2009年01月22日
オバマ新大統領
アメリカ合衆国に新しい大統領が誕生しました。オバマ氏です。まだ“若い”47歳。そして初めてのアフリカ系(黒人)大統領です。
就任演説を聴くために(見るため?)200万人もの人々がワシントンに集まりました。考えられないくらいの数です。経済的にだけではなく、間違った戦争によって世界の中で威信を失い、自信を喪失したアメリカを、そしてアメリカ人を再びよみがえらせてくれることを期待していることの現れなのでしょう。
私も遠くからその様子を見ていました。といっても、テレビの中継を通してですが。日本にいても、その熱狂ぶりが伝わってくるのですから、本当にすごいパワーです。
そして就任演説を“生”で聴こうと待ちかまえていたのですが・・寝入ってしまいました。いっしょに感動を味わいたいと思っていたのですが、私のオバマ氏への思いはこの程度なのでしょう。
朝になってニュースで断片的に流れる彼のスピーチを耳にし、それまでのイメージと違うことに気づきました。「候補者」としての彼の演説は、人々に明るい未来がくることを語り、それをリードできるのは自分しかいないと訴えるものでした。
“Yes, we can!(そう、私たちにはできる)”という、もはや世界中で知られている有名なフレーズも、スローガンとして掲げる“Change(変革)”も、そんな中で使われていました。(日本で昨年、「一年を表す漢字」に「変」が選ばれたのも、彼の“Change”があまりに有名になったからだと思っています。)
就任演説ではそれらの言葉はほとんど出てきませんでした。演説上手といわれるオバマ氏ですが、聴いたかぎりでは全体に地味。彼らしい言い回しや言葉はあまりなかったように思えました。ニュースを作る人たちも、演説のどの部分を切り取ればいいのか、困ったのではないかとも想像します。
でもそれでいいのでしょう。大統領候補者としては「夢」を語る必要がありましたが、大統領としてはむしろ今の「現実」を人々に直視してもらうことが大切なのだと考えているのでしょう。目の前にある大きな問題を丁寧に解決していくことでしか、将来はない、と。
むやみやたらに期待をいだかせるようなことを言うことはできない。その一方で、必要以上に落胆することもない。合衆国の人民として自信をもち、立ち上がり、そして前進していこう。そんなメッセージを伝えたかったのだと思います。
翌日の新聞で就任演説の全文を読みました。やはり華やかなものではなく、これからの政策を具体的に述べています。44代大統領として何をしようとしているのか、その説明をしているかのようです。
今日のニュースでは、さっそく大統領としての職務を遂行しているようです。オバマ氏の強い指導力を感じます。
海の彼方では新しい大統領が国民に歓迎され、力強く政治の舵取りを始めましたが、私たちの日本ではどうでしょう。国民の圧倒的な不人気と不支持を集める麻生氏が、反対多数の「定額給付金」という毒まんじゅうのような予算にこだわり続け、日本の進路ををますます危うくしているように、私には見えます。
大統領と総理大臣。選ばれ方も違いますし、国民性も違います。二人が違って当然なのですが、それにしても違い過ぎています。少なくとも、国民にきちんと向かい合い、その声を聴こうとしているかどうかでは、決定的なものがあります。
お金持ちの総理大臣ですが、とても貧相に見えてきました。そんな見方をしてしまう私の考え方も貧相なのかもしれませんが。
投稿者 tsukada : 2009年01月22日 23:59