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2008年09月29日

政治家という人種

 「政治家」という人間は特別な人種なのかもしれません。特に日本では二世、三世の政治家が増え、あたかも生まれつき政治家になることが運命づけられている家系が存在するかのようです。

 政治家という家業を継承すべく幼小児期から“大切に”育てられる。親に対しては絶対服従を求められると同時に、周りの人達は絶対服従をする・・そんないびつな人間関係が政治家を作っていくのかもしれません。

 格差社会が問題になっています。格差が格差を生む。下流の人間はけっして上流になれない。

 収入による格差は教育にも及びます。下流にいる家庭の子どもたちは高等教育を受ける機会も奪われる。かくして教育格差は連綿と続いていくことになります。

 逆もまた真なり。上流にいる人間は苦労しなくても上流にいる。教育においてもそう。そして政治家という特殊な階層は、同じ階層の人間を作り続ける。

 そうしなくては自分たちの階層を維持できない。下流の人間が政治家階層に入り込むと混乱が生じ、消滅に向かうでしょう。であれば、それを阻止することが特殊な階層にいる人間にとって、手段ではなく目的にさえなりうる。

 政治家に世襲制が普遍的に普及しているのは、自分たちの地位温存のための絶対条件になっているわけです。

 日本のあり方を唱え、世界の進むべき道を論じるはずの政治家にとって、それに真っ向から反する倫理観しか持ち得ない状況は、すでに政治の死をも意味しているのではないでしょうか。少なくとも、先代からの継承政治家にとっては、政治を語る資格すらないことは明白です。

 もっとも、その程度のモラル、あるいは哲学しか持っていない政治家が、世襲政治家だけではなく、広く政治の世界に跋扈(ばっこ)しているのも周知に事実。ならば二世、三世の政治家だけを問題にするのも、また皮相な話でありましょう。

 書けば書くほど、情けない政治家たちを頂いている私たち自身が情けなくなっていきます。そんな政治家を選んでいるのは、結局は私たちだからです。

投稿者 tsukada : 23:59

2008年09月28日

政治家

 何と情けない大臣、そして内閣なのでしょう。発足からわずか数日で、問題発言を繰り返す中山大臣が辞任しました。

 その内容はとりあげるのも恥ずかしいほどの低次元。「ごね得」「単一民族」については取り消し、謝罪をしたようですが、「日教組」の部分は取り消すつもりはないと居直ってすえの辞任。事実上の罷免ということでしょう。当然です。

 当初は「失言」と言われていましたが、口がすべったというたぐいのものではありません。明らかに確信犯。それも理路整然としたものでもなく、狂信的な「日教組嫌い」から出ているだけ。

 国土交通省の大臣に任命されたのに、文部科学省の領域での逸脱行為。自分がどんな職責に任命され、何を託されたのか、真摯に考えることもしなかったのでしょう。

 大臣を辞職しましたが、これだけではすまないでしょう。議員バッチをお返しいただくべきかと。もはや政治家として認めることはできません。常識的な判断すらできない人に国会議員をしていただくことは、迷惑なことです。

 それにしても、こういったたぐいの人が政治家に多くはありませんか?

 かつて「自民党をぶっ壊す!」と威勢の良いことを言って国民の支持を集めた小泉一郎氏は、辞任にあたって次男を“後継者”に指名しました。

 自民党の中枢部分が、世襲制による腐敗構造でなりたっていると思います。自分も世襲によって政治家になったわけですが、さらに自分の息子に世継ぎすることは、一番自分がイヤだといっていたことなのでは?

 国民の常識と、政治家の常識があまりにかけはなれているように思えます。そんなふうな政治家が脈々と作られ続け、日本の政治の真ん中に巣くっていることを、ここらへんで変えなくては、日本は沈没していくのでは。

 政治家だけが元気で、国民は元気さを失い、生きていることさえも困難になりつつある社会・・日本のこれからを考えると、暗い気持ちになってしまいます。

投稿者 tsukada : 21:53

フォーラム(新聞記事)

 先日行われました「第4回上越子育てフォーラム」のことが、地元新聞「上越タイムス」に紹介されました。アップしますので、どうぞご覧下さい。

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投稿者 tsukada : 16:29

2008年09月26日

ホッとしました

 昨夜心配していたトキたちは、みんな無事初めての佐渡の夜を過ごしたようです。雨にあたりながら、きっと寒かったかもしれません。

 でも「野生」に帰ることが求められているのですから、これくらいでへこたれるようではね。佐渡の冬はとても厳しく、半年ほども続きます。早く“外の生活”に慣れて、いつまでも大空をはばたいていて下さい。

