« 折り紙大好き保育園 | メイン | 週刊「感染症情報」 »
2009年01月27日
インフルエンザ流行が拡大
今日もインフルエンザ患者さんが多くて、慌ただしい外来でした。ここ数年で最も大きな規模になるかも・・という予想が、どうもあたったようです。
今のところはA型一色。そう思っていましたが、B型も少しでています。ある保育園ではB型だけの流行のよう。別の園ではA型とB型の両方がでています。
ある検査機関の報告では、「A香港型とAソ連型が4割ずつ、B型が2割」なのだそうです。外来ではA型の2つを区別できないので、「A型が8割、B型が2割」となります。これは私の外来での様子と、だいたい一致しています。
例年の流行ではA型が先に流行し、1月〜2月上旬はほぼA型のみ。それがやや落ち着いてからB型が流行し始め、3月から4月の春先に流行することが多いようです。今年は、もしかしたらA型の流行と一緒に、B型も大きな流行になるかもしれません。
同時に流行するということは、短期間にとても多くの患者発生があるということ。ピーク時に診療体制が混乱してしまうかもしれません。
インフルエンザは毎年多くの患者さんがでます。でも流行パターンによって与える影響はずいぶん違ってきます。長い期間にわたって少しずつ、平均的に患者発生があれば、診療もさほど難しくありません。
しかし、一挙に患者発生が起きてしまうと、受け入れる医療機関の能力を大幅に超えてしまいます。外来は基本的には「来る者拒まず」。来院する患者さんは全て診療します。一定の数を超えたから、あとはお断りする、などということがしません。
ところが、あまりに多くの患者さんが一度に訪れると、まともな診療ができなくなります。医者、看護師などの人的な問題もあります。薬剤などが調達できなくなるという問題もでるでしょう。あるいは、そもそも施設内に収容できないかもしれません。
いま問題になっているのは従来からのインフルエンザ。毎年はやっているものです。それですら、これだけの問題になるのですから、もし新型インフルエンザが発生し、世界中で流行し始めたらいったいどうなるのでしょう。想像を絶する事態になるかもしれません。
投稿者 tsukada : 2009年01月27日 22:42