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2007年11月12日

左腕が痛む理由

 「一週間」が始まりました。休み明けはいつものようにバタバタ。風邪ひきさんも増えてきています。今週は新潟はずっと雨模様。一雨ごとに冬が近づいてくることを肌で感じています。

 忙しいのはインフルエンザ予防接種が佳境に入ってきたからでもあります。10月下旬から始まりました。当初はそれほど多くありませんでしたが、今月に入ってからは希望される方が多くなっています。

 当院ではインフルエンザ予防接種を土曜午後にも専用外来を設けて行っています。普通の診療時間の中ではとてもまかないきれないほど多くの方が希望されてきます。また、学校や園に通っていると、平日だけではご希望に添えないことも多いからです。

 土曜午後の専用外来は、始めてからもう10年ほどはたつでしょうか。地域の方々には大変好評かと思います。今年も先週の土曜から開始したところですが、さっそく“満員御礼”状態でした。

 一方でその体制を作るために、職員にはご苦労をお願いしています。通常ですと土曜は午前のみの勤務ですが、インフルエンザ予防接種の行われている2〜3か月は土曜午後も勤務があります。その分、平日に半日勤務をさせてあげればいいのですが、患者さんが多くなる時期にあたっていて、それもなかなかかないません。

 以前は全員に土曜午後の勤務をしてもらっていましたが、ここ数年は職員数が増えたこともあり、ローテーションを組んで交代で行っています。おおむね3週間で2回の土曜午後の勤務になっているようです。

 もっとも私だけは毎週勤務。私が休めば診療ができませんので、それは仕方のないことですし、自分で望んで作っている診療体制ですから当然のことなのですが、さていつまで続けられることやら。

 世の中は「勤務医の負担軽減」が必要であり、そのためには「開業医がもっと時間外の診療をせよ」という論調になりつつあります。それはそれでスジの通った話なのかもしれませんが、開業医がみな楽をしているわけでもありません。何しろ私たちには「有給休暇」が1日もなく、もし休めばその日の診療はできなくなります。患者さんにも大きなご迷惑をおかけしてしまうことになります。

 開業医はいわば中小企業の社長と同じような立場です。でも一般の社長と違って、たえず診療の中心にいますし、その現場から離れることはありません。診療も担いながら、同時に経営者としての「社長業」も同時に行っています。

 そんな立場にいることを当然と思っていますし、不平があるわけでもありません。でも・・政治家やお役人の見る目は、どこか冷たいな、って感じることがあります。マスコミの人たちも、最初から色眼鏡に見ているような気持ちになることもあります。なかなか本当の姿を分かってもらえないのは、悲しいですね。

 だんだん暗い話になってしまい、すみません。こんなことを書くつもりではありませんでした。

 インフルエンザ予防接種で忙しくなってきたとお伝えしたかったのですが、今日は当院の職員にもワクチン接種を行いました。もちろん私も受けています。

 私たち医療従事者はインフルエンザが流行したときに、患者さんから“濃厚感染”を受けやすい立場にいます。そして、もし一緒になってインフルエンザにかかってしまったら、医療を提供することができなくなってしまいます。

 インフルエンザ流行というもっとも私たちが求められる時に、しっかりと業務にあたることができるようにすることが目的です。職員のいわば「義務」としての予防接種ですので、この注射については全額医院の負担です。

 さあ、インフルエンザ・ウイルスよ。来るなら来い! 受けて立つぞ!! 注射した左腕が少し痛くてさすりながら、そんな気構えでこの冬を乗り切りたいと決意を新たにしています。(もちろん流行しないにこしたことはありませんが)

投稿者 tsukada : 2007年11月12日 23:04