 同じ新潟県内ということで、テレビのニュースも新聞もトキのことでもちきり。人間よりも鳥のことを心配しています。それだけ新潟県民にとっては、愛され続けたシンボルだったんですね。

 喘息さんも、予想ほどには大きな発作をおこしているお子さんは見られませんでした。ホッとしています。でも朝方の咳込みや喘鳴など、小発作は頻発しているようです。やはり十分に注意をしていて下さい。

投稿者 tsukada : 23:59

2008年09月25日

雨降りの夜

 夕方から雨。夜になって雨の勢いは増しています。秋雨前線が活発に活動しているのでしょうか。

 こんな日は喘息発作をおこしやすいもの。季節の変わり目で、さらに気候が急変することが発作を誘発するようなのです。昔から喘息が「気象病」と呼ばれている所以です。

 そういえば今日も朝から発作を起こして処置を受ける子どもさんが何人もおられました。発作止めの吸入、点滴治療、なかには酸素投与も。日中こられた患者さんは夕方までには安定させることができていましたが、今夜はどうしているでしょう。

 雨の強く降る音を耳にすると、喘息の子どもたちのことが心配になってきます。大きな発作をおこしていなければいいのですが。

 雨で心配になることが、今日はもう一つあります。佐渡で野に放たれたトキの様子です。

 トキは日本ではもう絶滅してしまった鳥です。昔は日本中で見られたのだとか。次第に少なくなり、最後は新潟県の佐渡が島だけに。絶滅をさける目的で野生のトキをつかまえ、人工飼育しました。今から27年前のことだそうです。

 そのトキも亡くなり、日本固有のトキはいなくなってしまったとか。その後中国から貰い受けたトキを飼育することに成功し、とうとう野生に帰せるまで数も多くなったようです。

 ちなみにトキは学名を「ニッポニア・ニッポン」といいます。何とも皮肉な名前にも聞こえます。

 佐渡ではトキが再び大空を舞うことができるよう、環境の整備を進めてきました。トキが野生で生きていけるような環境は、人間にとっても本来の住みやすい環境のはずなのです。

 今日放たれた10羽のトキ。ニュースでは夕方までは元気に飛んだり、田で休んだりしている様子が映し出されていました。

 おそらく夜になって佐渡も雨でしょう。気温も下がっているはずです。これまでゲージの中でしか生活したことがなかったトキたちは、今夜をどうすごしているのでしょう。

 野生に戻そうとしているくらいですから、この程度のお天気ぐらいで心配していてはいけないのかも。冬になればとても厳しい自然が待っているのですから。

 トキが佐渡の自然の中で、大きく羽ばたき続けることを、心から願っています。

投稿者 tsukada : 23:59

2008年09月24日

新首相誕生

 日本の新しい内閣総理大臣に麻生氏が決まり、さっそく新しい内閣が作られました。日本の政治にとってはとても重要なことのはずなのですが・・特別な感慨がありません。

 今月1日、福田首相が突然、首相辞任を表明しました。その後、自民党総裁選挙が5人の候補者で戦われていたのですが、その実態は・・5人が一丸となって民主党を攻撃していたようなきらいが多分にあります。

 当初から麻生氏が圧倒的に有利であるとされていました。結果の分かっている総裁選。違いの分からない政策(?)論争。そこには国民の生活を第一に考える政治家としての本来の姿勢をみることはできませんでした。

 あるのは自民党がいかに劣勢を巻き返し、多数政党の地位から転落しないですむようにという思いだけだったのでは。私にはそんなふうにしか見えませんでした。

 福田氏が辞任をこのタイミングを選んだのも、自分では総選挙を有利に戦う自信がないから。そして、あわよくば自民党の総裁選挙が大々的に繰り広げられ、国民の関心を自民党に集中させることができれば、総選挙勝利も夢ではない。そう考えたからなのでしょう。

 それにしても、ずいぶんとあからさまに自分たちの意図をオープンにしてしまったものです。本心は民主党に勝ちたいと思っていても、まずは自民党の中の争い。それも、突然の首相辞任で大きな政治空白を作ってしまった張本人たちなのですから、国民には申し訳ないことをしているという思いがあってもよいものなのに。

 厚顔であることが、この国の政治家の基本条件なのでしょう。無知であることも。残念ながら、こんな政治家たちに私たちの生活や生命をゆだねたくないと、心の底から思っています。

