声に、子どもたちや先生方は圧倒されていました。
もちろん私もそうです。生の歌声を思いがけず聴くことができ、とてもラッキーでした。私も歌いたくなりました。家に帰ったら、しばらく使わなかったギターを引っ張り出してこようかな(*^_^*)
投稿者 tsukada : 19:03
2007年11月13日
ある画家との出会い
投稿者 tsukada : 18:18
2007年11月12日
左腕が痛む理由
「一週間」が始まりました。休み明けはいつものようにバタバタ。風邪ひきさんも増えてきています。今週は新潟はずっと雨模様。一雨ごとに冬が近づいてくることを肌で感じています。
忙しいのはインフルエンザ予防接種が佳境に入ってきたからでもあります。10月下旬から始まりました。当初はそれほど多くありませんでしたが、今月に入ってからは希望される方が多くなっています。
当院ではインフルエンザ予防接種を土曜午後にも専用外来を設けて行っています。普通の診療時間の中ではとてもまかないきれないほど多くの方が希望されてきます。また、学校や園に通っていると、平日だけではご希望に添えないことも多いからです。
土曜午後の専用外来は、始めてからもう10年ほどはたつでしょうか。地域の方々には大変好評かと思います。今年も先週の土曜から開始したところですが、さっそく“満員御礼”状態でした。
一方でその体制を作るために、職員にはご苦労をお願いしています。通常ですと土曜は午前のみの勤務ですが、インフルエンザ予防接種の行われている2〜3か月は土曜午後も勤務があります。その分、平日に半日勤務をさせてあげればいいのですが、患者さんが多くなる時期にあたっていて、それもなかなかかないません。
以前は全員に土曜午後の勤務をしてもらっていましたが、ここ数年は職員数が増えたこともあり、ローテーションを組んで交代で行っています。おおむね3週間で2回の土曜午後の勤務になっているようです。
もっとも私だけは毎週勤務。私が休めば診療ができませんので、それは仕方のないことですし、自分で望んで作っている診療体制ですから当然のことなのですが、さていつまで続けられることやら。
世の中は「勤務医の負担軽減」が必要であり、そのためには「開業医がもっと時間外の診療をせよ」という論調になりつつあります。それはそれでスジの通った話なのかもしれませんが、開業医がみな楽をしているわけでもありません。何しろ私たちには「有給休暇」が1日もなく、もし休めばその日の診療はできなくなります。患者さんにも大きなご迷惑をおかけしてしまうことになります。
開業医はいわば中小企業の社長と同じような立場です。でも一般の社長と違って、たえず診療の中心にいますし、その現場から離れることはありません。診療も担いながら、同時に経営者としての「社長業」も同時に行っています。
そんな立場にいることを当然と思っていますし、不平があるわけでもありません。でも・・政治家やお役人の見る目は、どこか冷たいな、って感じることがあります。マスコミの人たちも、最初から色眼鏡に見ているような気持ちになることもあります。なかなか本当の姿を分かってもらえないのは、悲しいですね。
だんだん暗い話になってしまい、すみません。こんなことを書くつもりではありませんでした。
インフルエンザ予防接種で忙しくなってきたとお伝えしたかったのですが、今日は当院の職員にもワクチン接種を行いました。もちろん私も受けています。
私たち医療従事者はインフルエンザが流行したときに、患者さんから“濃厚感染”を受けやすい立場にいます。そして、もし一緒になってインフルエンザにかかってしまったら、医療を提供することができなくなってしまいます。
インフルエンザ流行というもっとも私たちが求められる時に、しっかりと業務にあたることができるようにすることが目的です。職員のいわば「義務」としての予防接種ですので、この注射については全額医院の負担です。
さあ、インフルエンザ・ウイルスよ。来るなら来い! 受けて立つぞ!! 注射した左腕が少し痛くてさすりながら、そんな気構えでこの冬を乗り切りたいと決意を新たにしています。(もちろん流行しないにこしたことはありませんが)
投稿者 tsukada : 23:04
2007年11月11日
雨の日曜
雨の降る寒い1日でした。お天気の様子を見ながら少しだけ犬のお散歩ができましたが、これからの季節は外に出るのがイヤになりそうです。
夏には蓮の葉がいっぱいに広がっていたお堀ですが、秋の深まりとともに枯れてきました。全体には茶色になっていますが、ところどころまだ青いままの葉もあります。10月中には枯れきってしまうのが例年のことだと思っていましたので、今年はスローペース。秋口の気温が高かったためなのでしょう。
