2008年09月11日
悩ましい問題
「電子カルテ」の利点はとても大きなものがあります。全国の病医院で導入する例が増えてきているのは当然でしょう。
私の周辺でも、電子カルテを使い始めた開業医がいくつかあります。先日も私の同級生が新規開業したのでお祝いに(見物に?)出かけてきましたが、電子カルテでした。
使い勝手もずいぶんと良くなっているようです。それぞれの医院でさらにカスタマイズすることもそうとう自由にできるので、コンピューターに振り回されて、思うように仕事ができない、ということはあまりないという話も聞いています。
しかしここ数年、当院で導入するか迷ってきました。それは導入に伴う「混乱」を心配していたからです。
電子カルテを使っている医院をみると、だいたいは新規開業のところ。最初から電子カルテが仕事の中心にあり、医院の設計はもちろん、職員の業務、診療の方法など、電子カルテを使うにあたって最適な環境を作ることができています。
いろんな意味で電子カルテは「紙のカルテ」よりハードルが高いのは事実。使いこなせるようになるには、それなりの時間と労力が必要です。新規開業であれば、ゆっくり・じっくり体制作りをすることができます。
しかし、すでに開業から10数年以上たっていて、「紙カルテ」中心の仕事をしている医院にとっては、電子カルテの導入は革命的なできこと。ガラッと体制を変えるわけですが、導入し、慣れるまでの間も診療を休むわけにはいきません。
さらに、これまでの紙カルテの診療情報や、会計専用のコンピューターに入っている患者さんの情報は膨大になっています。それらを正確に移行させるのも技術的に難しいこと。
そんなことを考え始めると、なかなか電子カルテ導入を決断できないでいました。しかし、いずれはどこかで切り替えは必要。年数が経てば、現在より確実に「紙カルテ」の枚数は増えていきます。
電子カルテ導入は必ずどこかでしなくてはいけないこと。であれば、「善は急げ」。思い立った時にやってしまうのが得策かと。
導入に際していろんな心配はありますが、それらは知恵を出しながら一つ一つ解決していくことにしましょう。「歩きながら考える」・・いや、「走りながら実行する」のがいつものパターンなのですから、それと同じです。
電子カルテは11月1日稼働。その目標に向かって前進あるのみ! 頑張ります!!
投稿者 tsukada : 2008年09月11日 23:59