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2008年06月08日
泳ぐのは僕だ(2)
水泳の北島選手のアピールには大いに勇気づけられました。自己主張がへただと言われている日本人の中にあって、こんな若者が育っていることを嬉しく思いました。
彼のような一流の選手にとっては当たり前のこと。強いプライドがあるからこそ、世界で活躍できるのでしょう。
若者から学ぶことも多いものです。「老いては子に従え」なのでしょうね。
私も考えてみました。「診療するのは俺だ」・・今度、もし厚生労働省に乗り込むことがあったら、こんなTシャツを作って着ていきましょう。
日々、小児科診療を行っていますが、法律や保険の枠組みを決めているのは国です。役人的な縛りがあまりに多く、診療に多大な悪影響をもたらしています。内容がなく、形だけ。霞が関の役人が子どもたちの診療をしているわけではない。私たち一人ひとりの小児科医が、子どもたちを診療し、守っているんだ!
医学部の定員を少なくし、医師の養成数を減らしたために、日本中で医師不足がおきています。数年前から始まった臨床研修制度(卒業後2年間は基本的な研修を行う)は決定的なダメージを与えました。研修の必要性はありますが、ただ単にアメリカの制度を日本にもってきたにすぎません。日本にあった、そして日本の医療にプラスになる制度設計をする能力が、国にはありません。
そして国の財政難から、社会保障費を削り続けています。1年間に2,200億円、5年間で1兆1,000億円もの支出削減を行っているツケは、もう日本の社会に大きな影響をもたらしています。生活保護はずたずたにされ、医療保険もめちゃくちゃになりつつあります。
現場の医師が頑張って何とか医療を守ってきました。でも、それももう限界に近づいています。地域や診療科によっては、もう崩壊にいたったところも。
目の前の子どもたちを診療しているのは、私たち小児科医。安心して診療を受けられ、安心して診療できる耐性を作るのが、厚生労働省の役割。それなのに、今はいったいどちらを向いて。何をしようとしているのですか。
そんな怒りを、機会があったらぶつけてみたいと思います。
「診療するのは俺だ」。それを見て、少しでも考えを改めてくれるといいのですが。
投稿者 tsukada : 2008年06月08日 19:21