夜には雷の音も遠くから聞こえてきました。やっぱり、冬は近づいているのですね。
暖房を使うことが多くなってきました。夜や朝方は肌寒く、ついエアコンのスイッチに手が行ってしまいます。
今年は灯油の価格が高騰しているので、雪国にとっては例年以上に厳しい冬を迎えそうです。ファンヒーターなどの灯油を使った暖房器具と、電気を使っているエアコンをうまく使って少しは燃料費を抑えないと・・。
さっき乗ったタクシーの運転手さんともそんな話をしました。最初の立ち上げには灯油の暖房具を使い、少し温かくなったらエアコンで維持するのがいいみたいだと。
今冬の雪についても心配されていました。たくさん降ればタクシーを利用する人が増えて商売としては良いのかもしれないと思うのですが、豪雪になると交通が麻痺し、タクシーも動けなくなるので困るのだそうです。迎えに行っても、その家にたどり着けず、雪かきをしなければ行けないことも。
そんなことが話題にのぼるようになってきました。冬がもうすぐそこまでやって来ていることを少しずつ実感しています。
投稿者 tsukada : 23:59
2007年11月10日
あこがれのわたぼうし
今日10日(土)は、月に一度の「お楽しみ会」の日。当院に併設しているわたぼうし病児保育室の行事です。今回も多くのご家族が訪れて、保育士といっしょに楽しい時間を過ごせたようです。(私は診療中で、顔をのぞかすことができませんでした)
当院には専任の保育士が全部で7名いますが、これだけのスタッフがいる小児科医院もまずないでしょう。保育士にとってもその専門性をいかす良いチャンスにもなっています。
子どもたちが病児保育室を利用するのは、文字通り病気になった時だけ。具合の良い時は、普通に保育園や幼稚園に通っています。
自分で言うのもおかしいかもしれませんが、わたぼうし病児保育室はけっこう子どもたちにとって「あこがれ」なんですよ。「今日は熱があるからわたぼうしだよ」と親に言われると喜んでやってくる子もいます。きょうだいのうちで下の子だけ体調が悪くて利用するような時、上の子が「いいな、わたしも風邪をひきたい!」と言う子もいます。
病気になることを願うってヘンですが、でもそれだけわたぼうし病児保育室に対して子どもたちが信頼をしてくれているのだと思うと、嬉しいことです。病気になった時に、しっかりと支えてあげられているのだと思います。
でもそれだけではありません。子どもたちにとって、本当に楽しい場になっているようなのです。けっして自慢話をしているつもりはないのですが、保育士の子どもたちに対する対応を見ていると、温かい心づかいが子どもたちの心をいやしているのだろう、と想像しています。
利用する人数はその日によって違いますが、平均では8人前後。子ども2人に対して保育士1名というのが、厚生労働省の求めている基準です。このスタッフ数は、普通の保育園に比べると、そうとう多くなっています。(保育園では0歳児 :3名に保育士1名、1、2歳児 :6名に保育士1名、3歳児 :20名に保育士1名、4、5歳児 :30名に保育士1名)
年齢によっても違いますが、一番利用の多い1歳でみると、普通の保育園の3倍のスタッフ数がいることになります。つまり、それだけ「濃厚な保育」が可能です。
子どもにとっては、丁寧に関わってくれる保育士がいる、ということはとても嬉しいことに違いありません。まして、病気になって心身ともに具合が悪い時ですからなおさらです。
わたぼうし病児保育室が、親御さんにとっての施設であるとともに、子どもたちにとってもとても大切な存在になってきていると思っています。病気を治すという点でもそうですが、わたぼうし病児保育室を利用する中できっと心も豊かに育っていくことでしょう。
人が優しくなれるのは、他の人から優しくされたことがあるから。人を愛せるのは、他の人からたっぷり愛されたことがあるから。小さな時から優しくされ、愛されることをいっぱい経験することで、心豊かな大人に育っていくことでしょう。
人格を育てる大切なお手伝いを、わたぼうし病児保育室の保育士が関わっていると思うと、その仕事のやりがいもいっそう大きなものになることでしょう。
投稿者 tsukada : 23:59
2007年11月08日
今度の土曜は・・
当院のわたぼうし病児保育室が主催する「お楽しみ会」になります。
毎月1回(第2土曜)、病児保育室の登録会員を対象に楽しく過ごす時間を設けています。会員以外の方でも参加可能。事前の申込も不要。もちろん無料。
ご興味のある方は、お子さんといっしょにどうぞいらっしゃって下さい。
投稿者 tsukada : 17:46
2007年11月07日
再チャレンジ