 そう・・新しい組閣名簿を見ていてその思いがより強くなりました。中でも“最年少で入閣”という小渕氏にはびっくりしました。元首相の娘だということ以外に、何かアピールできるものがある方なのですか? 政治家としての実績があるということを、私は知りません。

 「選挙管理内閣」と揶揄されていますが・・ほんとうに選挙対策のために「大臣」という肩書きを乱発した、なんてことではないでしょうね。

 まして彼女は「少子化担当大臣」なのだそうです。少子化の問題は日本がかかえているとても重要な問題。省庁の縦割り行政では良い対策が作れないということで、この問題にだけ取り組む特命大臣を設けたはずです。

 これまでも十分な対策が打ち立てられたとは思っていませんが、そこに小渕大臣では・・。麻生首相が少子化対策を、その程度のものとしか見ていないということがよ〜く分かりました。残念なことです。

投稿者 tsukada : 23:59

2008年09月23日

子どもを殺したのは誰?

 福岡で小学校1年の男の子が首を絞められて殺されるという事件がありました。当初“不審者”と思われていた犯人が、実は母親だったことが分かり、社会に大きな衝撃を与えました。

 どんな理由があれば、我が子を殺(あや)めることができるのでしょう。自分の愛する子どもを殺害することを正当化する理由はどこにもありません。

 でも、殺害にいたる動機はあるはずです。母親の説明では、自分自身も障害があり(難病?)、お子さんも発達障害があり、将来を悲観してのことだとか。衝動的に殺してしまった。自分も自殺するつもりだったと伝えられています。

 犯行後に自殺しようとした形跡もないばかりか、殺害した犯人が別にいるというような“偽装工作”までしているところもところをみると、母親の説明をそのまま素直には納得できないところです。

 お子さんの発達については、特別支援学級に入っているということですから、一定の問題はもっていたようです。しかし、すでに一定の体制をつくり、お子さんの発達支援に取り組んでいます。それなのに一人で全てを背負ってしまったというなのでしょうか。

 家庭や地域社会の事情がいろいろあるでしょうから、軽々にものをいうことは問題化もしれませんが、でも何か対応できたのではないか。母親をそこまで追い詰めなくてもすむようにはできなかったものか。

 先日当院が行った「フォーラム」では、子どもたちのために大人が何をすべきか、問い直す機会が与えられました。「一番困っているのは子ども」「大人は子どもの代弁者に」・・講師の先生にお言葉を、もう一度深く考え直してみたいと思います。

投稿者 tsukada : 23:01

2008年09月22日

フォーラムから

 先日行われた「上越子育てフォーラム」では、講師の筑波大学教授・宮本信也先生よりとても良いお話をお聞きすることができました。

 「発達障害」についての知識も、分かりやすく教えてくださいました。それだけでも多いな意味があるのですが、それ以上に私たちに伝わってくるものがありました。

 先生は小児科医として、今でも外来診療を続け、第一線で子どもたちを見守っておられます。そうだから持つことのできる視点がきっとあるのでしょう。

 たえず目線は子どもたちにおかれています。「学校で困った時(児)にどう対応するか」という副題をつけさせてもらいましたが、本当は一番困っているのは子どもたち自身なんだというのです。大変な思いをしている子どもたちの立場にたち、子どもたちが幸せになるためにはどうすれば良いかと考えるのが、私たち大人や教師の役割であると。

 先生は講演の最後の方で「代弁者」という言葉を使われました。ものを言うことができない子どもたちに代わって、子どもたちの「声」をひろいあげ、それを伝えることをしていかなくてはいけない。

 子どもたちの目線にたち、たえず子どもたちの幸せを望む先生の姿にもっとも感銘を受けました。副題を「学校で困った時(児)にどう対応するか」としてしまったことが、恥ずかしく思えたほどです。

 参加してくださった方は学校の先生方が多かったようです。講演を聴いていただき、何かを感じてくださったことだと思います。そして、きっと学校で発達障害をもつとされる子どもたちも楽しくすごせるような環境づくりに一歩前に進んでくださることと期待しています。

 私自身も小児科医として、宮本先生のお考えを少しでも自分のものとし、子どもたちの幸せのために役立つことができればいいな、などと、さらにその思いを強くしているところです。

