2008年05月15日
ジェネリック医薬品
医薬品にはいろんな種類があります。「先発品」といって、大手製薬会社が開発した新薬をしばらくの間使用していますが、その製造特許などが切れると「後発品」という製品がでてきます。
すでに製造のノウハウは公開されているので、安いコストで作ることができます。医療費を安くすることにつながる、ということで、厚生労働省は先発品から後発品に切り替えて使用することを医師や薬剤師に勧めています。
「ジェネリック医薬品」というのはその後発品のこと。最近よくTVや新聞などでその名前を見かけるようになりました。販売名に一般的名称(Generic name)を使うことが多いことから、そう呼ばれています。
その代表的メーカーの一つが東和薬品で、黒柳徹子さんをイメージ・キャラクターに使っています。この会社からいただいた販促品がこれ。
う〜ん、かわいいと言っていいのか・・(^^;)
当院でもジェネリック医薬品の使用が多くなりました。製品によっては先発品より味や飲みやすさに工夫がしてあるものもあります(抗生物質はとくに苦みを抑えてあるかどうかが決め手)。濃度を濃くして、一回の服用量を半分に減らしている後発品もあります。
当院は院内処方ですので、医薬品の採用にあたっては味などを私たちが確かめています。メーカーからは「子どもにも飲みやすくなりました!」と宣伝されても、実際に“味見”してみると、そうではないこともあります。逆に宣伝していないけれど、けっこう“イケル”のもあります。
そしてジェネリック医薬品を採用することで、医療費負担が少しでも軽減されることは、保険財政や国にとっても良いこと。もちろん患者さんの負担も少なくなります。
良いことずくめのようなジェネリック医薬品ですが、日本ではまだそれほど普及していません。医薬品を選ぶ医師の立場からすると、どうしても後発品の品質に心配があります。企業が大きければ全て良いというわけではありませんが、安全性はどうだろうか、医薬品の情報はきちんと伝えてくれるだろうか、安定して供給されるだろうか・・。
忙しい診療の場面でそんな心配を一々しなくてはいけないとなると、後発品の採用に二の足を踏んでしまいがちになります。先発品と同じように使えるまでは、まだしばらく時間がかかるかもしれませんね。
投稿者 tsukada : 2008年05月15日 19:02