おかえりなさい、小沢一郎さん。民主党の代表として、また第一線に復帰ですね。これまでの行きがかりはいろいろとありますが、党の幹部や国会議員などからは“信任”されたわけですから、どうぞ精一杯頑張ってください。
昨日も書きましたが、形式的には辞表は提出したが受理されず、同じ役職を続けるということ。それだけであれば何もここまで民主党の人たちや、国民の多くを巻き込む必要もなかったですよね。自民党に対しては「敵失」を与えたわけですし、民主党に対する国民の信頼をそぐ結果ももたらしてしまいましたし。
元首相の安倍さんはさかんに「再チャレンジ」という言葉を使っていました。小沢氏にも「再チャレンジ」の機会が与えられた訳ですので、温かく見守りたいと思います。(その安倍さんは今はどうされているのでしょうか? ご自身の再チャレンジは進行中ですか?)
こんなドタバタ劇は、正直に言って見たくはありませんでした。小沢氏が自分の考えを民主党の執行部内で話し、相談し、自分と民主党の方向性を決めることが、最適な方法だったのではないでしょうか。そこでしっかりと煮詰めれば、こんな混乱はおきませんでした。
政党の人事や政策を決める段階の全てを、国民にオープンにする必要はないでしょう。無用な誤解も生じかねません。きちんとしたものができてから、国民にしっかりと説明をするのが常道です。そんな意味でも、今回の小沢氏の考え方や民主党の組織原則はまだまだ“幼い”と言わざるをえません。
いわば「密室」での議論は、政党の内部としては当然のこと。逆に首相との会談はオープンにしておく必要があったはずです。小沢氏が密室ではないと強弁していますが、その件については考え直しているのでしょうか。昨日の「再チャレンジ弁明」の中には触れていなかったようですので、気になります。この点をあいまいにしたままの代表職続投では、民主党の政党運営に禍根を残してしまうのではないかと、心配です。
投稿者 tsukada : 23:59
2007年11月06日
やはり・・
民主党の代表に、一度は辞意を表明した小沢氏が戻ってきました。形式的には小沢氏の出した辞表が受理されず、そのまま代表職を続ける、ということのようですが。
渦中の小沢氏がどのような思惑をもち、どんな気持ちでいるのか、これからどうしたいのか・・一般の国民が知ることはできません。でも想像することはできます。やっぱり、という気持ちをもたれている方が多いのではないでしょうか。
先の「院長ブログ」には、民主党内の全権を掌握するのが小沢氏のねらいだと書きました。それがどの程度正しいかは分からないのですが、結局事態はその筋書き通りに進んでいるように思えます。これで小沢氏に真っ正面から意見を言える人はいなくなりました。少なくても民主党の幹部クラスには。ふがいないものです。
でも必ずしもストーリーの通りに進んでいないこともあります。それは多くの国民の、民主党に対する見方です。少なくても民主党に投票し、指示している人たちにとっては、残念ながら今回に「辞任騒動」は受け入れがたいものでした。今後、民主党の政策を、全面的に信頼し、一緒に進んでいこうとする意欲が、急速に萎えてしまったのではないか。そう思うのです。
政治力学では小沢氏が民主党の中で勝ちました。でも、それによって失われたものは、あまりに大きかったように感じてしまいます。さて民主党はこれからどうなってしまうのでしょう。小沢代表のもとで、国民のための政策を実現させていくことができるのでしょうか。
そんな疑問を抱かせてしまったことは、今回のトラブルの副産物なのでしょう。そしてその影響は、計り知れないほど大きなものがあると思います。民主党はそれに打ち勝ち、しっかりと国民の方を見据えた、しっかりとした体制を作ることができれば、結果としては「雨降って地固まる」という評価がされるでしょう。
そうなることを期待したいのですが、でもそのために費やさなくてはいけない労力は莫大なものでしょう。もしそれができれば、民主党はほんとうの政党に育っていくのだと思います。そんな意味では、これからが民主党の正念場です。その動きを注視していこうと思っています。
投稿者 tsukada : 23:42
院長です(*^_^*)
当院の職員が私の似顔絵を描いてくれました。
by Ayako
何だか照れますね。良〜く描いてもらっています。他の職員にも見てもらいましたが、髪が多すぎるのでは・・という指摘が(^^;)
私は“天然パーマ”。髪が長くなると、クルクルと巻いてきます。子どものころはもっと強くて、短めでも収拾が付かないくらいにクルリクルリ。中学校の時には“スズメの巣”というあだ名があったほど。
なかなかブラシを入れて髪をとくことができず、難渋した覚えもあります。面倒になると両手で髪をもじゃもじゃにしていました。即席でパーマができあがり!