 「子どもたちの心」も診療の中の大切なテーマと位置づけ、もっとよい小児医療ができるように取り組んでいこうと決意を新たにしました。

 いつも思うのですが、こういった講演を企画しているのは、本当は自分のためなのかもしれません。日常の仕事や生活につい流されてしまう弱い自分を刺激し、鼓舞し、モチベーションを高めることに役にたっています。それを意識して目的にしているわけではないのですが、一番勉強になってるのは、実は私だと思っています。

投稿者 tsukada : 23:33

2008年09月21日

御礼

 昨日、第4回上越子育てフォーラムを無事開催することができました。多くの方にご聴講いただき、嬉しくおもっています。

 講師の宮本信也先生は遠路つくば市からお越しいただき、大変ありがとうございました。とても良いお話に感銘を受けました。

 講演の内容や、宮本先生のお考えなど、この「院長ブログ」でまたご紹介したいと思います。

 とりいそぎ、無事開催できたご報告と御礼をお伝えいたします。

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投稿者 tsukada : 23:59

2008年09月20日

宮本信也先生のご著書

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投稿者 tsukada : 11:46

2008年09月19日

明日はフォーラムの日

 当院主催の第4回上越子育てフォーラムがいよいよ明日になりました。台風13号の影響が心配ですが、開催には問題ないでしょう。

 今年は「発達障害」について、筑波大学教授の宮本信也先生からお話をお聞きします。この分野での第一人者。分かりやすく解説して下さると思います。

 会場にはまだ余裕があります。お近くの方で参加ご希望の方は直接いらっしゃってくださってけっこうです。

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日時:9月20日(土)13:30〜15:30
場所:上越教育大学 講堂
料金等:無料

<プログラム>
講演 『発達障害の理解と対応〜学校現場で困った時(児)にどう対応したらよいか〜』
  筑波大学大学院 人間総合化学研究科
  教授 宮本信也先生
(座長 塚田こども医院・塚田次郎)

投稿者 tsukada : 23:59

2008年09月17日

60万!!

 HPへのアクセスが昨夜60万ヒットを突破しました。トップページにカウンターがおいてあります。各ページへのアクセスがどれくらいになっているかは・・管理者である私も分かりません。

 毎日の管理日報では、1日あたり20,000前後のページビューがあります。カウンターは1日あたり300ほど進みますので、単純に計算するとカウンターの数字の60倍ほどのページビューがあったことになりそうです。

 そんな前提で計算すると、これまでにのべ 60万×60=360万ページビューがこのHPにあったことに。1999年8月開設から9年ほどの“実績”ということになるでしょうか。

 あくまでも仮想の数字ではありますが、HPを作り、毎日みなさんに見ていただいている者としては、嬉しい限りです。ありがとうございます。

 「院長ブログ」も忙しいと書き込めない日もありますが、多くの方にご覧にいただいていることを心の糧(かて)にして、これからも長く続けていこうと思っています。

 これからもどうぞよろしくお願いいたします。

投稿者 tsukada : 20:20

2008年09月13日

にこにこ広場

 今日はわたぼうし病児保育室のにこにこ広場の日。あいにくの雨になってしまいましたが、たくさんの方から参加していただきました。

 今回はいつも以上に保育士がお遊びの道具を作りました。子どもたちにはそれらを使って、きっととても楽しい時間を過ごせたことと思います。

 ご報告をかねて、写真を何枚か用意しました。どうぞご覧下さい。

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投稿者 tsukada : 21:38

2008年09月11日

悩ましい問題

 「電子カルテ」の利点はとても大きなものがあります。全国の病医院で導入する例が増えてきているのは当然でしょう。

 私の周辺でも、電子カルテを使い始めた開業医がいくつかあります。先日も私の同級生が新規開業したのでお祝いに(見物に?)出かけてきましたが、電子カルテでした。

 使い勝手もずいぶんと良くなっているようです。それぞれの医院でさらにカスタマイズすることもそうとう自由にできるので、コンピューターに振り回されて、思うように仕事ができない、ということはあまりないという話も聞いています。

 しかしここ数年、当院で導入するか迷ってきました。それは導入に伴う「混乱」を心配していたからです。

 電子カルテを使っている医院をみると、だいたいは新規開業のところ。最初から電子カルテが仕事の中心にあり、医院の設計はもちろん、職員の業務、診療の方法など、電子カルテを使うにあたって最適な環境を作ることができています。

 いろんな意味で電子カルテは「紙のカルテ」よりハードルが高いのは事実。使いこなせるようになるには、それなりの時間と労力が必要です。新規開業であれば、ゆっくり・じっくり体制作りをすることができます。

