2009年02月04日
学級閉鎖
市内の小学校などでは学級閉鎖が相次いでいます。インフルエンザ流行によるものです。
学校での罹患者数や学級閉鎖などの様子はHP上で知ることができます。毎日更新されるので、リアルタイムな情報です。
インフルエンザの対策は「敵を知る」ことから始まります。今どこでどれくらい患者発生があるかを知れば、ご自分の学校でいつから流行が始まるか、あるいは終わっていくか、ある程度知ることもできます。
毎年感じていることですが、インフルエンザの流行は生き物のよう。もちろんインフルエンザ・ウイルスは生物ですが、「流行」という全体としての姿も生きているかのごとく振る舞うものです。
公衆衛生学の一つの手法に、患者発生を地図上に書いていくというものがあります。それも時間を追って入力していきます。インフルエンザの場合には数日単位で見ていくと、流行している地域が次々に移り変わっていく様子が目に見えて分かります。
ある小学校で流行すると、数日後には隣の学校に“飛び火”します。ジワーっと浸潤するように拡がっていくのです。
国道などの幹線道路にそって流行が進む様子もよく分かります。“点と線”の結びつき。その後、“拠点”から周囲に拡がっていきます。
今シーズンの流行が終わったら、学校での発生状況を整理すると、そんな「生き物にようなインフルエンザ流行」の性格がよく分かることでしょう。
そんな難しいことをしなくても、小児科外来にいるとだいたいの様子が自然と分かります。患者さんの所属をお聞きしているからです。どの小学校の、何年何組で流行し、そこからどの学級に移ってきたか。そんな詳しいことも知ることができます。
流行の規模も分かります。学級閉鎖の情報が、親御さんから教えていただけるからです。それもその日におきた「最新情報」です。
診療所の中にいて、来院される患者さんを診ているのが主な仕事ですが、インフルエンザ流行時には、地域の中で、地域の方々と一緒に生きている、その中で小児科医としての仕事をしているだ、と実感します。これも「地域医療」の一つのあり方なのでしょう。
当院に併設している「わたぼうし病児保育室」の様子をみていても、同じことを感じます。ここ数週間は毎日10人以上の子どもたちをお預かりしています。平均は1日あたり8人ほどですので、利用者の多さは子どもたちの健康状態をストレートに反映しています。
そして利用者の多くはインフルエンザだということも、医院を訪れる子どもたちと同じ。急に熱を出し、ぐったりします。タミフルやリレンザといった薬を使っても、最初に2日ほどは熱があり、つらいもの。そんな具合が悪い子も少なくありません。
どんな急な依頼にも100%お応えしています。どんなに具合が悪くても、大丈夫(入院が必要な子は別ですが)。「絶対に断らない」というポリシーを開設以来“頑固に”通していますが、それが今のような「非常事態」にも生きています。いや、大変な時だからこそ生きているのだと思います。
さて、数年ぶりに大流行になったインフルエンザですが、いつ終息してくれることやら。もう数週間は大変でしょう。医院も病児保育室も、最後まで子どもたちのために頑張りこうと思っています。(きっとやり通すことができるでしょう)
投稿者 tsukada : 2009年02月04日 23:50