絵を良く見ると、首から聴診器を下げていますね。こんなところも丁寧に描きこんであります。関心です!
投稿者 tsukada : 14:30
辞任表明の真意が見えてきました
民主党の中がゴタゴタしています。小沢一郎氏が代表を辞任したいと記者会見したあと、それを慰留しようと党の幹部が説得しているというのです。
今のところ小沢氏は辞任の意志を撤回するとは言っていませんが、党内にはそのまま代表を務めてもらえるのではないか、という楽観論も生まれている、と先ほどのニュースでは伝えていました。
党内の事情はどうでも良いこと。どうぞご自由におやり下さい。でも忘れていけないのは、連立構想に対してどのような態度をとるか、です。小沢氏が連立構想に反対されたことが、今回の党内の混乱になっていることを、もう忘れてしまっているのでしょうか。
昨夜のニュースでは、小沢氏の側近とされる人物が「小沢氏に代表をお願いするのであれば、縛りをつけるべきではない」といったような発言をしていました。小沢氏に失礼なのだとか。
ちょっと待ってほしい! 政党が国民に示した公約を放棄し、公約と正反対の方向に進めてもかまわない・・そんな権限を代表に与えていいのでしょうか。それこそ、国民に対して、少なくとも民主党を支援している人たちに対して失礼なことなのではないのでしょうか。
民主党の幹部は小沢氏に辞意撤回を求めています。その様子を直接知ることはできませんが、どんな話をしているのでしょうか、心配になります。「あなたに全部まかせるから」「必要なら連立構想をもう一度提案してもらってもいいから」・・そんなことを言ってはいないでしょうね。
突然すぎる小沢氏の辞意表明・・やっとその目的が見えてきたような気がします。ここでダダをこねて、連立構想も含めて「全権委任」を取り付けるのが目的だったんですね。したたかな読みがそこにはあったということでしょう。
恐るべき小沢氏。そしてそれに巻き込まれてしまっている、情けない民主党の人たち。誰か、スジを通そうとする人はいないのですか!?