 しかし、すでに開業から10数年以上たっていて、「紙カルテ」中心の仕事をしている医院にとっては、電子カルテの導入は革命的なできこと。ガラッと体制を変えるわけですが、導入し、慣れるまでの間も診療を休むわけにはいきません。

 さらに、これまでの紙カルテの診療情報や、会計専用のコンピューターに入っている患者さんの情報は膨大になっています。それらを正確に移行させるのも技術的に難しいこと。

 そんなことを考え始めると、なかなか電子カルテ導入を決断できないでいました。しかし、いずれはどこかで切り替えは必要。年数が経てば、現在より確実に「紙カルテ」の枚数は増えていきます。

 電子カルテ導入は必ずどこかでしなくてはいけないこと。であれば、「善は急げ」。思い立った時にやってしまうのが得策かと。

 導入に際していろんな心配はありますが、それらは知恵を出しながら一つ一つ解決していくことにしましょう。「歩きながら考える」・・いや、「走りながら実行する」のがいつものパターンなのですから、それと同じです。

 電子カルテは11月1日稼働。その目標に向かって前進あるのみ! 頑張ります!!

投稿者 tsukada : 23:59

2008年09月10日

プロジェクトX

 現在当院では壮大な計画が進行中。名付けて「プロジェクトX」・・って、誰もそうは呼んでいませんが。

 それは「電子カルテ」の導入です。これまでは紙のカルテに記入し、会計の業務に専用のコンピューター(レセコン)を使っていました。電子カルテはそれを統一したコンピューター・システム。全ての業務をコンピューター上で行おうというものです。

 電子カルテは10年ほど前から使われ出しました。カルテというのは公式の医療記録ですが、紙のカルテにはいろいろと問題があります。大きな病院などでは患者さんの病院を共有することが難しい。オンラインでつながれたコンピューター・システムが整備されていれば、どこからでも、誰でも情報を知ったり、書き込むことができます(逆に情報の漏洩が問題になりますが)。

 医師が主に書き込むわけですが、丁寧に、誰が読んでも分かる書き方をしているかというと、そうではないことの方が多いでしょう。「公式な記録」ではありますが、医師個人にメモ書きになっている場合も少なくありません。

 私のカルテもそうなりつつあります。言い訳をさせてもらえば、忙しいからです。外来診療は時間との勝負。きわめて短い時間に診察をし、指示を出し、そしてそれをカルテに書き留めなくてはいけません。あながち書き方は乱暴になりますし、内容は最低限のものになりがち。それではいけないと思いながら、でもそうならざるをえないのが現実です。

 書いている言語にも問題があります。日本人が日本国内で書いているカルテですので、日本語で書くのが当然でしょう。しかし、多言語が飛び交っています。昔はドイツ語が、今は英語が主です。といっても、ちゃんとした文になっているわけではなく、医学用語を英語で書いているだけなのですが。

 さらにそれを急いで書いているから、ミミズがはったような文字に。カルテをのぞき込んだ子どもが「ベラ書きしている」と言ってしまい、隣にいたお母さんがあわてて、すまなそうな顔をしたこともありましたが、本当に正直なお子さんです(^^;)

 自分にしか読めないようなカルテは、チームで行っている医療には不適切であることは言うまでもありません。指示の間違いなどがおきないよう、日本語で書くべきだというのもうなずけます。

 ではなぜ日本語で書かないか。それは文字も問題があります。漢字で書くことはけっこう時間と労力が必要です。咳(または咳嗽)は英語では「cough」、熱(または発熱)は「fever」。やはり英語で単語を書いたほうが楽ですし、時間が短くてすみます。

 もう一つ日本語を使わない理由があります。昔から「患者さんには医療内容を伝えない」という思想(?)が医療の中には生きています。最近でこそ薬の名前を教えるようになりましたし、診断名をきちんと伝えるようにもなりましたが、以前はそうではないのが普通。患者さんは医者に従っていればいい、なんて考え方がありました。だから患者さんが読めないように外国語で書いていたというのです。

 これもおかしな話ですよね。ドイツ人の医者がドイツ人の患者さんを診察するときにドイツ語を使わないのだろうか。アメリカ人の医者がアメリカ人の患者さんを診察するときに英語を使わないでいる、なんてことはありえません。日本だけでおきているような現象が、「世界標準」ではおかしいものなのです。