投稿者 tsukada : 11:45
2007年11月05日
月一のお仕事
今日は11月の第1月曜。といっても皆さんには特別な日ではないでしょうが、私には大切な日。それは上越夜間診療所の勤務があるからです。
小児科外来は風邪などが多くなってきていますが、今日の夜間診療所には大人の患者さんが数名来られただけで、子どもはゼロ。私にとっては初めての経験でした。
小児科医が勤務しているわけですから、子どもの急患を診療することがなかったことは、ちょっとさびしい気持ちがあります。でも・・夜間診療所の本来の役割からすれば、利用者がなかったことは良かったこと。
“役立たず”だったような気持ちがありますが、夜間診療所にいたという意味での“存在価値”があったということなのでしょう。そういうことにしておきましょう。
体と頭を使うことがあまりなかったとはいえ、数時間、そこに“拘束”されたいたという点では、やはり疲労感はあります。「今日はよく頑張った」というような充実感ではなく、「いったい何をしていたんだろうな・・」というような気持ちも。
何だかもやもやし気持ちを、明日にひきづらなければいいな、などと思いながら、お休みすることにしましょう。
投稿者 tsukada : 23:59
2007年11月04日
小沢氏・代表辞任を表明
小沢一郎氏が民主党の代表を辞任したいとするニュースが、今日の夕方から大きく報道されています。急な展開にビックリすると同時に、そうするしか方法がないんだろうねという気持ちもあります。
直接の原因は、先日行われた自民党党首=福田氏との会談で、「自民党との連立」提案に対する態度が党内から批判されたこと。小沢氏の説明では、福田氏から持ちかけられた連立構想をいったん党に持ち帰り、政策実現のためにはそれも1つの方策だとして幹事会で説得しようとしたけれど、賛成されなかった。それは自分に対する不信任である、ということのようです。
形式的に不信任ではないのに、そう感じてしまうということは、よほど連立構想に対して強い思いがあったということなのでしょう。
でも、自民党と連立するなどということはこれまでの民主党の政策には全くでてきていないはず。先の参議院選挙の公約にも、それはなかったし、その後の政治プロセスの中で「連立」の話を小沢氏自身がしてはいません。
例えば1回目の党首会談が行われたあとの11月1日の記者会見では「連立どうのこうのという政局論的な政治問題は一切なかった」「今、私はそういうことは考えてない。総選挙に向け、何としても今度の衆院小選挙区で過半数を取るのが当面最大の目標だ」と話しています。
その翌日の党首会談で連立のことがテーマになり、その場で明確に否定しなかっただけではなく、党に持ち帰って幹事会を説得しようとしています。この態度の豹変を、どう考えればいいのでしょうか。
どうも言っていることにスジが通りません。しかし今日のニュースの中で、例えば読売新聞に目を通すとその“謎”が解けてきます。朝刊の1面トップの見出しは「『民主党内、絶対まとめる』大連立は小沢氏が持ちかけ」。
この報道の真偽は分かりませんが、小沢氏の方から連立構想を持ちかけ、それを党が否定したとしたら、代表を辞任するだけの大きな理由になります。さらにこの記事では、2回の党首会談そのものを呼びかけ、セットしたのが小沢氏であると書かれています。
小沢氏は代表辞任の意向を伝える記者会見で、その最後にマスコミに対する批判を行っています。朝日と日経新聞以外はデタラメだと。さて、どのメディアが伝えることが真実なのか、国民には皆目見当がつかない状態になってきました。
小沢氏がそこまで言うのであれば、例えば会談の内容を録音したテープを公開すべきでしょう(もしそれがあればの話ですが)。この党首会談が「密室」なのではないか、と記者に追求されて、そうではないと断言した小沢氏であれば、それくらいの用意をしていても良いはず。
自分の言っていることを信じてもらえず、自民党筋から出たであろう情報を信じているマスコミや国民に対して怒りをぶつけているようですが、それは筋違いというもの。会談をオープンにし、その内容をリアルタイムに国民に公表しなかったことが、この混乱した状態を生んでしまったのです。それはひとえに2人の党首と、2つの政党に責任があることです。
小沢氏の考えでは、自民党と連立を組まないかぎり、民主党の政策は実現しない。公約も果たせない。だから連立は必要であり、政権協議をする中で民主党の政策を実現していくしか方法がないのだとか。・・ずいぶん早々と敗北を認めるのですね。「剛腕」で知られる小沢氏には似つかわしくない論理のように聞こえます。
先にも書きましたが、自民党と連立を組んでほしくて民主党に投票した人がどれくらいいるのでしょう。緊急の世論調査では、民主党支持者の多くは連立構想に批判的だそうです。
仮に連立を組んで与党の一員になったとしても、民主党の目指す政治がどれくらいできるのでしょう。自民党単独政権、あるいは自公連立政権より多少は民主党の政策が反映されやすくはなるでしょう。でも、完全に政権をとっているわけではなく、100%民主党の政策が通るなどということがありえないのは、明らかです。
今、衆議院と参議院では過半数を占める勢力が逆転しています。そのため政権運営が行き詰まり、与党が苦しい状態に追い込まれています。でも苦しいのは民主党も同じなのですね。それが良く分かりました。参議院での圧倒的な優位さを、自分たちの目指す政治の実現に役立てることができないと、正直に白状しているようなものです。
そして苦し紛れの連立構想。それは自民党へのすり寄りにしか、私には思えないのですが。(古巣の自民党に戻りたい?)