 いろんな理由があって、私も紙のカルテに、英語の単語を主に使いながら仕事をしています。しかし、そろそろ「電子カルテ」への転換が必要な時期だと思い始めていました。電子的な処理をすることで、患者さんの情報を院内スタッフみんなで共有する必要が高まってきているからです。

 もちろん、日本語で書き込むことを前提にしています。電子カルテであれば、日本語での入力は容易です。この「院長ブログ」を書いているのと同じように、日本人であれば誰でも読める言語で、そしてきれいに(!)カルテを作っていくことができます。

 もう一つ、紙のカルテによる弊害が大きくなり、その解決が必要になってきたという事情もあります。それは紙カルテ保存のスペースです。開院から18年がたち、登録してある患者さんの数はとても多くなってきました。患者さんの数だけカルテがあります。一つ一つのカルテも、次第に厚さが増してきました。

 それを保管する場所が、次第に手狭になってきました。最近よく来られる患者さんのカルテは受付の近くに置きますが、そうではなくなると他に場所に移動。といっても不必要になったわけではありません。遠くからカルテを探し出してくることも少なくなく、その労力も大変な。

 電子カルテが本格稼働すれば、これまでのカルテ探しの作業が不要になります。全てがパソコンでできます。もう電子カルテを使わない手はありません。

 ということで、今回は電子カルテを導入することに決めたのですが、実は数年前から悩んでいたことでもありました。何を心配し、導入までそうとうの期間が必要だったのか・・それは明日の「院長ブログ」でお話ししようと思います。

投稿者 tsukada : 23:18

2008年09月09日

今週土曜は・・

 当院に併設している「わたぼうし病児保育室」のニコニコ広場です。

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 今年3回目になります。楽しんでもらえる企画を保育士がたてています。お近くの方は、どうぞいらっしゃってみて下さい。

投稿者 tsukada : 17:32

辞任会見を見て(4)

 1週間前の会見はライブで全て見ました。辞任のタイミングにはビックリしましたが、辞任することそのものは「規定の方針」。特別なことではありませんでした。内容は民主党に対する恨みのような言葉を並べていて、聞き苦しいとは、前回の「院長ブログ」でのお話したとおりです。

 ただ一つだけ、あれ!?っと思うことがありました。一番最後の記者の質問に関連しての福田首相の態度です。記者は「この会見もひとごとのようですね」と皮肉たっぷり。

 それに対して首相は「私は自分を客観的に見れる。あなたとは違うんです」と反論(?)。いつもの冷戦沈着な福田氏とは違って、やや早口に、気色ばっていたように感じられました。きっとカチンときたんでしょうね。

 そんな場面を見ている私が「こわー」って思ったほど。もちろん一番怖いと思ったのは、当の記者でしょうね。

 でも、一方では「福田さんもこんな状況では感情を出すんだ。意外だな」って気持ちにも。そしてなぜかそんな福田さんに親しみのを覚えたものです・・ほんの少しですが。

 あんまり貯め込んじゃいけないですよ。自分の気持ちを正直に話すことで、自分らしさを保つことができるもの」。首相としてのほとんど最後の仕事が、国民に精神衛生の大切さを説いたのだとしたら、それは後生に語り継がれることになることでしょう。

 というのは冗談です。記者会見のあと、この質問をした記者の方がどうなったかな、って実は心配しています。会社からは「よく言った!」とほめられたか、それとも「バカな質問をしたもんだ」と言われたか。周りの反応はどうだったか。

 ネットでもこの話題で大盛り上がりだったということですので、いろんな声が彼のまわりに渦巻いたことでしょう。そんな中で、心のバランスを乱さなかったかな。そんな心配をしています。

 どなたか、この記者をご存じの方がおられましたら、励ましてあげてくださいね。

投稿者 tsukada : 01:24

2008年09月08日

辞任会見を見て(3)

 福田首相の辞任会見から1週間がたちました。まだ1週間しかたっていないのに、もう1週間。福田さんは辞任すると表明はしたものの、実際に辞任したわけではありません。でも、もう「過去の人」になってしまいました。

 当の自民党は次の総裁選びで騒がしくしています。民主党の党首選挙があったというのに、小沢氏の“独裁体制”にゆるぐことがないことは周知の事実。そのため、マスコミの報道も、そして国民の注目もちっとも民主党には向いていません。自民党総裁選一色・・この点では、福田首相の読みは的中。辞任表明は絶好のタイミングだったようです。