小沢氏が民主党の代表を辞任することで、民主党は独自の政権構想を作っている必要に迫られます。いったいあなたたちは何がしたいのか。国民に対して、どのように責任を全うしようとしているのか。
もっとも、そんな小沢氏を慰留させようとする動きが民主党内にあるという話ですから、どうなることやら。民主党が民主党らしく存在しようとするならば、密室で連合構想をひそひそと総理大臣と相談していた小沢氏を解任するくらいの、毅然とした態度をとるべきだと、政治には門外漢の私は思うのですが、いかがでしょう。
投稿者 tsukada : 21:23
2007年11月03日
秋晴れ
朝からとても良く晴れ上がった祝日になっています。お天気に誘われて、公園を散歩してきました。(正しくは「犬に促されて」ですが・・)
園内の樹木は、もう雪囲いがしてあります。冬の準備が着々と進んでいるよう。
でもこんなに良いお天気だと、木々が少しかわいそう。その日のお天気で開閉できるような雪囲いを、誰か考案してあげませんか?
投稿者 tsukada : 11:45
2007年11月02日
見捨てられた子どもたち
リタリンという薬を知っている人たちは、以前は圧倒的に少なかったでしょう。しかし、今では圧倒的に多くの方が知っていることでしょう、乱用事件のために。
「リタリン」というのは商品名で、一般名は「メチルフェニデート」。中枢神経の覚醒作用があるとして開発され、うつ病やナルコレプシーという睡眠異常の治療薬として使われ出しました。その後、小児の注意欠陥多動性障害(ADHD)に優れた効果があると分かり、子どもたちにより多く処方されるようになった薬です。
そのリタリンがもつ脳の覚醒作用が“注目”され、病気の治療のためではなく、一種の麻薬として乱用されるようになってきました。一部の医療機関が、診療することなしに大量のリタリンを処方していたり、“患者”がリタリンを求めて複数の医療機関をハシゴしたりするということもあり、大きな社会問題になったことはご存じの方も多いと思います。
リタリンの乱用を避けるため、主に2つの方策がとられます。1つはリタリンの適応から「うつ病」を削除し、ナルコレプシーだけにすること。もう1つは、処方できる医師を「ナルコレプシーを正確に診断できる精神科の専門医」に制限することです。この対処はすでに決定されていて、もうすぐ実行されるでしょう。
これで少しはリタリンの乱用は減ってくるでしょう。しかし、外国からの個人輸入、個人売買など、多種のルートがあるために、実効がどれだけ伴うか、疑問の部分もありますが、一応「役所的対応」としてはスジが通っていますし、一件問題がないようにも見えます。
しかし、この騒動で置いてきぼりにされている人たちがいます。ADHDの子どもたちです。彼ら(彼女ら)にはリタリンは必要です。リタリンを使うことで、衝動性、多動性が抑えられ、日常生活や学校生活がトラブルなく過ごせるようになります。子どもたちへのリタリン投与が、この方策ではできなくなります。
もともとリタリンの適応にADHDはありませんでした。しかしそれは日本だけ。海外ではADHDの治療薬として最も多く使用されているのであり、逆にうつ病の治療薬としての位置づけはありませんでした。
日本では製薬会社が厚生労働省に申請し、認可された医薬品としての適応に、これまでADHDを加えていません。その意味では、私たち小児科医がADHD患者に投与するのは、形式的には「適応外処方」でした。それでも実態として認められていたのは、薬理的にADHDに効果があることが分かっていて、他に変わる薬剤がなかったから。
しかし、今後は使用できる病気と、処方できる医師が厳格に制限されることで、日本のADHD患者はリタリンを使うことができなくなります。もうすぐそうなります。子どもたちがこの薬剤を乱用したわけではないのに、最も必要とするADHD患者に使用できなくなるって、どこかおかしくはないですか!