 福田首相がどんな政策を行ったのか、実績を明確に思い出すことはできません。歴史の上でもその名を残すことはほとんどないかもしれません。

 しかし、もしかしたら自民党の党史のなかに「逆風のすさまじい中、自らの辞任という文字通り捨て身の“勇断”が、自民党に対する国民の批判をかわし、支持率のアップにつながり、そして歴史的な総選挙勝利に導いた」などと書かれることがあるかも(T_T)

投稿者 tsukada : 23:59

2008年09月05日

辞任会見を見て(2)

 福田首相の辞任会見はその内容もとくに注目すべきものはありませんでした。生涯の大舞台になるわけですから、それなりのものを作り、伝えてくれればいいのに。日本の政治家は、自分のメッセージを伝えるのがヘタですね。

 前半で民主党に対して苦言を呈していたのはどうなんでしょうか。衆議院で絶対多数の議員を持っている自民党と公明党は、参議院では少数政党。与党の意志通りに事が運ばないことは、就任の時からすでに分かっていたこと。

 しいていえば、民主党代表の小沢氏との間で「大連立」するという“密約”があったにもかかわらず、ホゴにされたという恨みがあったのかもしれません。そうであれば、そのことをハッキリと言えばいいのに。

 自身の力不足から首相の座を降りることになったにもかかわらず、謝罪の言葉もなし。さらに他人に責任を押しつける・・。聞いていて不快な気持ちになりました。

 きっとプライドが高いのでしょうね。だから“負け”や“失敗”を認めたくない。トラブルの原因は自分にはなく、他にあるのだと言い訳する。

 残念ながらもともとトップリーダーになる資質はなかったのでしょう。

投稿者 tsukada : 23:59

2008年09月04日

辞任会見を見て(1)

 福田総理の辞任会見を、テレビを通してリアルタイムで見ていた中で、気になることがいくつかありました。

 誰に向かって話をしていたのでしょう。確かにあれは「記者会見」ですから、マスコミの記者たちに向かって会見をするということに何も間違いはありません。形式的には全くそうです。

 でも、それを見たり、聞いたり、読んだりする国民がいることをお忘れではなかったのかと。私のようにテレビを通してライブで見ている人達もそうとういたでしょう。その後のテレビニュースや新聞などで、時間は多少おいても、会見で語られた言葉を知ることになる国民も、また多数いました。

 福田総理は記者に語るのではなく、国民に語りかけるべきでした。言葉使いもそう。視線もそう。最後に感謝の言葉を「記者に向かって」はしましたが、国民に向けての言葉は聞けませんでした。まして、突然の辞任に対して謝罪の言葉はなかったように思います。

 在職中に(これではもうすでに辞めてしまったかのような言い方ですね)「消費者の目線」が大切だといい、「消費者庁」を作るんだと意気込んでいたのは何だったのでしょう。こんな大切な会見で、国民に丁寧に話しかけることができないということは、言っていたのがただのポーズだった、ということなのでしょうか。

 太田農水大臣が「日本は消費者がうるさいから・・」と本音(?)を語って、ずいぶん批判されました。あれだけ「うるさく」批判されても、発言を撤回しなかったのだから、本当に本心を語ったのだと思います。そんな正直さがあの方のウリだという話もありますが。

 太田氏の話を持ち出すまでもなく、結局政治家たちは言葉では「国民のため」と言いながら、実態はそうではないということを、見事に私たちに教えてくれているのでしょう。

 いずれ総選挙が行われるようですが、政治家や政党の選挙対策だけの発言や提案には十分に警戒していかなくては。

 話は長くなりましたが、総理の会見を見ていて感じたことの第一点は「国民に向けて話ができない」ということを教えてくれたことです。

 続きはまた明日以降に。

投稿者 tsukada : 23:59

総裁選へ

 福田総理大臣が辞任することになり、自民党は総裁選をすることになりました。ニュースでは誰が出るとかでないとかの話ばかり。

 政策の違いがあるのか、国や国民のために(決して党や党員のためではない!)リーダーシップをしっかりと発揮する素質があるのか・・そんな政治家としての根本的な部分はちっとも語られていないように思います。

 誰が自民党の総裁になれば選挙に勝てるか、民主党にダメージを与えられるか・・低次元の発想だらけです。

 マスコミの興味も、誰が総裁戦に立つのかという点にあるのでしょうね。普通のニュースなのに、まるでワイドショーのようになっています。ゴシップネタと同じレベルなのかも。