リタリンと同じ成分の「コンサータ」という薬剤が、もうすぐ発売されるそうです。こちらはちゃんとADHDの治療薬として。でも、販売方法はリタリンと同様に厳格に管理するのだそうです。聞くところによれば、やはりナルコレプシー患者の治療にあたる専門医だけにしぼるのだとか。そうであれば、一般の小児科医がADHD患者に使用することはできないことになります。(このコンサータは徐放性剤であり、錠剤だけだそうです。リタリンは錠剤と散剤があり、錠剤の飲めない子どもでも使用することができましたが、コンサータはそれができないので、その点でも使いづらさがあります。)
納得できないのは、リタリンの正式な適応にADHDが入っていないこと。海外では適応があり、日本でも実態としてそうとう使われていることは周知の事実。にも関わらず、この会社は適応の追加をこれまでしてきませんでした。
先日、この会社の担当者が訪問に来て、適応症が削除されるという内容の文書を持ってきました。今後はナルコレプシーだけになると。その説明だけして帰ろうとしたので、引き留めました。
これまでADHDの適応を追加してこなかったことを、どう考えるのか。それは製薬会社として怠慢なのではないか・・。そんな問いかけをしましたが、担当者は何も答えられませんでした。
厚生労働省に対しても憤慨しています。リタリンにADHDの適応がないにも関わらず、実は保険診療の中でも使われていることを知りながら、何も対応をしてきませんでした。製薬会社に対して、適応追加を指導すべきだったにもかかわらず、それをしてこなかった。
大人の間でおきたリタリン乱用事件によって、必要な子どもたちがリタリンを使うことができなくなりそうです。その事態を引き起こしたのは、直接的は乱用に関わっていた医師や“患者”たちですが、製薬会社と厚生労働省にも相応の責任があると、私は思うのです。
製薬会社は、子ども相手の商売では儲けにならないと考えていたのでしょうか。厚生労働省は、製薬会社から申請がないのだから、わざわざ会社に働きかける必要もないと考えていたのでしょうか。いずれにせよ、子どもたちのことを大切に考えて仕事をしていたとは思えません。
その結果・・ADHDの子どもたちは見捨てられることになりました。悲しいことです。これが日本の今の政治であり、社会なんですね。子どもたちに冷たい仕打ちをしていることに平気でいられることが信じられません。
PS
Googleで「リタリン」と検索してみて下さい。検索結果の上にあるバナー広告に、信じられないものを見つけました。「東京クリニック」という診療所の広告です。ここは、今回にリタリン乱用事件を引き起こした問題に診療所であり、すでに東京都の指導などが入っています。社会的な問題を引き起こし、法を犯していることを追求されている診療所の広告が、いまだ平然と使われていることに身震いする思いです。
Googleも、結局は利益第一主義であり、社会的な使命を果たす必要はないと考えているのでしょうか。インターネットの中で「検索」という、いわば公的な役割を担う企業の、本質的なものを見てしまった気がします。
さらに、このページには「リタリン売ります」とか「リタリン売買」などのページにジャンプするよう設定されています。その先は、もう見たくはありません。ほとんど闇の世界です。反社会的な行為に対して、野放しにするどころか、積極的にページを作っていることに、強い不快感を覚えます。
違法な行為はしていない、と言い訳をするかもしれませんが、それが反社会的な行為であることを、ぜひ認識し、対処するよう望みます。
投稿者 tsukada : 22:51
2007年11月01日
11月です!
今日から11月。旧暦では「霜月」という名前の通り、寒さが増す一か月になるでしょう。今年も残すところ、あと2か月。
そろそろ冬のことが心配です。雪国ですので、雪の降り方が生活に直結します。昨冬は少雪でしたが、その前年は豪雪。さて今年は・・。
先日妙高市を訪れたとき、「カマキリの巣がずいぶん高いところに作られている」という話を聞きました。どうしてカマキリに雪の降り方の予想ができるのか分かりませんが、「確かに良くあたるんだ」とか。カマキリの教え(?)に従えば、今年は大雪になると覚悟しておかなければいけないようです。
近くの公園の雪囲いも始まっています。そろそろ冬の準備をしなくてはいけないのでしょうね。でも今年は季節の移り変わるスピードが半月ほども遅いような感じです。秋が深まってきたという実感が、まだ稀薄なのはそのせいでしょうか。
「こども通信」11月号を作りました。メルマガにして配信をすませていますし、このHPにもアップしています。今月のテーマは「絆」について。映画『絆』が完成し、いよいよ今月末より上越市内で先行上映会が始まります。そんな話題をいくつか書きました。どうぞお読み下さい。
投稿者 tsukada : 23:59