 自民党のねらいもそこにあるのでしょう。総裁選を盛り上げ、マスコミにいっぱい騒いでもらえれば、一時的にせよ国民の注目をあび、支持率がアップ。そして、来る総選挙でもその勢いで何とか政権政党からの転落を防ごうと。

 そんな戦略があからさまなのにもかかわらず、それに踊らされるマスコミにはあきれます。低レベルなのは政治家だけではないようです。

投稿者 tsukada : 23:35

2008年09月02日

辞任表明から1日

 福田総理大臣の突然の辞任表明から丸1日が経ちました。昨夜はニュースで大々的に取り上げていました。

 今日も各政党代表などのインタビュー、自民党の次の総裁選びのことなど、それなりのスペースを使って報道しています。でも・・。

 トップニュースの座(?)からはすでに転落。番組にもよるのかもしれませんが、大相撲での麻薬汚染事件をトップで報じていました。

 福田首相の退陣そのものは早くから予想されていたからなのでしょうか。昨日は驚きがありましたが、少し冷静になると、むしろ当然なのだ思えるのかも。

 なんとも情けなくて、存在感のない総理大臣でした。そもそも政治家としての資質に問題があった、ということなのかも。

 そして、そんなトップを担いできた自民党は、これからトップが変わりますが、本質的なところは変わるのでしょうか。あまり期待がもてないのですが。

投稿者 tsukada : 23:59

2008年09月01日

福田総理辞任

 さきほど福田総理大臣が辞任すると表明しました。テレビでは辞任の意向を速報で伝え、臨時記者会見をライブで流し、特別番組を放送しています。

 突然の辞任表明です。ビックリしました。でも・・やっぱり辞めるんだね、っていう気持ちもあります。

 就任から1年足らず。まだ自身の政策をそれほど実現したわけでもなく、今後の方向をきちんと決めたわけでもないように思います。この時期にどうして?

 昨年のちょうど今頃、安倍さんが辞任しました。国会の所信表明を前にし、その理由を明確にすることもなく、文字通り首相の役を投げ出してしまいました。無責任この上もない辞任の仕方だったことを思い出します。

 記者会見で記者から「安倍さんと同じではないか」といった質問がありました。それに対して福田首相は「安倍さんとは違う。自分は健康状態は悪くない」。辞任するのに一番良い時期を選んだのだと。物は言い様ですね。

 先週に経済緊急政策を取りまとめたのが一つのきっかけになっているようです。でも、その中身の多くはこれまでの政策を束ね治しただけのよう。これで本当の経済対策になるのか、首相がかねてから力説している国民生活が安心できるものになるのか、はなはだ疑問です。

 報道でさかんに言われているように、連立与党の公明党との関係がぎくしゃくし、自民党の中からも福田首相のままでは選挙が戦えないという声が強まっているというのが、辞任に至る心境の変化になったのでしょうか。

 おりしも夏休みがあけて今日から9月。福田首相は“宿題”を片付け、次のステージに移るために辞任するのでしょうか。それとも“宿題”を終わらすことができず、失意の中で辞めていくのでしょうか。

 いずれにせよ、これでまた日本の政治は停滞することになりそうです。石油価格の上昇、物価高、インフレ、格差の増大・・社会を暗い雲が覆っています。それが晴れるのは、まだまだ先になることだけは、確かなようです。

 これが今の日本の政治だと思うと、情けない国に今私が住んでいるのだと、つくづく痛感します。

投稿者 tsukada : 22:26

今日から9月

 9月に入りました。日差しはまだ強いのですが、夕方暗くなる時間がずいぶんと早くなり、もうすぐ秋がやってきそうです。

 今年の夏は“異常”続きでしたね。梅雨明けがとても早く、7月の半ばには真夏並みに暑くなっていました。

 8月の半ばからは雨続き。それも各地で大雨による被害が頻発していました。「ゲリラ豪雨」という名前もずいぶんと使われていました。

 そんな夏にもあと少しでお別れできそうです。早く過ごしやすい季節になるといいですね。

 今日から2学期というお子さんも多いことでしょう。集団生活に慣れるまでの間、緊張し、疲れて帰ってくるかもしれません。その分、家ではゆっくりと過ごさせてあげてください。

 私も夏モードから秋モードに切り替え中。これからだんだんと忙しくなっていきそうなので、その準備にそろそろ取りかからないといけないな・・と、気持ちだけはあるのですが、体がついていきません。

 今夜は毎月恒例の夜間診療所勤務。夏休み気分はもう終わり。まずは仕事モードに転換だ!

投稿者 tsukada : 22:10